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丈一郎目線

あれから数週間が経ったある日のことやった。

俺はいつものようにいつもの時間の電車に乗ろうと部屋を出ようとしたときやった。

藤原丈一郎

(そういえば、大橋のやつ先に行ったんかな。声が聞こえんかったような?)

いつも、ルーティーンのように毎日誰もいない部屋に

行ってきます

を言う声が聞こえてくるはずやのに・・・。

ドアの閉まる音さえ気づかんかったわ!!

藤原丈一郎

(ってかいやでも聞こえるから、出てくんやろなぁーって思ったのに・・・)

けど今日はそんな声が聞こえやんかった。

駅に着くと、あいつの自転車はある。

藤原丈一郎

やっぱり先に来とるやん・・・

そう言って電車に乗り込むと?

藤原丈一郎

あれ?あいつこの時間にはこの車両に乗ってなかったっけ?

なぜか無意識のうちに大橋を探し始めてる俺はハタと気づいた。

そして、でんしゃがうごきはじめてしまった。

藤原丈一郎

(俺、なんでアイツ探しとるんやろ・・・・。いやいやいや別に、どうでもええねん・・・)

そう言い聞かせていたが、うずくまるある人物が目に入った。

藤原丈一郎

えっΣ(゚д゚;)大橋?

大橋和也

・・・・うん・・・たす・・けて・・

彼は真っ赤な顔をしている。明らかに熱あるやん。いま、助けて・・・言うたか?

藤原丈一郎

大橋、お前・・・熱あるんちゃうか?

そう言っておでこを触ってみると・・・

藤原丈一郎

うわっ!熱っ!お前、よお来れたな・・・

大橋和也

う・・・ん・・・誰?

熱で朦朧としているせいか俺が誰かわからんみたいや

藤原丈一郎

大橋、俺や・・・。なぁ?まさかこんな体で学校行く気やったんか?

大橋和也

・・・・だって・・・ちゃんと授業受けやな・・・・ケホケホ・・・

藤原丈一郎

咳出てきたし・・・・。あほか!こじらせるだけやわ!病院連れて行ったる。次で降りるからな?

大橋和也

・・・う・・・ん・・・ハァハァ・・・

こんな弱々しいのみたくない。

あー、でも俺も午前中の講義は諦めやな・・・。

こうして俺は、大橋を抱きかかえると、近くの病院に連れていくことにした。

大橋和也

・・・

医者

風邪ですね・・・

藤原丈一郎

そうですか・・・・。良かった・・・

とりあえず、ただの風邪ですんでよかったわ 。

大橋和也

ケホケホ、ケホケホ・・・

藤原丈一郎

咳しとるな・・・。よし、大吾に連絡しとくわ・・・

医者

このままお帰りになりますか?それとも目が覚めるまでこちらで見ておきましょうか?

藤原丈一郎

いえ・・・部屋が隣りなんで、このまま連れて帰ります 。いいですか?

気がついたらそう答えていた。

医者

そうでしたか。薬を出しておくので飲ませてあげてくださいね

藤原丈一郎

・・・・はい、ありがとうございました

ほんまは、病人を無理やり動かすのもどうかと思うけど、連れて帰る方がいいかと思った。

医者

お大事に

看護師(祐希)

お大事に

そして俺は、タクシーでアパートまで帰り・・・

藤原丈一郎

大橋、もうすぐで部屋に着くでな?それまで頑張れ・・・

大橋和也

うん・・・・ケホケホ・・・

藤原丈一郎

鍵どこや?

大橋のカバンを漁り、鍵を見つけたから部屋に入り・・・

大橋和也

・・・・・・

藤原丈一郎

大橋、辛いかもしれやんけどとりあえず、薬飲もか・・・

大橋和也

うん・・・・

藤原丈一郎

はい、水・・・

大橋和也

ゴクン

大橋が薬を飲み終えたのを見届けると・・・

藤原丈一郎

・・・・今日は大人しくねとれ・・・ 。なっ?

と俺がポンポンしてやると・・・

大橋和也

・・・あ、あの?

藤原丈一郎

なんや、どこか痛いんか?

大橋和也

・・・・どなたかわかりませんが・・・ありがとうございます

藤原丈一郎

・・・・

大橋和也

・・・・

熱で朦朧としているはずやのにお礼言うなんて・・・

藤原丈一郎

ええよ?病気の時はお互い助け合うの当たり前やからな・・・

と言ったのだが・・・

大橋和也

・・・・・・・

大橋はそのまま寝てしもた。

藤原丈一郎

(まぁ、そうなるわな)・・・なんやこいつ、寝顔だけは可愛いやん

と呟き・・・ 、布団をかぶせてあげた。

大橋和也

・・・・・

藤原丈一郎

ちょっと冷たいの貼るでな?

と、冷えピタを貼ってあげたら・・・

大橋和也

スゥー・・・

気持ちよさそうに寝入っていった大橋やった。

────────────────────────和也目線

数日前。

俺は、初めて女の子に告白された。

いや、初めてやないんや・・・・

女子

大橋くんが好きです!ここで会いたいです!デートしませんか?

大橋和也

えー?ほんまに?

何年かぶりの女の子とのデート!

大橋和也

やったぁ!何着てこかな(՞˶・֊・˶՞)🤍

行くまではものすごくハイテンションで、ものすごく嬉しかった。

なのに・・・・

大橋和也

なんで来やんのや!

約束の時間を何時間も過ぎてもその子は来やんかった。

LINEの交換をしたからどこにおるん?

そう問いただしたけれど、既読すらつかなくて・・・ 。

大橋和也

えっ?もしかしてまた騙されたんか?

外は雨が降っていて少し肌寒い日やった。

大橋和也

クシュン・・・嘘やろー?

彼女のことをよく知らんから、今日のデートで知っていこうって思てたのに・・・。

そう思てたのは俺だけなんか?

大橋和也

なんやそれ・・・・(* >ω<)=3クシュン

土砂降りの中、俺は傘もささずに帰ってきた。

大橋和也

・・・・・・

そのまま寝てしもたんや。

大橋和也

(今日は丈くんと話してへんなぁ・・・)

この時何故か丈くんと喧嘩をしながらもたまに一緒になる帰り道で会話するのが自分の楽しみになっていた。

そんな自分の気持ちに気づくのは、もう少し先のこと。

次の日俺は、体にだるさを感じた。

少し頭も痛い。

大橋和也

ケホケホ・・・

まさかの風邪やった。

けど、今日は休めやん。

そうおもて、重い体を引きづって電車に乗るまではできた。

けど座る場所が今日に限ってなくて、我慢してたっていたらだんだんしんどくなってきて・・・・ 。

大橋和也

・・・・

ガタッ

俺はしゃがみ込んだ。

大橋和也

・・すけて・・・

小さい声で【助けて・・・】

そう言うたら・・・

ちょっ!大橋?大丈夫か?

大橋和也

う・・・ん・・・大丈夫・・・

誰かわからんけど俺に気がついてくれて・・・。

ふわっと香ってきた香水。

大橋和也

(あー、この香水・・・なんか安心する・・・)

大丈夫やからな?次の駅降りて病院連れて行ったるからな?

聞いたことある声のような?

親切な【誰か】が、病院に連れて行ってくれて挙句の果て部屋まで連れてきてくれて、気がついたら自分の部屋にいて・・・・

大橋和也

・・・・・・?

微かに残る香水の香り。

一体誰が俺の事を看病してくれたんやろ?

その日はそればかり考えていた。

Timeless Love~なにわ男子BLストーリー~(丈橋編)

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