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注意書き用
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そう、アキラが言って手招きをする。吸い寄せられるようにセラフが近寄ると急に腹や腕を触られた。
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一通りセラフの体をまさぐったアキラは脇腹を少し強めに叩いた。すると、セラフが小さく呻く。
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これは後で怒られるな…とアキラが呟きながらセラフの手当をしようと動く。 バレてしまったセラフは口を尖らせてされるがまま、ソファへと座った。
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振り返った奏斗の後ろには誰もいない。吹き抜けていく冷たい風が髪を揺らす。 ふと、上から黒い影が地面へと落ちた。
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身に着けた仮面を外し、けらけらと笑う雲雀。 対する奏斗は頰を膨らませて怒りの感情を示していた。
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客の入りもそこそこなラーメン屋さん、2人で舌鼓を打っていると奏斗のスマートフォンが連絡が来ていることを告げる。
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電話をするため、店外へと出ていく奏斗を目線で見送る雲雀。完全に見えなくなるとまたラーメンを食べ始めた。
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セラフがからかうように笑うとアキラが呆れたように首を降った。 何度言い聞かせてもこの末っ子は自分の身を省みない。 以前よりは自分や仲間のことを意識はしているがそれでも生まれついての癖は治らない。
結局この日はアキラからの説教だけで済んだ。きっと明日は奏斗や雲雀からもとやかく言われるんだろうな、そんな気持ちでセラフは眠りについた。
今日はランドリーで取り扱っている仕事の日だ。 長期での仕事を想定しているらしく、今日は事前に情報の示し合わせをする予定らしい。
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アキラ、雲雀はいつも通り返してくれたものの、奏斗はこちらを一瞥したっきり目線すら合わない。 かなりご立腹だとうかがえる。
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その後は話合いが続いた。 奏斗からのおふざけは一切なく、雲雀やセラフがボケてもいつも通りの反応がなかった。
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事情を知っている2人はそそくさとその場をあとにした。 残されたセラフは所在なさげにしていた目線を奏斗へやった。
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誤魔化しも効きそうにない奏斗の態度に観念してセラフは傷を負った側を奏斗の方へ向けた。
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立位のセラフに座っている奏斗の顔は見えないが、言葉もないほど怒っているのは分かる。
何を言われるのか頭の中で考え覚悟を決めていると、奏斗の腕がセラフの腰を抱くように引き寄せた。 それから、ちょうどセラフの臍の辺りに奏斗の額が押し付けられた。
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顔は相変わらず見えないままだが、明らかに泣いている。 セラフを抱き締める手の力は強く、呼吸も早い。そして、床にぽたぽたと雫が落ちていく。
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しゃくりあげてまともに喋ることも難しい様子の奏斗。 ここまで自分を心配してくれていたのかと嬉しくもなるが、大事な仲間を泣かせてしまった罪悪感が大きい。
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どん、と強く脇腹を叩かれる。傷口に響いて思わず声が出てしまった。
奏斗の方を見ると、微かに目元が赤く腫れていた。 まだ溢れてくる大粒の涙を拭うと、不服があらわになる。
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ぐずぐずと鼻を鳴らし、セラフの腹に顔を埋める奏斗。 上からそっと頭を撫でてみると、しばらくして健やかな寝息が聞こえてきた。