ジメジメと暑い夏の帰り道。
いつものように隣にいるまろに顔を向けようとすると、まろに手首を掴まれる。
ないこ
びっくりしてまろの名前を呼ぶ。
If
言いにくそうに口を開くまろ。
If
まろはちょっと顔を俯ける。
If
顔を上げてニッとはにかむような笑顔を見せるまろ。
俺は顔に熱が集まって何も考えられない。
ないこ
しばらく脳死状態で口をぱくぱくさせてると、まろが痺れを切らしたように言う。
If
わかりやすい説明を聞いてもまあそれは理解してるのであんまり状況は変わらない。
とりあえず返事しなきゃと思って想いを言葉にする。
ないこ
まろは一瞬驚いた顔をするが、次の瞬間また笑って、
If
そう言った。
公園の入り口近くのベンチに座る。
ないこ
If
2人で他愛のない会話をする。
ふと後ろの人気のない道を見る。
If
俺の行動と同じようにまろが振り返って言う。
ないこ
If
あの時を思い出して疑問を思い出す。
ないこ
汗をかいたシャツをパタパタとさせるまろに聞く。
If
今頃聞く?と言うような顔をするまろをジッと見つめていると、観念したように口を開く。
If
If
If
If
まろらしいと言うからしくないと言うか思ってたよりかわいい答えに吹き出す。
ないこ
そういうと、頬を膨らませて、
If
なんて言う。
ないこ
こんな日々が続くといいな。
食材の入った袋を右手に持って人気のない道を進む。
If
ないこ
懐かしそうに遠くを見つめるまろに笑ってツッコむ。
ないこ
If
まるで他人事のように言うまろだけど、どこにするか決めるときに真っ先にこの公園の周辺を選んだのも彼だ。
ないこ
If
ないこ
If
去年理由を聞いてから時々引っ張り出してはまろをいじるこの話題。
かわいいのにな〜、と呑気につぶやくと顔を真っ赤にして俺らの家へ逃げるように帰って行ってしまう。
ないこ
面白くって、少しの笑いが漏れる。
ないこ
生暖かい風により音を立てたビニール袋を左手に持ち替えて結局こちらを振り向いたまろの方へと急ぐ。
ないこ
ないこ
あの知らせを聞いて、真っ先にやってきたのはこの公園だった。
現実と非現実の境もわからない朦朧とした意識の中で必死に考える。
ないこ
どうしても信じられなくて、信じたくなくて。
ないこ
昨日今日とか、元気とかで左右されることじゃ無いんだろうけど、だけど。
ないこ
そこにあったベンチの背もたれを掴んで膝から崩れ落ちる。
セミの声がやけに頭に響いてくる。
ないこ
今まで何度もまろと2人で座って、数回だけ、不安になって1人座ったベンチ
ないこ
また不安になって、1人だな。
段々と虚無感に包まれていってると、後ろから黒い長い髪の毛が首をくすぐって俺を安心させる。
少し経つと体力の限界か、意識が遠のいていった。
俺はまた1人で泣いていた。
ないこ
確か一年前もここで泣いたな。
ないこ
怪我は治ったのに、なんで、なんで
ないこ
視界が滲む。
ないこ
感情が透明の液体と化して頬に伝う。
ないこ
今までずっと耐えてきたのがいけなかったのか、その感情は止まらない。
ないこ
確かに、また俺のことを好きになってくれたけど、でも、
ないこ
前のまろはあんなによそよそしくなかったよ、
そう声を漏らした時、
If
ないこ
俺の震える肩を後ろから抱き締めてきたのは紛れもない、あの彼だった。
If
見た目は何にも変わってない、けど明らかに俺が1年間求め続けてきたまろが、そこにはいた。
ないこ
泣き続けて掠れた声しか出ない。
顔もぐちゃぐちゃで醜い姿の俺を抱きしめてくれるまろ。
夏の暑さに汗をかくほどなのに、まろの体温が暖かくて眠気が襲ってくる。
If
最後にその言葉を聞いて目を瞑った。
ないこ
ふと、今までのことを思い出して呟く。
If
ないこ
ないこ
If
一瞬の静寂。
口を開いたのはまろだった。
If
言葉を選ぶように、まろは一拍置いて少し息を吐く。
なんとも言えない雰囲気に緊張感が走る。
その続きを聞きたくはなかった。
この関係が続いて欲しかった。
この頃、あんまり時間合わなかったから、きっと……
If
ないこ
予想とは違う言葉に混乱が生じる。
まろの手には結婚指輪。
夢?現実?わからない。
でも、ここで断る選択肢はなかった。
ないこ
頬に伝う温もりで現実だとわかる。
If
ないこ
ないこ
そういう時まろは驚いた顔をする。
If
なぜかと聞かれても不安なのに理由はあまりない。不安に思ったから不安なのだ。
If
押し黙る俺の意図を読み取ったのか笑ってくるまろ。
ないこ
If
今度は優しく笑って手を頭に 乗せてくれた。
If
If
言葉が少し変わってて、そこにまろらしさを感じる。
涙で濡れた顔を笑顔にして、えへへっと笑った。
If
ないこ
どこからか鳴った風鈴の音と同時に俺の薬指にはダイヤの指輪が通った。
麻莉華
麻莉華
麻莉華
麻莉華
If
ないこ
麻莉華
If
麻莉華
ないこ
麻莉華
麻莉華
麻莉華
麻莉華
ないこ
麻莉華
If
麻莉華
麻莉華
麻莉華
麻莉華
麻莉華
If
麻莉華
麻莉華
麻莉華
麻莉華
麻莉華
ないこ
麻莉華
麻莉華
If
麻莉華
ないこ
麻莉華
If
麻莉華
ないこ
麻莉華
麻莉華
If
ないこ
麻莉華
麻莉華
ないこ
If
麻莉華
ないこ
If
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