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咲蓮

ん…

咲蓮

ここ、どこだろ…

咲蓮

あ、霞!久しぶ…

タッタッタッ…

咲蓮

へ…?な、なんで…

小萩

咲蓮。

咲蓮

!お兄ちゃん…
昨日は―

小萩

そんなことはもういい
から。それよりさ、
俺たちもあっちに行こう。

咲蓮

っい、いやだよっ!

小萩

なんでだよ。あっちに
行けば、みんな幸せに
なれるってのに?

咲蓮

それでも!
私は絶対行かない!

小萩

シュゥゥゥ…

咲蓮


消えてっちゃった…

シャン…

咲蓮

咲蓮

あ、あなたたち誰?

名を告げることは
叶いません。ただ、
天の理に従い導く者…

あなたは今ここで、ひとつ
試練を乗り越えました。
それは祝福に値すること…

咲蓮

試練?

しかし、まだ終わりでは
ありません。あなたの前
にはさらなる闇が
立ちはだかるでしょう…

迷わずに進めるよう、
心に光を宿してください。
あなたの中に、
すでにあるはずです…

咲蓮

光…

それは自信という名の輝き…

そして勇気という名の炎…

咲蓮

さあ、選ぶのです。
進むか、立ち止まるか…

この空の下、月と風は
あなたを見守っています…

咲蓮

っ!

久しぶりに悪夢を見たせいか、 背中は汗で濡れていた。

窓掛けからは朝の涼しい風が 吹き込んでいる。

ゆっくりと身を起こし、 体を落ち着かせる。

すると、私の体にかけられていた 掛け布団が目に入った。

昨日の夜にはなかったのに。

階段を降りて居間に着くと、 食卓の上にはご飯と味噌汁、卵焼き、 野菜の盛り合わせが置かれていた。

そしてその横には、

【食べておけ】

と書かれた小さな紙。

文字通りに朝ご飯を頬張る。

もうすぐで食べ終わりそうなころ、 廊下を歩く足音が聞こえてきた。

どうやらこれから出かけるらしい兄と 目が合って、思わず目をそらす。

どさっとかごを置く音。

すると、兄が私の方を向いた。

小萩

咲蓮

まさか向こうから話しかけてくるとは 思わなかったので、小さく肩を震わせる。

咲蓮


はい

小萩

飯食い終わったらで
いいから、上にある洗濯
物干しておいて

兄が私に家事を頼んでくるなんて 驚きだった。

しかし、昨日のことを考えると私に 頼んだのも少しは納得がいく。

そして、一つ気になることがある。

掛け布団を掛けてくれたのは、

もしかして兄なのではないか。

後々聞いてみようか。

いや、聞かないほうがいいのかも しれない。

二つの考えの間で揺れているうち、

いつの間にかかごの中の洗濯物は なくなっていた。

兄が帰ってくるまでに何か気の利いた ことができないかと思って、部屋の中を 掃除していたころ。

居間の本棚がふと目に入った。

その中を漁り、手当り次第に本をとって ぱらぱらと中身を見る。

すると、見たことのあるものが出てきた。

咲蓮

あ、この本懐かしいな〜

咲蓮

そらのうた!

このお話は送り犬と迎え犬の島に 流れ着いたニンゲンの男女が、あることを きっかけに彼らと仲良くなっていくという 物語だ。

とても幻想的で、私の中では一番 おもしろい。

けれど、私がいつもどこまで読んだのか 忘れてしまううえにとても分厚い絵本 なので、

最後まで読んだことはない。

咲蓮

小さい頃にお兄ちゃんとか
霞に読み聞かせして
もらってたっけ…

咲蓮

他にもなつかしいの
あるかな〜?

そう言ってもう一度棚に手を伸ばす。

すると突然、

ドサドサッ!!

咲蓮

わあっ!?

大量の本が私の方へ倒れてきた。

咲蓮

いてて…

慌てて本を戻す。

しばらく経って本棚が元通りに なったとき。

咲蓮

ひとつだけ、本には見えないものを 見つけた。

分厚い書皮。

ところとごろ薄汚れている和紙。

そして一際目立つ綺麗なしおり。

めくって中身をみる。

咲蓮

これって…

咲蓮

日記?

咲蓮

しかも、これ…
お兄ちゃんの字だ

𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹

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