ー僕が戻ってきた場所ー それはー。
神崎紫雨
(嘘……!
ほんとに……ほんとに戻ってこれた……!!)
ほんとに……ほんとに戻ってこれた……!!)
ガラガラガラガラ……。
愛菜
お!やっと来たか!
神崎紫雨
愛菜…
愛菜
なーに暗い顔してんだよ!
愛菜
まるでもう落ちたみてーじゃんか𐤔𐤔
神崎紫雨
縁起でもないこと言わないでよ…
この子は愛菜 僕の学校での幼馴染 男の子っぽい言動で 服装もボーイッシュ系な、 一言で言うとカッコ可愛い系女子。
愛菜
ま!何にせよさ!
愛菜
せっかく同じ学部受けるんだしさ!
何がなんでも受かろーな!
何がなんでも受かろーな!
神崎紫雨
う、うん!!
神崎紫雨
(そうだった…
僕は愛菜に惚れてこの学部選んで…
親の反対を押し切ってここに来たんだ…
結局落ちて…滑り止めの大学に行って…失望されて……。)
僕は愛菜に惚れてこの学部選んで…
親の反対を押し切ってここに来たんだ…
結局落ちて…滑り止めの大学に行って…失望されて……。)
神崎紫雨
(ううん!せっかくやり直せたんだ!
今はそんな暗いこと考えるのやめよう!)
今はそんな暗いこと考えるのやめよう!)
神崎紫雨
……(お母さん……)
神崎紫雨
(あの時は受からなくて
すごく失望させちゃったな…
大丈夫!!もうあのころの僕じゃない!
それに予習もちゃんとしてきた!)
すごく失望させちゃったな…
大丈夫!!もうあのころの僕じゃない!
それに予習もちゃんとしてきた!)
神崎紫雨
(よし!)
愛菜
……今のLINE母さんから?
神崎紫雨
あ、うん、
愛菜
……相変わらずだな
お前の母さん
お前の母さん
神崎紫雨
…僕を心配してのことだから
愛菜
……ふぅん。
愛菜
ま!お前がいいならいーけどよ!𐤔𐤔
愛菜
あ!試験監督来たぜ!
頑張ろうな!
頑張ろうな!
神崎紫雨
うん!!!
ー試験終了ー
試験監督
では後ろから
解答用紙を回してください
解答用紙を回してください
ザワザワザワザワ…。
愛菜
っしゃー!!試験終わったー!
愛菜
帰ろーぜ!
神崎紫雨
うんっ!!
神崎紫雨
(良かった…!
今回はちゃんと受かる…!)
今回はちゃんと受かる…!)
愛菜
なーなー!
神崎紫雨
ん???
愛菜
…その
私がこんな事言うのは変かも知れねーけどさ…
私がこんな事言うのは変かも知れねーけどさ…
愛菜
…しょーじきお前は
今回の試験…自信あるか?
今回の試験…自信あるか?
神崎紫雨
(あ、この質問前も…
確かその時僕は分からないって答えた…)
確かその時僕は分からないって答えた…)
神崎紫雨
(でも今回は大丈夫!)
神崎紫雨
今回は案外バッチリできたんだ!
愛菜
そっか!!
愛菜
なんかお前のそれを聞くと
元気出てきたわ!ありがとな!
元気出てきたわ!ありがとな!
神崎紫雨
それなら良かった!
愛菜
っし!!!じゃあまた
明後日の結果発表の時な!
明後日の結果発表の時な!
神崎紫雨
うん!!
(良かった… 今回は何も間違えてないはず…… あとは結果だけ…結果だけ良ければきっとお母さんとの問題も…。)
ガチャ……パタン……。
神崎紫雨
ただいま…
紫雨の母
…あら帰ってたのね。
紫雨の母
……で?
紫雨の母
ちゃんと受かってるんでしょうね?
神崎紫雨
(あ…たしか前のこの質問…
あの時僕は自信なくて曖昧な答えでお母さんを怒らせたんだ…
それなら今回は…)
あの時僕は自信なくて曖昧な答えでお母さんを怒らせたんだ…
それなら今回は…)
神崎紫雨
結果を待ってて!
紫雨の母
ふーん…
まぁ良いわ。
まぁ良いわ。
紫雨の母
…でももし落ちてたら
分かってるでしょうね
分かってるでしょうね
神崎紫雨
……うん
ーお母さんは昔からこうだった訳では無い… こうなったきっかけは… あの時の叔父さんのあの一言が原因だった……。
ー15年前ー
叔父さん
いやぁー、それにしても
立派になったもんだw
あのころのお前が今じゃあ
立派な医者だもんなw
立派になったもんだw
あのころのお前が今じゃあ
立派な医者だもんなw
紫雨の父
いやぁー…まぁ…
叔父さんのお陰ですよ…。
叔父さんのお陰ですよ…。
叔父さん
わっははは!
それもそうだな!w
それもそうだな!w
叔父さん
…それはそうと
紫雨の父
…?
叔父さん
凛さん
紫雨の母
は、はい!
叔父さん
紫雨の今後はきちんと考えてるのかね?
紫雨の母
え…
叔父さん
今はまだ3歳だから良いが,
叔父さん
今後のことを考えると
今の年齢からもう勉強をさせておいた方が良いんじゃないか?
今の年齢からもう勉強をさせておいた方が良いんじゃないか?
紫雨の母
え…でもまだ3歳ですし…いずれかは…
叔父さん
甘い!!!!!
ビクッ…
叔父さん
…甘いんだよ凛さんは
叔父さん
今の時代
幼少期から勉強しないと
遅れを取り戻せないんだよ。
ましてや医学部となると尚更。
幼少期から勉強しないと
遅れを取り戻せないんだよ。
ましてや医学部となると尚更。
叔父さん
我が家は代々
由緒ある医者家系なのだから
その血を途絶えさせないでくれよ?
由緒ある医者家系なのだから
その血を途絶えさせないでくれよ?
紫雨の父
……。
紫雨の母
……はい。
ーその次の日からだった 温厚で優しかったお母さんが 教育の鬼となったのは… そしてその日から笑いもしなくなった…。