風菜
_「やあ。こんなところにいちゃあ危ないよ、少年。」
_「私?私は初音ミクだよ。君も知ってるだろう?あの初音ミクだよ。」
_「初音ミクっぽくない、なんて言われてもな…。私の購入者がそう呼んでいたから、そうだと思うんだが。」
_「それにしても、言葉を喋るなんて何年ぶりだろうかな。君は多分、私が今年で初めて話した人間だ。喜べよ。」
_「少年、暗くなるとここは特に危ないから君はそろそろ帰りなさい。もしかしたらここに潜む凶暴な人喰いの化け物が君を襲うかも…。なんてな。冗談だよ、そんなに怯えないでくれ。」
_「え?…私は大丈夫だよ。あいにくやったら頑丈な身体に作られてるものでな。」
_「おっ、また怒られて逃げてきたのか。しょうがない、君を励ますために特別に一曲歌ってあげよう。なにかリクエストはあるかい?」
_「そろそろ帰るのか?もう少し居ても良いんだが…まあ、気をつけてな。またな。」
