❨wrwrd❩5歳違いのパパ【完結済み】

仲直りをして１ヶ月が経った

私と風奏ちゃんは最初の頃よりもっと仲良くなった

風奏ちゃんの方はまだ少し周りの人から避けられているけれど

日常的な会話をするようになっていった

鬱先輩は1日1回以上、私たちの教室に来るようになった

私たちの担任が先輩の前の担任だったっていうのもあるのかもしれないけど

風奏ちゃんの監視兼先生と話をしに来るって感じ

それに最近は…

風奏ちゃんが先輩と居られて嬉しそうだし まあいっか…って

思うわけない

私だって先輩と話したいよ

だけど…これは 無理だぁ……

ちらっ…

風奏ちゃんの先輩を見る目は…

……やめよ

考えれば考えるほど病んでくる

「え、まじ？」 「やば狙お」 「せんせ、事前情報くれるの好き」

などなど…

私のクラスのギャル達が騒ぎ始めた

やめて

もうやめて…

考えないようにしてたのに

風奏ちゃんは

先輩が好きなんだ

風奏ちゃんを見たら絶対に泣いてしまう

…どうして

どうして友達と同じ人を好きになっちゃうんだよ…

と、風奏ちゃんが2階の窓を指差した

そこにいたのは緑のパーカーを深く着ている男がいた

遠くからじゃよく見えなかったが 雰囲気は暗めの人だった

言われてみれば確かに見ない顔だ

でも転校生ではあっても、隣のクラスだし、接点はないだろう

とは言ったものの、歩き出した時にチラッと転校生を見てしまった

目が合った

一瞬だったけど、 バッチリと目が合ったんだ

私は怖くなって風奏ちゃんの腕にしがみついた

それにしてもあの転校生の目 めっちゃ怖かったな…

なんか、ギロッとしてて 蛇みたいな感じで

まぁ関わることはないだろう

きっと多分だいたいそう…

風奏ちゃんに呆れていたら 玄関から音がした

パパが帰ってきていたのだ 今日はいつもより仕事が終わるのが早かったようだ

2人に呆れかけてたときだった

後ろから肩をポンッと叩かれて驚いた

だってその相手は、あの転校生だったんだから

転校生は恥ずかしそうに頭をかきながら私を見た

そう言うと、手を握ってきて 転校生…希が言った