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…あぁ、おかしい、おかしい、おかしいおかしいおかしいおかしい。
おかしい、どうして、なんで我が。
我が韓帝に頼まれた食事を韓帝に渡した日以降、日帝の姿がない。
それだけなら、別にいい。
いい、それだけなら、いいんだ。
だって、それだったら韓帝を独占できる。
我の、我だけの手元にある韓帝だったから、それはそれでよかった。
…だけど。
あの日から、我はもっとおかしくなっている。
元からおかしくなってる感覚はあった。
日清戦争以降、我が弟の韓帝を拉致監禁するのがおかしいってことくらい、分かる。
でも、それは...韓帝の感情が、ほぼ失くなったからであって。
あの誰よりも明るかった韓帝の感情が消えたのは、我たちのせいだから、
我たちが共同でなんとかしようってなって、たどり着いたのが...拉致監禁、で。
もっと他に方法はあったと思う。
でも、それ以上に_______
外を自由に歩かせたら、さらに遠くに行きそうで。
どこか別の場所で、誰にも気づかれず、ずっと見つけてあげられない、
そんな、気がして。
韓帝はというと、感情は...取り戻しつつあった。
だけど...精神状態は、今まで見たことないくらい酷かった。
日帝がいなくなって数週間後、韓帝は我に抱きつくようになった。
我がおかしくなったのも、ちょうどその時くらいだった。
韓帝は手に入った。
……なのに、日帝はいない。
1ヶ月もすると、韓帝は時間を忘れ、何時間も泣き崩れるようになった。
『日帝はどこに行ったの』『ワタシのこと大切じゃなかったの』『なんで清と帰ってきてくんないの』
________『なんであんただけいないの』。
我は毎晩のように彼を見て、気がついた。
…韓帝は、我"たち"に依存していた。
我が用事で部屋を出ていこうとすれば、韓帝は必ず泣きながら引き止める。
帰ってきたら、なんで二人で帰ってこないのと言う。
そんな日々を繰り返すと、韓帝もとうとう味覚が完全に停止した。
触覚すら怪しい。触れても、たまに本気で気がついていない時があった。
なのに、涙だけは流れ続ける。
…それは、我も同じだった。
韓帝が寝てから、我はずっと一人で泣き続けた。
最初は、なんで涙がでるのか、わからなかった。
日帝は、我の元を離れ、韓帝を壊した元凶だ。
なのに...どうして我が、そんな日帝のために泣くのか。
意味が、わからない。
…だけど。
我も、気がついて、しまった。
脳が理解を拒む。
それでも、解ってしまったものは...解って、しまった。
この苦しみの、正体が。
清
泣きじゃくる彼の抱きながら、我はそっと、優しく言った。
彼を拘束する縄を、ゆっくり、ゆっくりと解く。
正直危ないところに連れて行きたくはない。
今から行くのは_______現在進行系で戦争をしている場所だ。
だけど、置いていくわけにはいかない。
清
韓帝
一瞬涙を止めた彼は、久々にそこから立ち上がった。