町の外れに、大きな家がある。 そこには町でも有名な家族が住んでいる。
父と母、そして2人の子供。
お手伝いさん
起きてください。
エーミール
お手伝いさん
エーミール
はぁ、起きなあかんな…
今起こされているのは兄弟の弟の方 エーミールだ。
朝食にいつも出されるパンを食べ、支度をする。 町の外にある私立学校に通っているエーミールの朝はいつも早い。
エーミール
いってきます。
エミ父
エーミール
エミ父
エーミール
エーミールの父親はある大きな会社の社長だ。 プライドも高く、常に威厳を持って過ごしている。 そしてその子供のエーミールにもそれを実践するよう強く教えているのだ。
エミ母
でないとあなたまで頭が悪くなるわよ。
エーミール
遅れるのでもう行きますね。
学校に着くと、みんなが駆け寄ってきた。 エーミールはクラスの人気者なのだ。
クラスメイト
ちょっと分からないところ教えてくれないか?
クラスメイト
昨日の授業のこと聞きたいんだけどいい?
エーミール
みんなでやろうか
クラスメイト
他にもわかんない人いるかもだし!
この中学校ははとてもいい学校で、みんなが切磋琢磨して成績をあげるように教えられている。
成績が学年でトップのエーミールは、みんなの先生役として慕われているのだ。
だから学校はエーミールにとって憩いの場だった。 息苦しい家の中から少しだけ息継ぎのできる場所。
エーミール
昼休み
エーミール
お腹減りすぎてもはや何も感じない)
御曹司
エーミール
いい学校生活を送っているエーミールだが、ひとつだけ嫌なことがある。 それがこの御曹司の存在だ。
御曹司
父さんがちょうど出張から帰ってきて色々話をしてくれるんだ。
お前も聞きたいだろ?
エーミール
御曹司
エーミール
御曹司は走り去っていった。
エーミール
あいつもどうせ俺の家柄がいいから寄ってくるんやろうな。
正直うんざりだ。)
それでも付き合いをしていかなければならない。 御曹司の家はエーミールの父親が居る会社の取引先で、粗相は許されない。
エーミールはいつも御曹司に誘われるせいで、友達と遊べないのだ。
エーミール
諦めてはいるけど、やっぱり普通に暮らしたい、、自由に……)
御曹司の家
エーミール
御曹司父
よく来てくれたね!
さぁ座って!
エーミール
今日はお招きいただきありがとうございます
御曹司父
お父さんは元気かな?
エーミール
また食事でも、と言っていましたよ。
エーミール
…どいつもこいつも自分の地位を守るために子供を使うなんて、大人気ないな)
そこから数時間、本当に中身のない自慢話を聞かされ、帰りに大量の土産を持たされて帰った。
エーミール
エミ父
どう言っていた?
エーミール
連絡が来るはずです。
あとこれ、出張に行った際の土産らしいです。
エミ父
エミ母
エーミール
エミ母
エーミール
おやすみなさい
エミ父
明日も頑張るんだぞ。
エーミール
自室
エーミール
疲れた………
エーミール
自由って…なんだっけ?
エーミール
もうなんも分からんわ…
エーミール
エーミールの心の中には悲しみと苦しさ、悔しさが入り交じっていた。 色々考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。
作者
作者
作者
二チャリながら見ています()
作者
作者
作者
毎話一応あらすじのところに一言書いておりますので、そこも見ていただければ嬉しいです…
作者
また次回お会いしましょう!