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テラーノベル(Teller Novel)

俺は彼女の元へ行く前に、

樹にマイクを渡していた

彼女が倒れて、誰にも言わないのは流石に迷惑になる、

咄嗟に頭に浮かんだのは、樹だった

北斗

…樹っ!

ん、?

そして、咄嗟にマイクを投げた

うおっ!

俺と樹は目で会話をしているようだった

言葉は発していないけど、俺には確実に伝わった

"こっちは任せろ"

絶対にそう言っている気がした

俺がライブへ戻ると、樹がマイクを投げてきた

北斗…!

北斗

おっ!ごめん、ありがとう

早口へそう伝えると、

"おう!"という返事が返ってきた

すると、曲のイントロが流れ始めた

僕僕だ、

てことは、今うやむやが終わったのか

北斗

愛に咲いた花の名前はLiar 儚く揺れてる~♪

俺は自分のパートを歌い始めた

会場を見ると、ペンライトの色が黒になっていた

北斗

え…、

北斗、お前すげぇな

北斗

え?

俺は思わず聞き返した

慎太郎

咄嗟の反応かっけぇ…

すると遠くの方から聞こえてくる声があった

"ありがとうっ!!!!"

間違えなくあの彼女だった

ジェシー

また僕は嘘をついた~♪

曲が始まり、俺は感極まってしまっていた

北斗

…っ、

でも、誰も突っ込んでこない

いつもなら弄り倒してくるのに

絶対気づいてるはずなのに

泣くなよ…馬鹿、((ボソッ…

樹は俺にだけに聞こえる声でそう訴えてきた

北斗

うるせぇ…((ボソ

俺は強気になる

声が震えてるんだよ((ボソ

北斗

あの嘘もこの嘘も今を作る

北斗

足跡なら それもいいか

北斗

君といる時の自分が好きなんだ

北斗

それが本当の僕だきっと…♪

嗚呼、樹の言う通りなのかもしれない

そして、その日のライブは終わった

ライブが終わると佐久間君が駆け寄ってきた

佐久間

北斗っ!

北斗

今日はありがとうございました

佐久間

あぁ、全然、おつかれ

北斗

あの子って?

佐久間

あの後、ライブに戻って元気になったよ、心配しないで

北斗

ありがとうございます

北斗~っ!

あ、佐久間君、こんにちは

佐久間

おつかれ

大丈夫でした?あの子、ちょっと心配だったので、

佐久間

…大丈夫だよ、樹はそういうところあるよな、優しい…笑

北斗

…佐久間君、あの子と何か話をしたんですよね?俺に何か…隠していませんか…?

別に佐久間君を疑っている訳では無い、

ましてや先輩だから。

怪しむ理由はちゃんとある

いつもみたいな、にゃはっ、とした笑顔ではなく、

作っているような、笑顔だった

佐久間君は嘘をつくのが苦手というのは耳にしたことがある

佐久間

…隠してることなんて、あるわけないじゃん!、笑

北斗

…そうですよね、笑すいません、

本当だよ!北斗何言ってんだよ!

そうだよね。俺の勘違いだよね

佐久間

じゃあ、俺行くね!ばいばーい!

北斗

さようなら

また来てくださーい!

佐久間

…っ、あれ…?翔太どこ行った…?

佐久間

あっ!居た!!

佐久間

翔太~っ!!!

俺の名前を呼ぶ声の方へ体を向けると、笑顔で走ってくる佐久間がいた

翔太

…遅ぇよ

佐久間

ごめん!ごめん!

翔太

で、何してたの?北斗達と話してくる~って言ってたけど、

翔太

あの時だってお前行っちゃったし

佐久間

……あぁ、それね、

どこか言いたくなさそうに、気まずい顔をする

翔太には、言ってもいいのかな?

俺は必死に考える。

あの時、北斗には言わないでって言ってたから…、翔太なら、

でも、どうしよう、翔太まで悩みが大きくなっちゃったら、

そんなことを考えていると、翔太は口を開いた

翔太

…佐久間?

翔太

なんか、俺に隠してること?

佐久間

…、さっき倒れた子いるじゃん?

俺は話すことに決めた。

翔太

うん

佐久間

あの子…、俺と、北斗、樹のことが好きなんだ、

佐久間は、さっきあったことを全て話してくれた。

彼女は3人のことが好きだということ、

彼女は、奇病を患っているということ、そして、

その治し方

佐久間

…、北斗と樹には言わないで欲しいんだ…、言わないでって言われてるから

翔太

…わかった

佐久間は相当悩んでいる様子だった

深刻な顔をしたり、悲しい顔をしたり

佐久間の事だから、俺が犠牲になる!とか言うんだろうな、

佐久間

…それで俺、あの子のこと想おうと思ってるんだ…、

俺の心を見透かされたかのように、佐久間は言った。

翔太

…でも、佐久間はあの子の気持ち聞いた事あるの…?

俺は恐る恐る聞く

佐久間

…それは無いけど、

翔太

もしかしたらその子は…、、

翔太

……、ごめんなんでもない、

俺は言おうとしてやめた、

何故か言いたくなかった

「もう、誰も傷つけたくないんじゃないか」

…と。

NEXT ♡600以上

この世界に恋なんて無ければいいのに。

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コメント

7

ユーザー
ユーザー

くぅ〜!(ง ᷄ᾥ ᷅ )ว←

ユーザー

マジで最高!続き楽しみ!

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