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丈一郎目線
あれから数週間が経ったある日のことやった。
俺はいつものようにいつもの時間の電車に乗ろうと部屋を出ようとしたときやった。
藤原丈一郎
いつも、ルーティーンのように毎日誰もいない部屋に
を言う声が聞こえてくるはずやのに・・・。
ドアの閉まる音さえ気づかんかったわ!!
藤原丈一郎
けど今日はそんな声が聞こえやんかった。
駅に着くと、あいつの自転車はある。
藤原丈一郎
そう言って電車に乗り込むと?
藤原丈一郎
なぜか無意識のうちに大橋を探し始めてる俺はハタと気づいた。
そして、でんしゃがうごきはじめてしまった。
藤原丈一郎
そう言い聞かせていたが、うずくまるある人物が目に入った。
藤原丈一郎
大橋和也
彼は真っ赤な顔をしている。明らかに熱あるやん。いま、助けて・・・言うたか?
藤原丈一郎
そう言っておでこを触ってみると・・・
藤原丈一郎
大橋和也
熱で朦朧としているせいか俺が誰かわからんみたいや
藤原丈一郎
大橋和也
藤原丈一郎
大橋和也
こんな弱々しいのみたくない。
あー、でも俺も午前中の講義は諦めやな・・・。
こうして俺は、大橋を抱きかかえると、近くの病院に連れていくことにした。
大橋和也
医者
藤原丈一郎
とりあえず、ただの風邪ですんでよかったわ 。
大橋和也
藤原丈一郎
と
医者
藤原丈一郎
気がついたらそう答えていた。
医者
藤原丈一郎
ほんまは、病人を無理やり動かすのもどうかと思うけど、連れて帰る方がいいかと思った。
医者
看護師(祐希)
そして俺は、タクシーでアパートまで帰り・・・
藤原丈一郎
大橋和也
藤原丈一郎
大橋のカバンを漁り、鍵を見つけたから部屋に入り・・・
大橋和也
藤原丈一郎
大橋和也
藤原丈一郎
大橋和也
大橋が薬を飲み終えたのを見届けると・・・
藤原丈一郎
と俺がポンポンしてやると・・・
大橋和也
藤原丈一郎
大橋和也
藤原丈一郎
大橋和也
熱で朦朧としているはずやのにお礼言うなんて・・・
藤原丈一郎
と言ったのだが・・・
大橋和也
大橋はそのまま寝てしもた。
藤原丈一郎
と呟き・・・ 、布団をかぶせてあげた。
大橋和也
藤原丈一郎
と、冷えピタを貼ってあげたら・・・
大橋和也
気持ちよさそうに寝入っていった大橋やった。
────────────────────────和也目線
数日前。
俺は、初めて女の子に告白された。
いや、初めてやないんや・・・・
女子
大橋和也
何年かぶりの女の子とのデート!
大橋和也
行くまではものすごくハイテンションで、ものすごく嬉しかった。
なのに・・・・
大橋和也
約束の時間を何時間も過ぎてもその子は来やんかった。
LINEの交換をしたからどこにおるん?
そう問いただしたけれど、既読すらつかなくて・・・ 。
大橋和也
外は雨が降っていて少し肌寒い日やった。
大橋和也
彼女のことをよく知らんから、今日のデートで知っていこうって思てたのに・・・。
そう思てたのは俺だけなんか?
大橋和也
土砂降りの中、俺は傘もささずに帰ってきた。
大橋和也
そのまま寝てしもたんや。
大橋和也
この時何故か丈くんと喧嘩をしながらもたまに一緒になる帰り道で会話するのが自分の楽しみになっていた。
そんな自分の気持ちに気づくのは、もう少し先のこと。
次の日俺は、体にだるさを感じた。
少し頭も痛い。
大橋和也
まさかの風邪やった。
けど、今日は休めやん。
そうおもて、重い体を引きづって電車に乗るまではできた。
けど座る場所が今日に限ってなくて、我慢してたっていたらだんだんしんどくなってきて・・・・ 。
大橋和也
ガタッ
俺はしゃがみ込んだ。
大橋和也
小さい声で【助けて・・・】
そう言うたら・・・
?
大橋和也
誰かわからんけど俺に気がついてくれて・・・。
ふわっと香ってきた香水。
大橋和也
?
聞いたことある声のような?
親切な【誰か】が、病院に連れて行ってくれて挙句の果て部屋まで連れてきてくれて、気がついたら自分の部屋にいて・・・・
大橋和也
微かに残る香水の香り。
一体誰が俺の事を看病してくれたんやろ?
その日はそればかり考えていた。