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理玖はスマホを取り出しすぐに110番を押した。 普段なら冷静なはずの指が何度も誤ってボタンを押してしまう。
警察
理玖
警察
理玖
早口でまくしたてながら、 喉の奥が焼けるようだった。
警察が来るまでの間も、 何かできることはないかと家中を何度も見て回った。
その数分後。 インターホンが鳴る。 ドアを開けると、二人の警察官が立っていた。
私服警官が2人。 ひとりはデジタル証拠解析班、もう一人は現場確認の担当だ。
警察
無言で頷き、すぐに家の中へ案内する。 玄関から廊下、リビング──そして机に置きっぱなしのスマホ。
理玖は冷静に状況を説明する。
理玖
理玖
警察
理玖
理久は晋のスマホを差し出す。 犯人からの無言の動画。
動画の中には、拘束された晋が映っていた。 画面は暗く、声も入っていない。 だが、明らかに暴力の痕跡があった。
警察官の表情が変わる。
警察
理玖
警察
理玖
理玖
食い下がる理玖に、警察官は一度目を伏せる。
警察
しばらくして、一人が声を落として言った。
警察
警察
理玖
理玖の声は深く低く震えていた。
それでもその目は真っ直ぐだった。
理玖
それから、捜査車両のドアが開かれた。 理玖は一度だけ深く息を吐き、 晋の名前を胸の中で呼びながら、その車に乗り込んだ。
2025.08.05 公開
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