君だけにみせるふぇいす

こじんまりとした雑居ビルの2？3階 少し壁にヒビが割れていたりするが 綺麗にはされている。

……

少しかがんで私と目線を 合わせてくれる。 どこか子供をあやすような 愛しいような表情と声色

胸が甘ったるいような感覚に襲われる 少し苦しいような気も。 私になにか後から求めてくるんじゃないかという程の慈悲で恐ろしい。 故郷のヤツらを思い出して憎い面、 その優しさを向けられるのが初めてで同様と焦りと羞恥が混ざる。

目を逸らされる。 いきなり素っ気なくされ寂しいと思ったがよく見ると耳は見たことないほど赤く染っていた。

ガチャ

貼り付けたような笑顔で面白い。

緊張されているのかこの子も 顔が真っ赤になっている。

天使にも年齢はある。 でも人間と比べるととっても長くて 終わりがない。 私は周りと比べ非常に若い方 ではあった。

天使の説明、なんでここに来たのか、 現状の状況についてを 長ったらしく説明する。 人に会う度やらないといけないのかと思うと頭がおかしくなりそうだ。

羽を見せると手っ取り早いので 脱ぐしかないのだ。

とても小さな手を差し出される

顔が熱くなる。 心臓がバクバクして恥ずかしい 笑って誤魔化すが照れはバレていた

変な空気になっちゃったじゃん！

カサカサッ

ワンピースが地面につかないよう裾を 掴んでたくし上げながら進んでいく

瓦礫に足を取られたのだろうか。 バランスを保てず転ぶような感覚

お腹の辺りを支えられて転ばなかった 必然的に抱きついたような形になる。

……腕を離して欲しいんだけど…

？？？ ただ、 ただ2人とも顔が真っ赤に照れてしまっていることだけは暗闇でも感じた。 微妙に鼻を掠めたシャンプーのような香りが忘れられなくてさらに 羞恥を煽る。

どうしてこの人達と居るとこんな空気になるんだろうか

今までした事ない経験、 感じたことがない感情が多すぎて 私にはよく分からなかった。