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真面目くんの恋

真面目くんの恋

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真面目くんの恋

♥

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2018年09月30日

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僕は桐部汰月

学年で最も真面目と言われていた

それから真面目くんなどとあだ名を付けられていた

真面目なあまりに友達も出来ないままで

だけどそんな時、ある人は優しく声をかけてくれたんだ

すごく嬉しかった でもその時の僕はその優しさに 気づくことができなかったんだ

汰月

明日はついにテスト、高得点をとらなくては
高校に入ることなんて出来ない

汰月

頑張ろう

弘人

よぉ真面目くん!

汰月

なにかようですか

弘人

なに同期に敬語なんか使ってんだよ
お前ホント変わったよな

弘人

小さい頃はそんなんじゃなかったのに

汰月

今はそういう時期なんだ

汰月

昔とは違う

弘人

なんだよ、つまんねーのっ

汰月

(そうだ、僕は変わってしまった。
自分でも分かってるし) いやいやっ

汰月

こんなこと考えてる暇はない、勉強しなくては

珠美

ねぇねぇ、真面目くん!

汰月

なんですか、僕は真面目くんではない

汰月

ちゃんと汰月という名前を持っています

珠美

そうだよね、ごめんね(*;ω人)

珠美

でも名前分からなかったから、汰月君だね!

珠美

すっごくいい名前なのに、なんでみんな
そんな酷いあだ名付けるんだろうね

汰月

構わないでください

珠美

えっ?

汰月

僕がこんなんだからいけないんですよ

珠美

別にそんなことはないと思うよ。
だけどその敬語をやめてみ……

汰月

ほっといてくれませんか?
勉強に集中できないんです

珠美

あっ、ごめんね。
明日テストだもんね。頑張ろうね!

汰月

(なんなんだあいつは)

あの子は屋坂珠美

一人でいた僕に声をけてくれた

心優しい性格に僕は嫌気がさしていたんだ

珠美

汰月君!

汰月

っ!

珠美

どうしたの?

汰月

なんですか

珠美

ねぇあのさその敬語やめない?
同期で変な感じがするよ(・ω・)

汰月

どうでもいい

珠美

えぇー?

汰月

君は友達いないんですか

珠美

……………いないよ、一人も。

汰月

いいや、そんなはずはないですよ

珠美

え?

汰月

僕が帰宅する途中

汰月

女子といるところ見ましたし

珠美

え……

汰月

何か問題でも?

珠美

ううん、ごめん。

汰月

珠美

見られちゃってたんだ…。

汰月

………なんでですか?

珠美

私……………一年生の時からいじめられてたんだ

汰月

………。

珠美

あんなかっこ悪いところ、見てほしくなかったな

汰月

それは君が悪いんじゃないですか

珠美

え………?

汰月

君がいじめられるようなことをしたのでは………

珠美

してないっ!!!!

汰月

!?

珠美は泣きそうな顔で叫んだ

珠美

ごめん。だけど、違うよ

珠美

一年生になって、私すっごく人見知りだけど
一つのグループに勇気出して声かけたんだ

珠美

そしたらすっごく怖い目で睨まれて。
私、いじめの的になっちゃったんだ。

珠美

今日の放課後もまた…………

汰月

珠美

汰月君?

汰月

珠美

ごめん、変な話しちゃったね

珠美

汰月君、汰月君には私みたいなってほしくない

珠美

だから汰月君、今のウチに友達たくさん作ってさ

珠美

最後は夢みたいな卒業式にしてよ

汰月

どうして僕が君にそんなこと言われなくちゃ……

珠美

じゃあね。

汰月

ちょっと!

珠美は放課後まで僕に会いに来なかった

汰月

もう帰る時間、そろそろ行こう…。

汰月

そうだ、あの子がこの前居た所に行ってみよう

そこは学校の体育館の裏庭だった

声がする

女子生徒A

いいから顔突っ込めよ!

珠美

嫌だ……

女子生徒A

はぁ!?

珠美

こんなところに顔なんて入れたら
もう話せなくなるじゃない

女子生徒A

当たり前だろ?
そのための液体なんだから

女子生徒B

そーだよ!早く突っ込め!

珠美

嫌だって言ってるじゃない!

女子生徒A

口答えすんのか!?

珠美

そうだよ、今の内に言いたいこと
たくさん言っておくんだ

珠美

1つ目は汰月君と話せてよかったこと

珠美

汰月君は結構物静かで毒舌だけど汰月君みたいに
物事をハキハキ言える人に憧れていた!

珠美

2つ目は汰月君の色々な姿を見れて嬉しかったこと!

女子生徒C

なんだ?お前男と関係持ってんのか?

女子生徒C

生意気な上に男と関係持つなんてどこまで
最低なんだよ!

バシッ!バシッ!

珠美

っ!!

汰月

っ!?

珠美

珠美

も……もう一つ…は……

ベシッ!バキッ!バシッ!

珠美

あなた達に…声をかけて……自分が変われ…たこと。

珠美

今まで私はハッキリ物を言えなかった
だけどあなた達のおかげで口答えとかも
出来るようになっ………た……

女子生徒A

お前本当に話せなくしてやろうか!!?

珠美

いいよ、それでも。

汰月

(なんで!もしやあの子は生きたくないのか)

女子生徒B

まじかww

女子生徒C

じゃあそうしてやろうぜw

女子生徒A

そうだなw

珠美

うっ……………。

バシッ!バシッ!

顔を殴り続ける奴ら

彼女はボロボロだ

助けたい、だけども勇気がなかった

珠美

いやっ!

女子生徒A

いいって言ったんだから顔入れてみろよ!

珠美

うぅ………。はぁぁ、はぁ、はぁはぁ

息が荒い

どうすれば助けれるか

バタッ

汰月

!?

女子生徒C

あらら、気失っちゃったw

女子生徒A

あーあ、今日はこの辺でいいや

女子生徒B

また明日だな

女子生徒達は去っていく

汰月

今の内に!

汰月

おい!

珠美

う…………うぅ……

汰月

大丈夫ですか

珠美

あ…………

珠美

汰………月…君?

汰月

う……うん

珠美

助けに……来てくれ…たんだね

汰月

別に助けてなんかない

珠美

あぁーあ、すっごいかっこ悪いな

汰月

え?

珠美

勇気さえあればもっと強くなれるのに

汰月

君は充分な勇気を持っているではないですか

珠美

持ってないよ、持ってたら今こんなことに
なってないし

汰月

分けて欲しいくらいです

珠美

だから持ってな………

汰月

持ってなかったら、彼女達の前であんなこと言えない
じゃないんですか?

珠美

え?

汰月

僕はすっごく嬉しかったです

汰月

君はもうたくさんの勇気を持っていますよ
僕には分かります

珠美

そんなこと………

汰月

僕は君のおかげで初めて人に主張する
ことが出来ている

汰月

君は人にも勇気を与えているんです

珠美

珠美

うふっ、本当に汰月君は物事を
ハキハキ言うね(*^^*)

珠美

私そろそろ帰らないと

汰月

珠美

またね

汰月

あっ、うん

僕は何故あんな事を言ったのか

自分でも分からない 好きでもないのに

空気を作ってしまった

汰月

あぁ、今日は一段と疲れた

汰月

明日はテストだ、早く寝よう

その頃

珠美

今日の汰月君はちょっとかっこよかったな

珠美

明日も学校が楽しみだな。
汰月君の事だからまた「ほっといてください」
とか言うんだろうな

珠美

明日はテストか。きっと一段と汰月君の
機嫌が悪くなるぞ!(´▽`*)アハハ

珠美

そういえばまだ私の名前言ってない!
明日教えてあげよっと!

次の日

汰月

あ………あのバケツ……

汰月

やっぱり、まだ液体が入ってる。
処分しなくては!

バシャッ

汰月

これでよしと

汰月

あっ!遅刻してしまう!

学校

汰月

あれ、いつものあの子が今日は来ない…

汰月

おかしい、もう来ても良いはずなのに

僕はいつもどこかで珠美を心待ちにしていたんだ

珠美が来ないままテストは始まった

汰月

(どうしてだ?何故あの子は来ない)

汰月

(昨日あんな事があったから?だけどあれは
毎日の様に起こっていたことだし…)

僕はテストどころじゃなかった

珠美の事で頭がいっぱいでテストに集中できない

先生

はーい、鉛筆を置いてください

先生

後ろから答案用紙と問題用紙を集めてください

ガヤガヤ

生徒a

なんだ汰月、答案用紙ほとんど真っ白じゃないか。
汰月のくせにどうした?

汰月

っ…………。

先生

皆さん集め終わりましたね。

先生

ここで一つとっても残念なお知らせです。

先生

先生

今朝、登校の最中に

先生

先生

屋坂珠美さんが

汰月

!?

先生

先生

事故にあい、亡くなりました

汰月

汰月

え……………

先生

バイクとトラックの事故に巻き込まれ、
そのまま珠美さんも一緒に。

ガヤガヤ

女子生徒A

あははっ!わざわざ殺さなくてすんだわw

女子生徒C

そうだねww

女子生徒B

うけるーw めっちゃいい死に方w

女子生徒A

それなーw

弘人

おい、お前ら………

汰月

お前ら!!

僕は怒りから人より先に爆発してしまった

汰月

ふざけるな!あいつは誰よりも毎日勇気出して
頑張ってたんだ!なのにお前らはそれを踏みにじり
傷つけて!本当はお前らが殺したんじゃないだろうな!

女子生徒A

あー、お前が昨日言ってた汰月ってやつか

汰月

だからなんだ

女子生徒B

真面目くんとか呼ばれてたらしいけど
全然そんな感じしねぇじゃん

女子生徒C

だなw

汰月

………っ!!!!!

僕はもう怒りを押さえられなかった

辛くて苦しいのは珠美なんだ

そんな中助けられなかった俺にも嫌気がさしていた

弘人

お前らいい加減にしろよ

弘人

俺も知ってたけど助けはしなかった

弘人

見て見ぬ振りをして俺も同類だと思うよ

弘人

だけどクラス仲間傷つけるのも親友傷つけるのも
俺はぜってぇ許さねぇからな!

汰月

弘人………

女子生徒A

やるのか?

弘人

弘人

やらないに決まってる

女子生徒B

はぁ?

弘人

俺は力だけで勝ちたくないんだよ

汰月

弘人?

弘人

俺はもっと楽しくやりたい
辛いのも苦しいのも嫌だ

弘人

それはお前らだって同じだろ

女子生徒A

女子生徒A

……………。

弘人

もう争いとか傷つけあいとかさ、
辞めようぜ

女子生徒B

………っ。

女子生徒C

だけど………

弘人

なんか文句あるか?
お前らは争いするために生きてねぇだろ!

女子生徒A

当たり前だ!

弘人

だったらもう辞めろよな

弘人

汰月

汰月

え?

弘人

お前もよく頑張ったと思うよ
だけど真面目で生きていくのも嫌だろ

弘人

もっと楽に楽しく生きようぜ

汰月

弘人

珠美って子のためにもさ

汰月

う、うん
そうだよね

汰月

わかったよ

ガヤガヤガヤガヤ

先生

はーい、静かにしてください!

先生

明日は珠美さんに別れをつげに行きます。
皆さんで行きましょう。

僕は弘人のたくましい姿と 女子生徒達の反省の姿を見れて

なんだか嬉しい気がした

汰月

弘人

弘人

なんだ?

汰月

ありがとう、僕の思ってること全部言ってくれて

弘人

いいんだ別に

汰月

ねぇ、また仲良くしてよ

弘人

そんなの許可とるまでもねぇぜ!

汰月

あははっ!

次の日

皆はたくさんの事を珠美に言っていた

汰月

弘人はなんて言った?

弘人

へへっ、あんま絡みなかったけどそっちでも
元気でなって言ったよ

汰月

そっか。

弘人

汰月は?

汰月

えー、僕は

僕はこう言った

君は珠美って言うんだね、初めて知ったよ。 でも名前は君の口から言って欲しかったよ。 珠美、僕は君のおかげで変われたんだ。 真面目くんのままで生きるのも堅苦しいしね。 ありがとう。珠美にはもう会えなくなってしまうけど 君は僕の中で永遠に生き続けるよ。君は僕の 生きる理由だったよ。今までありがとう。

汰月

って!

弘人

ふーん、ロマンチックー!

汰月

そんなことないよー!

弘人

あははっ

汰月

えへへっ

珠美、元気で。

そしてさようなら。

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