俺は彼女の元へ行く前に、
樹にマイクを渡していた
彼女が倒れて、誰にも言わないのは流石に迷惑になる、
咄嗟に頭に浮かんだのは、樹だった
北斗
樹
そして、咄嗟にマイクを投げた
樹
俺と樹は目で会話をしているようだった
言葉は発していないけど、俺には確実に伝わった
"こっちは任せろ"
絶対にそう言っている気がした
俺がライブへ戻ると、樹がマイクを投げてきた
樹
北斗
早口へそう伝えると、
"おう!"という返事が返ってきた
すると、曲のイントロが流れ始めた
僕僕だ、
てことは、今うやむやが終わったのか
北斗
俺は自分のパートを歌い始めた
会場を見ると、ペンライトの色が黒になっていた
北斗
樹
北斗
俺は思わず聞き返した
慎太郎
すると遠くの方から聞こえてくる声があった
"ありがとうっ!!!!"
間違えなくあの彼女だった
ジェシー
曲が始まり、俺は感極まってしまっていた
北斗
でも、誰も突っ込んでこない
いつもなら弄り倒してくるのに
絶対気づいてるはずなのに
樹
樹は俺にだけに聞こえる声でそう訴えてきた
北斗
俺は強気になる
樹
北斗
北斗
北斗
北斗
嗚呼、樹の言う通りなのかもしれない
そして、その日のライブは終わった
ライブが終わると佐久間君が駆け寄ってきた
佐久間
北斗
佐久間
北斗
佐久間
北斗
樹
樹
佐久間
樹
佐久間
北斗
別に佐久間君を疑っている訳では無い、
ましてや先輩だから。
怪しむ理由はちゃんとある
いつもみたいな、にゃはっ、とした笑顔ではなく、
作っているような、笑顔だった
佐久間君は嘘をつくのが苦手というのは耳にしたことがある
佐久間
北斗
樹
そうだよね。俺の勘違いだよね
佐久間
北斗
樹
佐久間
佐久間
佐久間
俺の名前を呼ぶ声の方へ体を向けると、笑顔で走ってくる佐久間がいた
翔太
佐久間
翔太
翔太
佐久間
どこか言いたくなさそうに、気まずい顔をする
翔太には、言ってもいいのかな?
俺は必死に考える。
あの時、北斗には言わないでって言ってたから…、翔太なら、
でも、どうしよう、翔太まで悩みが大きくなっちゃったら、
そんなことを考えていると、翔太は口を開いた
翔太
翔太
佐久間
俺は話すことに決めた。
翔太
佐久間
佐久間は、さっきあったことを全て話してくれた。
彼女は3人のことが好きだということ、
彼女は、奇病を患っているということ、そして、
その治し方
佐久間
翔太
佐久間は相当悩んでいる様子だった
深刻な顔をしたり、悲しい顔をしたり
佐久間の事だから、俺が犠牲になる!とか言うんだろうな、
佐久間
俺の心を見透かされたかのように、佐久間は言った。
翔太
俺は恐る恐る聞く
佐久間
翔太
翔太
俺は言おうとしてやめた、
何故か言いたくなかった
「もう、誰も傷つけたくないんじゃないか」
…と。
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コメント
7件
くぅ〜!(ง ᷄ᾥ ᷅ )ว←
マジで最高!続き楽しみ!