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➰ ✿ nrkr
32
りおん
5,264
みかんのかんずめ
246
朝。
いつもなら、看護師の足音や、朝食を運ぶワゴンの音で目が覚めるが、今日は妙に静かだった。
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広場の窓から廊下を覗きながら、こさめが首を傾げる。
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三人は顔を見合わせる。
昨日見つけた記録。
そこに書かれていた、自分たちの名前。
そして、____今日の日付。
あれから、三人ともほとんど眠れなかった。
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いるまの言葉に、こさめは渋々頷いた。
その時、広場の扉が開いた。
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いつもの笑顔。
いつもの優しい声。
何も変わらない。
……そう、見えた。
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らんせんせいは三人の顔を一人ずつ確認する。
けれど、いつもより少しだけ、確認する時間が長かった。
まるで何かを確かめるかのように
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ふっと笑うらんせんせい。
その笑顔に、こさめはそれ以上何も言えなくなった。
しばらくして、すちせんせいが広場へ入ってくる。
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すちせんせいは一瞬だけ黙った。
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いつもなら気にしない。
けれど今日は、その一言が妙に引っかかった。
予定が変わった。
昨日見た記録にも、今日の日付。
いるまは何も言わず、すちの手元を見つめる。
そこには一冊のカルテ。
いつもの診察用に見えた。
けれど、その表紙の端に、小さな番号が書かれている。
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見覚えがある。
昨日、部屋で見たものと同じ番号だった。
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すちの手が止まった。
ほんの一瞬。
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いつもの柔らかい笑顔。
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それ以上、聞けなかった。
すちは笑顔のまま、カルテを閉じる。
その横では、みことが落ち着かない様子で立っていた。
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みことは何か言いたそうな顔をしていた。
けれど、こさめたちがいることに気がつくと、口を閉じた。
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慌てるみことをみて、なつが笑う。
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三人の笑い声が広がる。
その瞬間だけ、空気が、まだ何も知らなかったいつもの病棟に戻った。
けれど、先生達は笑っていなかった。
らんが壁時計を見る。
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三人の先生が顔を見合わせる。
その様子を、いるまだけが見ていた。
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らんは、笑う。
いつもの、優しい笑顔。
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こさめはなんの疑いもなく頷いた。
その頃、いるまは昨日の記録を思い出していた。
『処置予定』
今日の日付。
そして、先生達の妙な態度。
偶然。
きっと偶然だ。
そう思いたかった。
三人はそれぞれの診察へと向かう。
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いつものように手を振る。
けれど、扉が閉じた瞬間。
いるまの表情から笑顔が消える。
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その頃。
病院の奥。
誰も知らない廊下で、一枚の資料が机の上に置かれていた。
そこには三人の名前。
そして、横に並ぶ三つの言葉。
『経過』
『観察』
『処置』
その紙を見つめながら、らんは静かに目を伏せた。
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部屋の中に落ちた声は、誰にも届かなかった。
コメント
1件
だいぶ不穏な空気やばかったね…!?!?😭💦 先生たちの笑顔の裏になんか隠してる感がひしひしと伝わってきて、「時間だね」のセリフがめっちゃ怖かった…。いるまだけが異変に気づいてるのも切なすぎるよ…。続きが気になりすぎて叫びたいレベル!!🔥