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[ チ ャ ッ ト 版 ]花 道 自 転 車

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[ チ ャ ッ ト 版 ]花 道 自 転 車

1 - 結 局 ど こ ま で 行 っ て も 田 舎

♥

10

2022年09月16日

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電車に揺られ、片道2時間

見渡す限りの畑に目を凝らすと、 畑作業をしている人達とよく目が合う

かかしと呼ばれる鳥避けの人形は 風や雨に煽られ倒れかかっている

服の色は 赤、青、黄 様々な個性的な色が使われている

壊れかかった街頭、 ブルーライトの使われない広告

澄みきった川、 車の排気ガスが混じっていない新鮮な空気

この新鮮な空気に囲まれて 大きくため息をつく

結局どこまで行っても田舎

また同じ景色

都会に行こうと、 片道2時間も電車に乗ったのにこの有り様

田舎の静かな雰囲気が ''2時間乗った程度じゃ都会には行けないよ" と言っている様に感じてイラッときた

都会が嫌いな訳じゃない ただ……

同じ日常の繰り返しに飽きただけ

私の通う中学校は、 校則緩々、全校生徒9人

もっと刺激が欲しい、

と言う訳では無いのだけれど

個人的に嫌なのが、村の人達全員身内的存在で絡んで来る所

人と話すのはあまり得意とは言えない

そんな事を考えていると、 また次の駅に着いた

この駅で家に帰ろう、 無駄金だった

青井 凪

あ、湊先輩

ちょうど駅のホームを降りたところに、学校の先輩が居たから声をかけた

学校の先輩とは言っても、留年しているらしく今は同級生

年は3つ上だから一応敬語を使うようにしている

鏑木 湊

凪が電車使うなんて珍しいな

普段は電車とか滅多に使わない

学校だってチャリ通だし、 運良く近くにはコンビニがある

青井 凪

先輩こそ、なんでこんな所歩いてるんですか

腕時計を見ると、針は3時を指していた

鏑木 湊

ん〜…、自然が落ち着くから

青井 凪

…自然なんていいことないですよ

鏑木 湊

ま、感性は人それぞれだしな

湊先輩は私の全てを受け入れてくれる気がする

否定することもなく、共感ばっかりするわけでもない

私みたいな隠キャにとっては1番話しやすい存在とも言える

青井 凪

…じゃぁ急ぐので、また明日

鏑木 湊

おう、またな!

今日も太陽より眩しい笑顔が私を襲う

青井 凪

(…変な人)

私はまだ気づくことができない、 この感情に

青井 凪

…湊先輩、進路表描きましたか

先週もらった進路表、 期限が今日までなのをすっかり忘れていた

"都会に行こう"だなんて夢見ている間に、 進路表書いておけばよかった

鏑木 湊

俺は、近くの高校にいくつもり

鏑木 湊

この田舎に高校なんて一つしかないし、皆んなあそこに行くんじゃないか?

青井 凪

…そっか、寂しいですね

湊先輩は、私がこの田舎の高校に行くと思っているのだろう

少し驚いたような表情で私を見てくる

青井 凪

実は私…

『卒業したら、 都会に行くんです』

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