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徨世
徨世
徨世
薄暗く、全くといって良い程照明の 無い場所...
太宰は良く判らない場所に来ていた。
横浜の地図を見ても其の場所について は詳しく描かれておらず、
人が立ち入るには少し勇気が要ると 思う程、闇に溢れた場所だった。
太宰治
太宰は振り向きもせず背後へ 声を掛けた。
其の声は凄く冷たかった。
其の瞳は一切光を通さなかった。
そして柱の裏から一つの影が現れた。
???
影の正体は
ポートマフィアの首領 「森鷗外」だった。
森は此処横浜を縄張りにする凶悪 マフィアである
“ポートマフィア”の頂点の 首領だった。
ポートマフィアの組織構成は大きく 分けて五つに分けられる。
「首領」 「五大幹部」 「武闘派 黒蜥蜴」 「遊撃隊」 「構成員」 という感じだ。
太宰治
と、少々回り諄い云い回しで問う 太宰に対し森は一言
森鷗外
と云い自身の白衣の衣嚢に手を入れ、 何かを掴み衣嚢から手を出した。
其の手に握られていたのは、
“スプレエ缶”だった。
森が親指を倒すと、缶から瓦斯が 抜ける音がして
太宰治
其れを吸って了った太宰は激しく 咳込み始めた。
苦しむ太宰の姿を見て森は 嬉しそうに笑みを零した。
太宰治
脱力した太宰は膝から崩れる様に 其の場に倒れた。
国木田独歩
太宰治
俺は太宰に声を掛けるが、 帰って来たのは沈黙。
先程、社に帰って来た太宰は 仕事に夢中らしく、俺の呼び掛けに 反応しなかった。
国木田独歩
太宰治
太宰はやっと俺に気付いたらしく、 キョトンとした様子で云った。
国木田独歩
一方で俺は兎に角、目の前の情景を 受け入れようと必死だった。
太宰治
国木田独歩
国木田独歩
太宰は黙って首を傾げて居る。
太宰が意味も無く 仕事をする筈が無い。
そうなると...
国木田独歩
鋭い目線を向け云った。
太宰治
国木田独歩
太宰治
自分の口から咄嗟に出た一人称は “僕”だった。
そう云えばマフィアの時の 一人称って僕だったんだっけ?
そうだ、一人称を私に変えた 理由は其れだった。
マフィアの時の自分を棄てる為。
なのに何故?
国木田独歩
珍しく太宰は動揺して居る様だった。
多分太宰自身も今の状況が理解 出来てないのだろう。
太宰治
太宰は下を向き黙って居る。
国木田独歩
黙って居ようと思ったが、 国木田君の怒鳴り声に負けて 本当の事を云った。
太宰治
国木田独歩
国木田君は驚いた様子で 目を見開いた。
当然か。
此の先の事は話すべきだろうか?
動揺している所為か、 脳が何時もの様に働かない。
国木田独歩
其の事を察してか国木田君は 心配してくれた。
なんだか先の事は話した方が楽に なれそうだったので、 先の事を話すことにした。
太宰治
徨世
徨世
徨世
徨世
徨世
徨世
徨世