あの日逃げた君は今も〖完結済み〗

さところ

腐注意 地雷さん回れ右

無言ブクマ⭕️ 通報❌ なんでも大丈夫な方向け 本人様とは一切関係ありません

朝、淀んだ空気が図々しい

青が学校に来なくなって4日

担任は体調不良と言っているが、 きっと嘘だろう

黄は楽しそうにそういうと、 スマホの画面を差し出した

どうするべきか

俺が家に押しかけたらやはり 迷惑なのではないか

さらに辛い思いをさせて しまうのではないか

嫌な妄想が膨らみ、不安感に襲われる

ﾍﾟﾁｯ

頬を叩かれる、 でも、力の弱い青の方が 痛く感じるのは何故だろう

もう二度と、同じ過ちを起こさない

青のために、これからのために

芯のある、はっきりした声で、 決意表明をした

((放課後))

緊張する

深く深呼吸をして、 インターホンに指を添える

学校からここへ来る時に、橙から 電話が来た

「告白しろ」

それだけ言われ、電話を切られた

俺は今日告白する

俺がそう言うと、黄はニコッと笑って まだ用事が残っているらしく、 学校へ戻って行った

覚悟を決める

ぴーんぽーん

高いインターホンの音が耳に響く

『…桃くん』

聞き覚えのあるあのガサガサ声

『…ちょっとまってて』

ガチャ

久々に見た青の無邪気な笑顔

その笑顔は、屈託のない、 純粋な笑顔に見えた

この時緊張感は、 微塵も残っていなかった

突然きた桃くんにびっくりしたけど、 酷いことをしたのを自覚しつつ、 "まだ繋がりのあった時のように" 接した

桃くんは部屋に入ると早々に 頭を深く下げた

僕が目を逸らしてそう言うと、 桃くんはハッとした様な表情をした

どうしてだろう…？

突然心臓の脈打つ音が煩くなる

桃くんの口から語られる新事実に、 脳が追いつかない

本当に目の前にいる桃くんは、 あの時の桃くんなの？

でも言われてみれば確かに、 芯のある紺色の瞳、暗めの桃色髪、 ニカッと笑うと煌めく笑顔

"あの時"の桃くんそのものだ

今思い返してみると、家までの帰り道 ですごく後悔していた

あんなに優しくしてくれたのに、 僕は愛想も振りまかず無視した

目の前でニカッと笑う桃くんは、 どうしてこんなに輝いているのだろう

こんな素敵な人、 逃げただけであんなに失望して しまった自分を責めたい

きっとこの時僕達は、 いじめの起こる前の関係に 戻りつつあったのであろう

すごく幸せだった

和やかな雰囲気が、 急に張り詰めた空気になる

なんだろう…

恐怖心と緊張感が混ざり合う

僕が唾を飲み込むと、 桃くんは口を開いた

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