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それいけ!我々軍

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彼に感情を、あいつに自由を②

♥

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2022年04月26日

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町の外れに、大きな家がある。 そこには町でも有名な家族が住んでいる。

父と母、そして2人の子供。

お手伝いさん

ぼっちゃん、朝です。
起きてください。

エーミール

ん………

お手伝いさん

学校に遅れますよ。

エーミール

んー、、
はぁ、起きなあかんな…

今起こされているのは兄弟の弟の方 エーミールだ。

朝食にいつも出されるパンを食べ、支度をする。 町の外にある私立学校に通っているエーミールの朝はいつも早い。

エーミール

おはようございます、父さん
いってきます。

エミ父

あぁ、今日もちゃんとノルマをこなすんだぞ。

エーミール

はい、わかってます。

エミ父

お前は兄さんのようになってはダメだぞ。

エーミール

…はい

エーミールの父親はある大きな会社の社長だ。 プライドも高く、常に威厳を持って過ごしている。 そしてその子供のエーミールにもそれを実践するよう強く教えているのだ。

エミ母

エーミール、ちゃんと付き合うお友達は考えるのよ?
でないとあなたまで頭が悪くなるわよ。

エーミール

わかってます。
遅れるのでもう行きますね。

学校に着くと、みんなが駆け寄ってきた。 エーミールはクラスの人気者なのだ。

クラスメイト

エーミール!おはよう!
ちょっと分からないところ教えてくれないか?

クラスメイト

私も!
昨日の授業のこと聞きたいんだけどいい?

エーミール

ええよ!
みんなでやろうか

クラスメイト

いいな!
他にもわかんない人いるかもだし!

この中学校ははとてもいい学校で、みんなが切磋琢磨して成績をあげるように教えられている。

成績が学年でトップのエーミールは、みんなの先生役として慕われているのだ。

だから学校はエーミールにとって憩いの場だった。 息苦しい家の中から少しだけ息継ぎのできる場所。

エーミール

(ずーっとここにいたいなぁ…)

昼休み

エーミール

(ふぅー、やっとご飯や!
お腹減りすぎてもはや何も感じない)

御曹司

おーいエーミール!

エーミール

うわ、今日も来た…

いい学校生活を送っているエーミールだが、ひとつだけ嫌なことがある。 それがこの御曹司の存在だ。

御曹司

今日もうちに来いよ。
父さんがちょうど出張から帰ってきて色々話をしてくれるんだ。
お前も聞きたいだろ?

エーミール

…君がいいならぜひ。

御曹司

じゃあ放課後にまた!

エーミール

うん、また

御曹司は走り去っていった。

エーミール

(あー、今日もか…
あいつもどうせ俺の家柄がいいから寄ってくるんやろうな。
正直うんざりだ。)

それでも付き合いをしていかなければならない。 御曹司の家はエーミールの父親が居る会社の取引先で、粗相は許されない。

エーミールはいつも御曹司に誘われるせいで、友達と遊べないのだ。

エーミール

(まぁあいつがいなかったとしても、父さんと母さんが許してくれないだろうし…
諦めてはいるけど、やっぱり普通に暮らしたい、、自由に……)

御曹司の家

エーミール

お邪魔します

御曹司父

おぉ、エーミールくん!
よく来てくれたね!
さぁ座って!

エーミール

お久しぶりです。
今日はお招きいただきありがとうございます

御曹司父

そんなに固くならないで!
お父さんは元気かな?

エーミール

…えぇ、そりゃもう
また食事でも、と言っていましたよ。

エーミール

(やっぱり父さんの機嫌取りのために俺を招いてるんやな。
…どいつもこいつも自分の地位を守るために子供を使うなんて、大人気ないな)

そこから数時間、本当に中身のない自慢話を聞かされ、帰りに大量の土産を持たされて帰った。

エーミール

ただいま

エミ父

おぉ、今日は例の取引先に行ってきたようだな。
どう言っていた?

エーミール

今度食事をしましょうと仰っていました。
連絡が来るはずです。
あとこれ、出張に行った際の土産らしいです。

エミ父

そうかそうか、それは良かった。

エミ母

今日はそのお友達と一緒に過ごしたの?

エーミール

…はい、一緒にいてくれましたよ。

エミ母

そうなの、いいことだわ!

エーミール

今日はもう寝ます。
おやすみなさい

エミ父

そうしなさい。
明日も頑張るんだぞ。

エーミール

はい、わかってます。

自室

エーミール

はぁっ……
疲れた………

エーミール

…なんでこうも息苦しいんやろ。
自由って…なんだっけ?

エーミール

いつからこんなことやってるんやったっけ。
もうなんも分からんわ…

エーミール

…頭はいいはずなのに、こういうことは何もわからんな、俺。

エーミールの心の中には悲しみと苦しさ、悔しさが入り交じっていた。 色々考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。

作者

こんにちは、作者です!

作者

今回も呼んでくださってありがとうございます!

作者

コメントやいいねをしてくださった方も、励みになってます🙏
二チャリながら見ています()

作者

今回はエーミールの過去について書かせていただきました。

作者

次回はゾムとエーミールの初対面についてかけたらいいな、、と思っております

作者

補足ですが、、、
毎話一応あらすじのところに一言書いておりますので、そこも見ていただければ嬉しいです…

作者

それでは!
また次回お会いしましょう!

それいけ!我々軍

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