綺麗な花火は、
抱き合う俺らの前で
記憶に残るほど濃く、
そして淡く散って行った。
まだ泣き崩れている暇ちゃんの
背中を優しくさすって、
俺も声を上げず、
静かに泣いた。
暇ちゃんはもう、すぐ、
死んじゃうんだ。
俺は彼の肩を抱いて
そう思った。
昔のように、強くはない
細くなった肩を抱いて。
花火が終われば、
…君が。
アナウンス
…夏祭り、花火の公演はこれにて以上でございます。
アナウンス
引き続き、ーー夏祭りをお楽しみください。
アナウンス
また、お帰りになる方は、お怪我のないよう気をつけてお帰りください。
丘の下からは、
花火に感動した人たちの、 拍手と歓声が聞こえてきた。
すち
…行こっか、暇ちゃん
暇72
…ッうん…
LAN
あ!いたいた!!
LAN
お前らどこ行ってたん!
すち
ごめんごめんw
すち
落とし物して探してたんだ
こさめ
もー、せっかく綺麗な花火だったのに
こさめ
勿体無いなあw
すち
www見てたよw花火は
みこと
なんか買いたいものとかある?
みこと
あったら買ってから帰ろー!
すち
んー俺はいいかな、お腹いっぱいだし…
いるま
…なつ、どした?
すち
えっ…?
LAN
ッ!?なつ!!
らんらんは声をあげる。
それと同時に俺も暇ちゃんを見る。
…暇ちゃんが、
両腕を抱えて、震えていた。
こさめ
え、あ、えッ…?!
こさめ
なつくん?!
みこと
汗すごいよ、!
みこと
ぇあッ、ここ、病院近いよねッ!?
いるま
ごめ、俺電話するわ。
いるま
どっかベンチ連れてって横にしてやって。
すち
ッえ、…な、…ん、で…
…あれ、
また、
俺の、せい…?
暇72
ッはぁッ、はぁッ、はぁッ、はぁッ…、