よりぬき物語集①~i×f~ 『酔えば、君は甘えたになる』 『幸せすぎて死にそうな話』 『悩める受け
「酔えば、君は甘えたになる」
「俺の酒癖なんて悪くない」と言い張る彼だったが、実は酔うとキス魔になってしまう癖があった。ある日の飲み会で、大切な人の到着を待てずに飲み始めた彼は、案の定泥酔状態に。友達たちにまで迫ろうとする彼を止めたのは、いつも優しく面倒を見てくれるあの人だった。
翌日、送られてきた動画で自分の醜態を知った彼は愕然とする。記憶にない恥ずかしい行動の数々。しかし動画には、自分を受け止め、深いキスを交わすあの人の姿も映っていて——。
「君は僕のものなのに」
いつもの穏やかな表情の下に隠された独占欲と愛情を知った時、2人の関係は大きく変わる。酒癖の悪さがきっかけで始まった、甘く切ない恋の物語。今度は酔っていない時に、たくさん愛を確かめ合いたい。
幸せすぎて死にそうな話
仕事で立て続けに良いことが起こり、異常にテンションが上がった主人公。帰宅すると、恋人が合鍵で入って洗濯物を畳んで待っていた。あまりの幸せに「幸せすぎて死にそう」と口にしてしまう。
翌朝、恋人は真っ青な顔で「死ぬなんて言わないで」と泣き出した。実は比喩表現だったと説明すると安堵するが、その後不思議なことが続く。お風呂に水が張ってあり、味噌汁が砂糖で甘くなっている。
恋人は主人公の言葉を真に受けて、わざと小さな失敗を作っていたのだ。「これでもう死なないよね?」と上目遣いで尋ねる健気さに、主人公の心は完全に撃ち抜かれる。
「君の失敗も含めて、全部が僕の幸せなんだ」
純粋で愛らしい恋人との、甘くて温かい日常ラブストーリー。些細な幸せを大切にする二人の、とろけるような愛情物語。
『悩める受けのお話』
酔った勢いで一夜を共にしてしまった大学生の彼。翌朝、気まずさから逃げるように家を出るが、夜の飲み会で友人たちから衝撃の事実を告げられる。
「お前らまだヤってなかったのかよ」 「もう長いこと付き合ってるだろう」
え?付き合ってる?初耳なんですけど——。
デビュー後のバレンタイン。あの高級チョコレートは告白だった。2年間同じベッドで寝ていたのは、彼なりの無言の抵抗だった。
全てを知らずに過ごした4年間。どれだけ相手を傷つけていたのか、どれだけ愛されていたのか。友情と愛情の境界線が曖昧になる中、ついに彼が口にした言葉とは——。
鈍感すぎる男子大学生が織りなす、甘酸っぱくて切ない青春ラブストー