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〜彩莉 side〜
二人と解散して、 廊下を歩いているところ
渉
彩莉
不意に、後ろから声をかけられた
彩莉
渉
真冬達と仲が良くて、 学校で誰よりも人気な浦田先輩だ
そんな人が、 私に何か用なのかな……?
彩莉
突然のことでの驚きを抑えて、 できるだけ平静を保って答える
渉
渉
彩莉
真冬関連で、私に聞きたいこと?
渉
私と、真冬の関係……
彩莉
前に言われた通り、 恋人のフリをしなきゃ
いとこ同士なのは、絶対誰にも 知られちゃいけないらしいし
渉
特に驚いた様子もなく、聞き返される
彩莉
嘘だとバレないように、 はっきり答えた
渉
答えまで少し間があったものの、 何とか納得してくれたらしい
彩莉
彩莉
一度ペコリとお辞儀をしてから、 後ろを振り返って廊下を歩き始める
その途中、後ろから鋭い視線を感じた
少し怖くなって、 昇降口に向かう足を早める
それにしても、どうして私達の 関係なんて聞いてきたんだろう?
探るような聞き方だったのも、 少し気になるし……
彩莉
念の為、次に真冬達に会う時、 このことを報告しておいた方が いいかもしれない
〜渉 side〜
深夜一時
今夜もまた、時雨桜が現れるとの 情報が入った
あいつの次のターゲットは、 この美術館に保管されている 小さな絵画らしい
優
俺の隣で、助手の優が 大きな欠伸をする
優
渉
渉
そう言ったものの、流石に二徹目は、 俺にも少しきついものがある
渉
優
優
気合十分、と言うように、 右手でガッツポーズをした坂田
渉
優
今までの犯行から見て、白髪のやつ 以外にも裏で動いてるやつは、 少なからず一人はいるはずだ
もし“時雨”の正体があいつなら、 俺らにはその候補の目星が付いている
目的と裏の奴の名前に関しては、 あっちから口を滑らすのを 待つしかないが
とにかく今夜は、時雨桜の肉声を 入手できれば及第点ってところだな
優
渉
優
昨日の昼、突如俺のパソコンに 届いたメッセージ
『今夜、時雨桜が○○氏の 屋敷に現れる』
送り主の名は、さっき俺が言った通り “L”
正体も何もかも不明な奴だけど、 念の為と警備を張ると、 本当に時雨桜が現れた
渉
初めは、“L”の正体がそいつなんじゃ ないかと思ったが、ブラッドムーンは 名前のイニシャルが違う
そうでないとしても、自分も 盗みに入る場所の警備を、 自ら厚くしたくはないはずだ
それほど腕に自信があるのなら、 話は別だが
渉
渉
優
自信満々そうに、 にっと笑って坂田が言う
たしかにこう見えて、今までの 事件でも結構活躍してきたからな
俺は運動は得意な方ではあるが、 こいつの飛び抜けた身体能力は、 俺には無いもの
本人には少々失礼ではあるが、 頭脳の面では俺の方が長けている
俺でも最高のコンビだと 思えるんだから、お互いへの信頼は 並大抵ではない
渉
〜ユキ(真冬) side〜
ユキ
ユキ
ソラ
ソラの指示を聞きながら、無事建物に 侵入して、今回のターゲットが 保管されている部屋まで辿り着いた
鍵は……かかってない
そっとドアノブに触れて、 音を立てないように、 けど素早く部屋に入る
ユキ
ユキ
ソラ
それにしてもこれ、扱いが酷いな、 無造作に床に置かれてる
ソラ
ユキ
今日も、浦田先輩と優の、 探偵コンビが来ているらしい
これに気づけたのは、ソラが いつも以上に警戒をして、 情報収集をしてくれたおかげだ
ユキ
それに今日からは、姿を見られる だとか、そういう心配はせずに、 ただ逃げればいいだけ
いつもより、やることは単純だ
ソラ
ユキ
ソラの合図で部屋を出て、 元来た道を走る
人の気配がしたら隠れて、 それが過ぎ去ったらまた走った
このまま、入ってきた裏口まで……!
ユキ
何も難は無く、無事裏口に辿り着いた
声は出せないから、こっそり心の中で ガッツポーズをする
ここから出て、建物を囲ってある 柵を登って、外に出られれば__
優
ユキ
裏口から出た直後、 左から声が聞こえた
急いでその方向を振り向く
優
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ