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学パロ
今日は冬休み前、最後の登校日。
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たっつんはしっかり者でみんなからの信頼も厚く、優等生だ。
そして俺よりも背が高く、目が吊り上がっていてかっこいい。曲がったことが大嫌いで、少し気が強いが、それは長所。
すごく頼れる、俺の大好きな、自慢の親友。
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確かに、冬休みはイベントが多い。それにイブにはクラスのみんなで集まり、カラオケでクリスマスパーティーをすることになっている。
そして、お正月にはたっつんと初詣に行ったり、いろんな計画をしている。
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彼は真っ黒のコートを羽織り真っ黒のマフラーを巻いて、蒼色の綺麗な髪の毛を冷たい風になびかせていた。
コートの下の制服は上着のボタンを閉めず、シャツも出しっぱなし。ズボンの裾はまだ一年しかはいていないのに擦り切れている。大きめのスニーカーの紐は結ばれておらず、歩く度に彼の足元にまとわり付いている。
彼はいわゆる問題児だ。
噂によると、他の高校の素行の良くない男子達と一緒に居ることが多く、何度か万引きで捕まった事があるらしい。
あとはカツアゲをしたとか誰かを殴っただとか、そんな事ばかりが耳に入ってくる。
真相は分からない。けれど、学校も休みがちだし、見るからに不良少年なので信憑性は高そうだ。
ふいに、俺の視線に気づいたかのように彼が振り返り、目が合った。思わずびくりと体を震わせると、彼はふいっと目をそらし、何もなかったのようにすたすたと歩いていった。
.......、なんで、あんなふうになっちゃったのかな。
tt
たっつんは苦虫を噛み潰したような顔をしてつぶやく。
真面目なたっつんにとって、彼はあまり好ましくない存在なのだろう。
昔はそんなに悪い子じゃなかったんだけど、
たっつんに、俺と彼との関係を一度も伝えていない。
昔の俺たちは、「なおにい」「ゆあんくん」と呼び合う仲だった。
幼稚園も小学校も毎日一緒で、親同士も仲がよく、休日にお互いの家に遊びに行ったり、手を繋いで散歩というのも珍しくはなかった。
今みたいに澄ました顔はしていなく、笑顔が多く、たくさんの友達に囲まれていた。
おまけに勉強もスポーツもでき、背も高かったから女子達にも人気だったのを覚えている。
だから家族ぐるみで交流があった俺はみんなよりも特別な存在で、少し誇らしく思っていた。
俺はそんななおにいのことが大好きで、なおにいもそう思ってくれてると思えるほど仲が良かった。
けれど、それは俺が引っ越す前の話。
中学からしばらくは手紙でのやり取りをしていたけれど、徐々に連絡を取り合うことが減っていった。
俺も新しい友達ができたことで、なおにいのことも次第に思い出さなくなり、半年もすると全く関わりがなくなった。
そして、中学校生活が半分を過ぎた頃から、なおにいのあまり良くない噂を聞いた。
聞いた時は半信半疑だったが、みんながそんなふうに言う相手と幼馴染だと知られたら噂に巻き込まれるかも知れないと思うと言えなかった。
そして、なおにいと再会したのは、高校の入学式。
別々の高校かと思っていけれど偶然同じになった。
数年ぶりのなおにいは、昔とは別人のようになっていた。
もちろん背が高くなったとか、かっこよくなったとかもあるけれど、雰囲気が全然違っていた。
昔とは違う、悪い意味でなおにいは目立つ存在になっていた。
そんな彼をみんな遠巻きに眺めるだけ。
なおにいは完全に孤立していた。
そして、なおにいは、俺に一度も話しかけて来なかった。 勿論、俺も。
今後、俺がなおにいと話をすることはもう無いだろう。話をしている所を見られたら、変な噂をされてしまう。この街の娯楽の一つになるなんて嫌だ。
たっつんにも心配されるだろうし、最悪の場合、いつも一緒にいる友達にも距離を置かれてしまう可能性がある。 そんな毎日、楽しくない。
………いつもひとりぼっちでいるなおにいは、毎日楽しいのだろうか。
tt
ya
ふとよぎった疑問を頭から振り払い、たっつんのあとを追いかけた。
教室のドアを開けて暖かい空気に触れるとホッとする。
鞄をしまい、すぐにストーブに近寄った。すると、先客が振り返った。隣に並んで「おはよー」と頬を緩ませた。
jp
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ピエロみたいだ、とじゃぱぱが俺を見て笑った。
jp
そう言いながら俺の髪をぐしゃぐしゃと撫でる。
きっと俺は鼻だけでなく顔全体が真っ赤になってるだろう。それを見られないよう、髪の毛を整えるふりをして俯いた。
tt
jp
たっつんがそう言い、じゃぱぱは少しだけ横にずれてくれた。それでもたっつんは「さみー」と言いながら俺の体を押しのけた。
俺とじゃぱぱの距離が一層近づくとたっつんが、にやりと笑みを返してきた。ぐいぐいと俺の体を押してきたのは確信犯だったようだ。
それからもたっつんがいじってきながら少し3人で話していると、「じゃぱぱー」と呼ぶ男子の声に「んー?」と返事をしながらじゃぱぱは離れていってしまった。
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顔が真っ赤になってるのが自分でもわかる。ほんのり冷たい自分の手を顔に添え、気持ちを落ち着かせた。
じゃぱぱは、俺とたっつんとは中学が別で、高校から知り合ったクラスメイトだ。
赤髪で身長がクラスで二番目に高く、誰よりも速く走る。小中学校ではサッカーのクラブチームに入っていたらしく、この学校でもサッカー部に入っている。そして、一年生の中で唯一レギュラーメンバーとして試合で活躍している。
そして、俺の好きな人。
簡単に言えば、一目惚れだった。
入学当初、席が隣同士だったことがきっかけだ。「はじめまして」と言って目を細めた彼の爽やかさに、俺は瞬殺された。
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そうたっつんに報告したのはその日の帰り道だ。
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この時、たっつんはまだ困ってたけど、俺のじゃぱぱに対しての気持ちはふくれ上がった。
俺以外にもじゃぱぱに憧れている人はたくさんいるだろう。クラスにも俺以外にじゃぱぱの事が好きだと考えられる女子がいる。俺はたっつんにしか話してないからバレていないと思うけど。
来年もこのクラスでいたいよねえ!
今のクラス、仲いいもんな
そうそう。男女なかもいいじゃん。四組とかすっごい険悪らしいよー。
そんなの絶対嫌だなあ
好きな人ができたときは教えてね!協力できることがあればなんでもするから!
......うん!
冬休みがはじまり、今日はクリスマスパーティーでたっつんと一緒に集合場所のカラオケまで来た。
たっつんは他の子といて忙しそう。俺はそんなたっつんを心の中で応援しながら、他の男子たちと話したり、苦手だけどせっかくのクリスマスなので歌ったりして過ごす。
男子1
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男子2
男子1
男子2
やっぱり少しバカにされているような気もする。首を傾げるけれど、みんな笑顔なので、まあいいか、と思った。
時間を確認すると既に三時半。来た時はまだ一時半くらいだったのに....楽しい時間はあっという間だ。
ya
立ち上がり、ひとりでトイレに向かった。もうすぐプレゼント交換がはじまる時間かな。
わくわくする一方で、楽しいパーティーがあと一時間ほどで終わってしまうのかと、淋しい気持ちもある。
トイレを済ませ、小走りで部屋にもどっていると、
ya
突然、目の前のドアが開いて、出てきた人と、どん、とぶつかってしまった。同時にバラパラッとなにかが床に散らばる音。
ya
頭上から聞こえてきた声に慌てて顔を上げると、蒼色の髪の毛に気がついた。
ya
目が合うと、なおにいは俺と同じように目を丸くした。けれど、すぐに目をそらし、床に散らばった荷物を拾い始める。
ぶつかった時に手にしていた鞄を落としてしまったらしい。
no
俺も拾おうとしゃがみ込むと、そう冷たい声で拒否されてしまった。でも、となおにいの顔を見るけれど、なおにいは俺の方を見ようとはしなかった。
ya
数年ぶりに話しかけた声は、自分でも驚くほど弱々しい。
聞こえなかったのか、なおにいは何も言わなかった。
なおにいはもう、俺のことを忘れてしまったのかもしれない。
男子1.
知らない人の声が聞こえ、俺の視界に誰かの足元がみえた。
no
男子1.
続いて部屋の中からぞろぞろと数人の男子が出てくる。
服装が違うので他の高校だろう。みんな制服を着崩していて、見るからにガラが悪い。中にはピアスをいくつも付けている人もいる。少し怖く感じて体が強張ってしまう。
なおにいの噂はやっぱり、本当だったんだ。
しゃがみ込んだまま、なおにいとその男子を茫然とみていた。
男子1.
そのひとりが気さくな感じで俺に手を振りながらよこを通り過ぎ、お店のフロントの方向への去っていった。
反射的に、あ、はい、と頭をペコリと下げる
見た目は怖いのに、笑うと猫みたいな人だな、と思った。初めて会ったのにフレンドリーな態度で、毒気を抜かれる。
けれど、なおにいは俺を一瞥しただけで、何も言わず横切った。見下される冷たい視線に、なにかが胸に突き刺さったようないたみを感じた。
.....でも、仕方ないのかもしれない。
避けていてずっと喋っていないのだから、昔のように話せないのも、忘れられてしまったのも、仕方ないことだ。
ひとり通路でしゃがみ込んでいる自分がバカみたいに思え、すくっと立ち上がる。そのとき、通路の隅にあったきらりとしたものが目に留まる。
ya
再びしゃがみ込み、マジマジと見つめた。
水族館の名前とイルカの彫刻がある百円玉くらいのコイン型のキーホルダーのようだ。何処かで見たことあるような.....と首を傾げ記憶を探る。
no
そう言って、嬉しそうに目を細める幼いなおにいが脳裏に浮かんだ。
何年も前のことだし、このキーホルダーが本当になおにいのものかは分からない。でも、留め具が壊れてしまっているので、さっきぶつかったときなおにいの鞄から落ちたのかも
拾い上げて振り返るけれど、なおにい達の姿は既に見えなかった。
世界は「 」で満ちている という本のjp.tt.ya.no.版です!