ふと目が覚めた。
私
……ふぁぁぁ
んぁ……何処ここ…
んぁ……何処ここ…
知らない硬めのベッドから身を起こし辺りを見渡す。 昨日見たグレースーツの人が 合皮のソファで寝ている。 ペタペタと素足でフローリングを歩いて近づいてみる。
私
ふふっ
大きないびきをかいてヨダレを垂らしている。
男
……ん゛…ぁ?
私
おはようございます、すみません昨夜は、手当もしてくださったみたいで、
男
?………………ぁ!
あぁ、いいよ全然
それより体調大丈夫か?
あぁ、いいよ全然
それより体調大丈夫か?
私
全然大丈夫です……ありがとうございます、
男
そうか、良かった
……
……
…… 沈黙が続く。 気まずいな
私
お名前は……?
男
霊幻新隆。
貴方は?
貴方は?
名前なんてないと言うべきか。 心を許すのにはまだ早い……のか?
私
ぁ……ん〜えっと
男
……忘れた…?記憶障害か?!
私
あ、いや違くて、
私
名前、無くて。私。
霊幻新隆
は?
信じる事にした。
私
背中、見て貰えます?
仰向けで寝ていたためゴツゴツとした感覚があった。 信じてもらえるのでは。
服を脱ぐ。
霊幻新隆
なっ、は?辞めろ!
私
?いや違うから!見てください!
霊幻新隆
いやっ…………は?
霊幻新隆
なんだ?これ……
ここに来る前堕天式で折られた 羽の跡があるはず。 雑に折られているためまだ半分無い位までは生えている。
私
私、人間じゃなくて
霊幻新隆
……ぁあ…
?もうちょっと驚くと思ってた そこそこグロテスクだし
私
さっきこの世界に生まれてきたばっかで、名前とか無くて
霊幻新隆
“人間じゃない”と言うと……?
私
天使、でした
霊幻新隆
ほー…
私
…………ふふっ、
あんまり驚かないんですね!
嫌いになられちゃったらどうしようかと……
あんまり驚かないんですね!
嫌いになられちゃったらどうしようかと……
霊幻新隆
まぁな。
…ってか、そんなことで嫌いになんねぇよ俺〜?
…ってか、そんなことで嫌いになんねぇよ俺〜?
謎にカッコつけた笑い方 ……?
私
……まあそんな感じで名前は無くて
私
……だから、つけて貰えたりとか、しませんかね
霊幻新隆
えぇ?、俺?!
私
なんでもいいんで!人前で呼べる感じの!
霊幻新隆
ほーん……ググるか…
天使とか適当に調べてみる。
私
聖でみずき、か……
える?とか
える?とか
霊幻新隆
直すぎないか?
私
ふふ わかればいいんですよ
霊幻新隆
まぁな〜
霊幻新隆
じゃあ、今日からお前は
聖(みずき) える だ。
聖(みずき) える だ。
私
かわいいですねなんか
霊幻新隆
そうだな、女子っぽい感じではある
霊幻新隆
というか、ところでだな
お前このままここ居てもしょうがないだろ?働かないか?うちの事務所で
お前このままここ居てもしょうがないだろ?働かないか?うちの事務所で
私
ほー?
私
何やってるとこなんですか?
霊幻新隆
あ〜………、、除霊?
ま、まぁ怪しい思うだろうが……
ま、まぁ怪しい思うだろうが……
私
ふふっ大丈夫ですよ、信じます
天使が目の前にいるのに霊ごときで信頼を無くすと思ってる霊幻さん。 私毎日霊の相手してきたのに。 かわいくておかしな人
霊幻新隆
除霊とかってできるか?天使って…
私
出来なくはないと思います……やってみたことないけど。
こうして私の 霊とか相談所生活が始まったのだった