\コンコン/
たっつん
…ん、来たか…
入ってええよ
入ってええよ
ヒロ
またせ…たね、ごめん
部屋をノックして入ってきたのはヒロ。
今は落ち着いて病も発動していないみたいだ。
手招きしてベットの上を軽く叩けば、すんなり座ってくれた。
たっつん
…知っとること、教えてもらおうか…
ヒロ
……それは逆だよ。
たっつん
は?
ヒロ
たっつんの知ってること、全部言ってみてよ。
ヒロ
俺が知ってることが本当だ。
たっつん
な、何言って…
?
そーだね。
シヴァ
勝手に入ってごめん、話が気になってさ。
たっつん
シヴァさん、なんでっ…
2人は声を合わせて言った
『俺たちは真実を知っている』
と。
\コンコン/
??
……はい。
??
準備できたよ、『シオン』さん。
シオン
……ありがとうございます。
シオン
みんなは、大丈夫そうですか…?
??
…まぁ、今のところ様子見です。
??
安心してください、ちゃんと騙してあります
左目が、強く濃く黒く光る
シオン
……ならいいのですけど…
シオン
貴方様もだいぶ重症なんですから…あるきまわらないのうがいいですよ
シオン
『ゆうき』さん。
ゆうき
えー…?
ゆうき
だって動かないと意味ないじゃないですか
シオン
…それはそうですけど
シオン
動いてタヒんだりでもしたら、もっと意味ないでしょうに。
シオン
そろそろ兄も来ると思いますし。大丈夫だと思いますよ
ゆうき
何年ぶりでしただっけ?
シオン
……さぁ?
シオン
もう、顔も声も覚えてなんかいません。
シオン
出会ったら分かるんじゃないですかね…
コンクリートに囲まれた部屋で空を仰いだ。
青い空なんてそこには無い。
シオン
ッフフ…♪
歪な笑みが漏れるが、目元は一向に笑わない。
無くしてしまった感情は、笑みすら、涙すら流してくれない。
静かな部屋に不気味と言えるような声だけが響いた。
ゆうき
……
メガネをかけた彼だけは、また別のようだった







