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rara🎼
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第13話『夢の中で、言えなかったこと』
その朝、リビングはいつもより静かだった。
時計の針は、すでに10時を回っている。
いるまはマグカップにコーヒーを注ぎながら、ふと目を上げた。
いるま
昨日は花見のあと、少し疲れた様子だった。
頭痛もあったし、まだ眠っていてもおかしくはない。
それでも。
どこか、胸の奥でざらりとした違和感が引っかかった。
コーヒーをテーブルに置き、そのまま静かに廊下を進む。
寝室の前で一度立ち止まり、ノックはせずに、そっと扉を開けた。
カーテン越しに、やわらかな光が差し込んでいる。
ベッドの中、うつぶせ気味に寝ているらんの肩が、小さく震えていた。
らん
かすれた声が、寝言のようにこぼれている。
らん
その頬には、涙の跡。
いるまは、静かに近づいて、布団の端を少しだけ整えながら、らんの枕元に腰を下ろした。
いるま
らんは、まだ目を閉じたまま。
でも、唇がわずかに動く。
らん
らん
らん
その言葉に、いるまはゆっくりと息を吐いた。
いつも気丈に笑っているけれど。
みんなの前では「大丈夫」って言ってるけど。
きっと、らんの心の奥には、ずっとこの痛みがあった。
わからないまま、繋がりの中に立ち尽くす怖さ。
自分だけが何も持っていないような、あの孤独。
いるま
いるまの声は、低く、優しく、静かだった。
いるま
いるま
しばらくして、らんの眉が少しだけゆるんだ。
そして、うっすらと目を開ける。
らん
いるま
いるま
いるま
らん
いるま
しばしの沈黙。
らんは、まだ眠そうな目を擦りながら、ぽつりと言った。
らん
らん
いるまは、わずかに目を細めて笑った。
いるま
いるま
いるま
らんは、少しだけ唇を結び、それからそっと頷いた。
らん
寝起きの声。
少し掠れているけど、ちゃんと届いている。
いるま
いるま
いるま
らん
らん
寝室のカーテンを開けると、春の陽光がふたりを包んだ。
まだ知らない記憶がある。
けれど、“言葉にできる想い”は、確かにここにある。
それが、今の“らん”にとっての真実だった。
そしてその日の午後。
らんは、一枚の白紙のメモに、こう書き記した。
覚えていないことを、怖がらなくていい。 それでも、大事にしたい人たちが、今ここにいる。
その手元には、小さなぬいぐるみと、昨日拾った桜の花びらが置かれていた。
──夢の中で泣いても、目覚めたらそこに、“ぬくもり”がある。
それは、記憶よりも確かに“今”を支えてくれていた。
第13話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡140
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コメント
2件
ここまで一気見しました次も楽しみです♡