暇ちゃんは俺を、
みんなとは少し遠い
あの神社の裏へと向かった。
すち
…
しばらく続いた沈黙。
それを破ったのは彼だった。
暇72
…すち、
すち
…え?
暇72
お前、たくさんのこと思い出せたよな
暇72
本当に…
暇ちゃんのその顔は少し寂しそうだった。
すち
いや…そんな…
暇72
本当に、いや、
暇72
やっぱすげぇよ。お前。
すれば彼はこっちを向いて、
口角を上げた。
暇72
なぁ、
暇72
覚えてるか?
暇72
昔……
暇72
ここで、お前に告白したこと。
すち
わー、!すご…
暇72
ね、めちゃきれい…
暇72
この隠し場所が一番だな、
すち
ね、教えてくれてありがと!
すち
こんなに花火綺麗に見れるとは思ってなかった。
暇72
へへ、まぁいいってことよ
すち
もー綺麗だけじゃ収まんない!
すち
手伸ばしたら届くかなぁ?
すち
ほら、…っんー、!!!
すち
へへ、変なのっw
暇72
…
暇72
…何1人で笑ってんだよw
すち
バカじゃん俺ww
暇72
ま、やっぱそんなとこも含めて
暇72
すちは可愛いよな。
すち
…っ!え?
暇72
本当、笑ってても、怒ってても、泣いてても、頑張ってても、
暇72
ほーーーーーんとっかわいい。
すち
えっ!?え…えぁッどう、…w
暇72
ふ、鈍感なやつめ、
暇72
可愛いよ。すち。
すち
ま、って照れるから…
暇72
なぁすち、
すち
…ん…?
暇72
俺はすちが好きだ。
暇72
俺と、付き合ってください。
そして、俺はその手を取った。
ぎゅっと握って、
顔も耳も赤くして
いいよ、
とそう言った。
その後、軽く、唇を重ねた。
あぁ、ここだったんだ。
俺らのー…。
暇72
始まりの、場所。
そうだったんだ。
はなびにてをのばして、
つかめるかなって
笑ったのは俺だったんだ。
暇72
…おもいだした?
すち
うん、…すごく、
すち
せんめいに…。
暇72
うん、そっか。
優しく彼は笑う。
彼の声は、花火にかき消されるかのように 静かにとける。
ふと、体に人の温かさを感じた。
暇72
ねぇ、すち?
すち
…なぁに?
暇72
俺が、死ぬ前に、
暇72
お前にもう一度、
暇72
告白、していい?
すち
…!
すち
…うん、いいよ。
すち
今だけじゃなくて、これからも、してよ。
暇72
うん
暇72
大好き、
すち
俺も大好き
暇72
一緒にいようね、
すち
ずっとだよ
暇72
すぐこっちこないでよ
すち
行くかもしんないw
暇72
生まれ変わったら絶対
結婚、
暇72
しよう。
そう言う彼から聞こえた
悲しみに満ち溢れた慟哭は、
激しく咲き乱れる花火によって
上書きされていた。