社員寮、外階段――
肉バルで寝てしまった類を、虎牙が横抱きにして運んでいた。
虎牙
301号室、部屋はここだな?
虎牙
あ、部屋のカギは?
帝
私がマスターキーを持っています
帝
開きました、どうぞ
虎牙
サンキュー
301号室ーー
帝
とりあえずベッドへ
虎牙
掛け布団をはがして……っと
帝
足で? 器用ですねぇ
虎牙
いや、手がふさがってるからさ
虎牙
よーし、類、お前のベッドに着いたぞ
虎牙は類を、そっとベッドに下ろした。
帝
これ……
虎牙
どうした?
帝
ここにある教本、昨日私が貸したものなんですが
帝
ふせんが、こんなにびっしり
虎牙
えっ、昨日貸したってことは……
帝
一晩で全部読んでしまったんでしょうね
虎牙
何冊あるんだ? 類のやつ、ずいぶん頑張るなぁ
虎牙
真面目か!
帝
類さんは基本的に真面目ですよ
帝
しかし、ここまでバカ真面目だとは……
虎牙
それで寝落ちして、肉、食いそびれるって
帝
可哀想に……
虎牙
かわいすぎるだろ
虎牙
かわいいからキスしていい?
帝
ちょっ、類さんが起きますよ?
帝
あっ、虎牙さん!?
虎牙
ちゅっ
白石 類
ん……とらさん……?
白石 類
ムニャムニャ
帝
何してるんですか
帝
類さんが起きてしまったら、ここまでの苦労が水の泡じゃないですか
虎牙
悪い、けど……なんていうか……
虎牙
ああもう! やっぱ連れて帰りたい
帝
ダメです
帝
アナタその勢いじゃ、類さんを寝かせられないでしょう
虎牙
一回激しく抱き合った方がよく眠れるんじゃ――……
帝
ダメです……!
虎牙
…………
帝
これだから肉食獣は油断なりませんね
虎牙
帝ちゃんだって、俺がいなかったらキスくらいしてただろ
帝
さあ、どうでしょうね
虎牙
ほらな? そこ否定できないってことは……
帝
ちゅっ
虎牙
っておい!
帝
これでおあいこです
帝
というか、こんな無防備に寝ている類さんが悪い
虎牙
それは確かに!
虎牙
くすっ
帝
ふふふっ
虎牙
しかし、俺が言うのもなんだが、
虎牙
危なっかしいんだよなあ、類は……
帝
聞くところによると、ご家族内で孤立していたみたいで……
帝
それで周囲に愛情を求めているんだと思います
帝
本人にその気はないんでしょうが、無意識下で
虎牙
ニンゲンってのは群れで生きる動物のくせに、冷たいところがあるからな
帝
群れだからこそ、弱いものが押さえつけられたり、割を食う面はあると思いますよ?
帝
類さんには強くなってほしいです
虎牙
強くなれるよ
帝
ええ、きっと……
帝
さて、行きましょうか
虎牙
そうだな。また起こしたら可哀想だ
虎牙と帝が、部屋を出たあと……
白石 類
(はぁ……)
白石 類
(つい、寝たふりしちゃった)
白石 類
(僕、強くなれるかな……?)
白石 類
(ううん、強くならなきゃ……)
白石 類
明日からまた頑張ろ







