「捨てられた地」
スタ…スタ…スタ…
空
空
空
空(そら)は濃い霧の中に迷い込んでいた 右も左もわからない中、闇雲に歩いていた
空
空
突然空の前に現れた洞窟のようなもの
星の子の気配はないが、中に誰かいるようだ
空
空
空は恐る恐る中を覗き込んだ
空の目には、とても信じ難いものが映った
空
???
「グルルルルルルル…」
青いセンサーを光らせた暗黒竜を手懐けている少女
彼女の頭に、暗黒竜の触覚のようなものが生えていた
彼女は、一体…
空
空
その場を立ち去ろうとした空の前に、彼女が立ちはだかった
空
???
空
空
???
空
???
空
???
空
彼女の血のような赤い目は、暗黒竜を連想させた
トラウマが蘇る
???
???
空
彼女は振り返って元いた洞窟に戻ろうと歩みだした
歩き方は少し不自然で右足に重心がかかっている
空
左足を怪我している
空
???
空
???
空
そういうと空は自分のケープを引き裂いた
???
???
空は無言のまま引き裂いたケープを彼女の傷に巻き付けた
空
???
何故か空は右手を使わない
???
???
空
???
空
空
風が吹いてケープがなびく
そこで初めて気づいた
空の右腕が無いことに
???
空
左手や口を使って器用に巻き付けていく
???
空への同情心からか、彼女は抵抗しなくなった
空
???
空
空
???
「グルルルルルルル…」
空
???
洞窟の中から暗黒竜が出てきた
そして空に赤いセンサーを浴びせる
空
空は恐怖で動けない
???
彼女は立ち上がると暗黒竜の赤い目を両手でおおった
空
「ギギ…ギ…?」
???
しばらくするとセンサーは青くなった
空
???
???
空
口調が少し優しくなった 先程までの威嚇するような声とは違い、穏やかになったような気がする
心を開いてくれたのだろうか
???
と言いながらおそらく出口がある方向に指を指した
空
空
空
???
空は目を輝かせている
???
???
???
空
空
そう言って手を振りながら空は去っていった
これが、2人の出会いだった
コメント
2件
コメント失礼致します! 新しいストーリーも素敵です! 続きゆっくり待っています!