牛沢
ふう…
牛沢
いやー、面白かったな
レトルトをからかうのも
焦っているキヨを見るのも。
独占欲がまるで隠せていないようで
少しバツの悪そうな顔で 俺の家を出ていった。
牛沢
後でちゃんと謝らないとな
でも…
あの泣きそうなレトルトの顔は…
牛沢
かわいかったなぁ…
俺も性格が悪いと思った。
他人の痴話喧嘩に首を突っ込むなんて。
キヨくん…ずっと怒ってる…
俺のせい…だよね…
レトルト
キヨくん…
恐る恐る名前を呼ぶ。
キヨ。
…ん?
レトルト
ごめんね
これは喧嘩してたことに対してじゃない。
さっき、あんなことを言ってしまった ことに対しての謝罪。
キヨ。
レトさん…
キヨ。
俺もごめんよ
キヨ。
悪かった
キヨ。
でも…もうあんな事しないでね
レトルト
うん
レトルト
あとさ…
レトルト
喧嘩…してたじゃん
キヨ。
……
キヨ。
…そういえばそうだね
レトルト
それも、ごめんね
レトルト
俺も言い過ぎた
思えば大したことない事で イライラしていた気がする。
キヨ。
うっしーに相談した?
レトルト
した
レトルト
後悔してるけど
キヨ。
それは、あんなこと言われたから?
レトルト
じゃなくて!
レトルト
俺たちの問題だもん
レトルト
ちゃんと解決しなきゃ
キヨ。
偉いね
偉くない。
偉くなんかないんだよ。
直接謝ればそれで済んだのに。
キヨ。
さーて
キヨ。
お仕置きの時間だよ
レトルト
えっ…
ベッドの上でニヤニヤしながら 俺の頬に手を伸ばす。
レトルト
なんで…
キヨ。
なんでって…
レトルト
謝ったじゃん!!
キヨ。
謝ったよ?
キヨ。
だから、仲直りの…な?
レトルト
うぅ…
得意げな顔を見せつけながら 俺の前髪をかき分ける。
ちゅ
レトルト
おでこ…
キヨ。
こっちが良かった?
長く綺麗な指が 俺の唇をすぅっとなぞる。
レトルト
意地悪や…
キヨ。
お仕置きだもん
キヨ。
最後にとっておかなくちゃ
背中がゾクッとした。
明日は予定なくて良かったな…
THE END.