テラーノベル
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―数時間後
ぐちつぼ
ぐちつぼ
あれからだいぶ歩いてきた
家からほとんど出ていなかったのもあり体力が限界だ
しかしあと数メートルで目的地につく
さぼてん
こいつはというと暑すぎて家を出て1時間立たずで顔を引っこめてしまった
外を見ていないのなら車を使うのも良かったがその時にはもう引き返すほどの体力も無かった
なんどか店に入って水だけのみ休憩はしたが
ぐちつぼ
涼し気なコンビニを横目にらっだぁのアパートを上がって行った
ピンポンピンポーン
―
ここまで来たがらっだぁはまた不在だ
ぐちつぼ
頭がクラクラだ
ぐちつぼ
やはり連絡を入れておくべきだった
いや、
先程コンビニに入るべきだった
目の前が真っ白に見える
ぐちつぼ
地面が回って―
ぐちつぼ
バタリ
俺はそのままらっだぁの家の前で倒れた
―
コツコツ
??
らっだぁ
―昨日深夜4時らっだぁ宅にて
??
らっだぁ
配信を終えるといつものように青い球体が寄ってくる
らっだぁ
らっだぁ
最低限の荷物を持って家を出る準備をする
…
気が向かない
??
俺は支配されている
この“吸血鬼”に
…こいつは人の血を好む
週に1、2回の頻度でこうして血を求める
しかしながらその血にも好み(?)があるようで
1,“らっだぁ”の血は飲まない
おそらく俺とこいつは家族みたいなもので、飲みたくないのではなく飲めないのだろう
2,心がきれいなやつ
知り合いを襲うわけにも行かなく、いつも路地にいる小汚い人の血を上げているが
ものすごい面でその血を飲んでいた
おそらく不味かったのだろう
最後に―
3,俺の想い人
ひとり、過去に家にあげた時にこいつが勝手に吸っていたことがある
その時はすぐさま気付かれないよう引き離したが
しかしその時見せたコイツの表情が…
らっだぁ
…それから何度か家に凸られても無視を貫くようにした
もうコイツがいる限り家にあがらせる訳にはいかなくなってしまったのだ
らっだぁ
??
らっだぁ
あの時の味を忘れていないのだろう
スッ
最悪だ、今日は同行するようだ
ガチャ
メガネにマスク、ニット帽を被ったいかにもな格好で家を出る
…いつまで続くのだろう
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