今日から私は、生徒会役員に任命され、早速仕事があるということで、生徒会室に来ていた。
毒ヶ峰 サヤカ
失礼します、2年の毒ヶ峰サヤカと申します
岩崎 拓海
入れ
毒ヶ峰 サヤカ
(なんか口が悪い人だなあ)
毒ヶ峰 サヤカ
はい
岩崎 拓海
ふーん、お前が噂の毒ヶ峰サヤカか
岩崎 拓海
気に入った
岩崎 拓海
一護、こいつは役員にするな
三枝 一護
承知しました
毒ヶ峰 サヤカ
え?
毒ヶ峰 サヤカ
どういうことですか?
岩崎 拓海
毒ヶ峰サヤカ
岩崎 拓海
お前を、生徒会副会長に任命する
毒ヶ峰 サヤカ
ええっ!
岩崎 拓海
俺は見てわかると思うが、会長をやらせてもらっている。
岩崎 拓海
俺の名前、わからないはずはねえよな?
毒ヶ峰 サヤカ
…すみません
毒ヶ峰 サヤカ
分からないです…
岩崎 拓海
…マジかよ
岩崎 拓海
俺の名前を知らない奴がこの学校にいたとはな
岩崎 拓海
俺の名前は岩崎拓海、3年だ
岩崎 拓海
よろしく
毒ヶ峰 サヤカ
よろしくお願いします
三枝 一護
拓海様、準備が整いました
岩崎 拓海
ありがとう。毒ヶ峰
毒ヶ峰 サヤカ
は、はい…!
岩崎 拓海
行くぞ
岩崎 拓海
ついてこい
毒ヶ峰 サヤカ
はい…?
毒ヶ峰 サヤカ
(どこに行くの?)
毒ヶ峰 サヤカ
あの、ここは?
岩崎 拓海
ここは会長室
岩崎 拓海
副会長も出入りすることができる
毒ヶ峰 サヤカ
じゃあ、他の役員は…
岩崎 拓海
入れないってわけだ
毒ヶ峰 サヤカ
へえ…ここ、面白い本がいっぱいありますね!
毒ヶ峰 サヤカ
あ!哲学の本もある!
私は手を触れないように気をつけながら、本棚をじっと見る。
岩崎 拓海
一護
三枝 一護
はい
岩崎 拓海
こいつに使わせていいと思うか?
三枝 一護
はい、拓海様がそうおっしゃるなら、私は反論いたしません。
岩崎 拓海
そうか
岩崎 拓海
毒ヶ峰
毒ヶ峰 サヤカ
はい
岩崎 拓海
ここにあるもの、自由に使え
毒ヶ峰 サヤカ
…いいんですか?
岩崎 拓海
ああ
毒ヶ峰 サヤカ
じゃあ、ここにある哲学の本も読んでもいいってことですよね?
岩崎 拓海
ああ、そうだ
毒ヶ峰 サヤカ
わあっ!ありがとうございます!
岩崎 拓海
ふっ…
三枝 一護
(拓海様が、笑った…?)
三枝 一護
(拓海様を笑顔にさせるとは、不思議なお方だ)
岩崎 拓海
一護
三枝 一護
はい
岩崎 拓海
あの女、不思議だと思わないか?
三枝 一護
どのような点でですか?
岩崎 拓海
俺を見たほとんどの女は、仕事も手につかないくらいに俺を見つめてくるんだが、あいつは…
三枝 一護
哲学にしか興味を示しませんでしたね
岩崎 拓海
ああ
岩崎 拓海
実に不思議だ
岩崎 拓海
あの女なら、うまくやって行けそうだ
三枝 一護
私もそう思います
岩崎 拓海
絶対に手に入れるぞ、あいつを
岩崎 拓海
今までで一番手強い相手だろう
岩崎 拓海
油断するなよ
三枝 一護
肝に銘じております
毒ヶ峰 サヤカ
おお…!
谷口 美波
サヤカー
毒ヶ峰 サヤカ
おおお…!
谷口 美波
サヤカさーん?
毒ヶ峰 サヤカ
おおおお…!
谷口 美波
サヤカー!!!!!!!
毒ヶ峰 サヤカ
わっ!?
谷口 美波
さっきから呼んでたことに気づかなかったってことは、相当その本が面白いのね
毒ヶ峰 サヤカ
そうなんだよ!
毒ヶ峰 サヤカ
会長室から借りて来たの!
谷口 美波
会長室?
谷口 美波
まさか
谷口 美波
あの岩崎会長のところから!?
毒ヶ峰 サヤカ
うん!
毒ヶ峰 サヤカ
「ここにあるものはなんでも使っていい」って言われたよ
辻堂 恵美梨
何だって!
毒ヶ峰 サヤカ
わっ!!
辻堂 恵美梨
私なんか「俺の前から消えろ」って言われたのよ!
谷口 美波
相変わらずあの会長口が悪いねー
黒澤 晶
いつものことじゃねーか
毒ヶ峰 サヤカ
晶!
谷口 美波
びっくりしたー
辻堂 恵美梨
黒澤くん!
黒澤 晶
俺、拓海と幼馴染なんだけどさ
黒澤 晶
昔からずっとあの性格だからな
黒澤 晶
もう直らねえだろ
毒ヶ峰 サヤカ
あらら…
谷口 美波
顔と家柄は最高なんだけどねー
毒ヶ峰 サヤカ
家柄…?
黒澤 晶
拓海は、岩崎財閥の御曹司なんだよ
黒澤 晶
おぼっちゃまってわけだ
毒ヶ峰 サヤカ
へー
毒ヶ峰 サヤカ
なんかあんまりいい人じゃなさそう
黒澤 晶
まあまあ、ああ見えて結構優しいんだ
黒澤 晶
見逃してやってくれ
毒ヶ峰 サヤカ
うん
黒澤 晶
それにしても、驚いたな
黒澤 晶
拓海は基本、私物を他人に貸したりはしない
黒澤 晶
例え、俺にでもだ
黒澤 晶
だから、初対面のお前に貸すなんて珍しすぎるんだよ
毒ヶ峰 サヤカ
でも、好きに使えって言われたんだよね…
黒澤 晶
サヤカ、お前さ、拓海を見た時どう思った?
毒ヶ峰 サヤカ
え?どうって?
黒澤 晶
ほら、かっこいいとか、お金持ちなんじゃないかとか…
毒ヶ峰 サヤカ
うーん
毒ヶ峰 サヤカ
そんなこと考えたことないなー
毒ヶ峰 サヤカ
会長室に入ってすぐに哲学書に目が行っちゃったから
黒澤 晶
…なるほど
黒澤 晶
なんとなくわかった
谷口 美波
何がよ?
黒澤 晶
多分、拓海は、自分を見ても平然としてるやつを見るのが初めてなんだろうな
黒澤 晶
だから、サヤカの振る舞いにかなり驚いてると思う
黒澤 晶
自分よりも、哲学書に興味が行く女なんて、見たことないんだろ
黒澤 晶
俺だってサヤカ以外見たことないさ
毒ヶ峰 サヤカ
ということは、会長は…
黒澤 晶
人目をひくほどのイケメン、そして金持ちだってこと
黒澤 晶
拓海はずっと、そう見られてきた
黒澤 晶
だからあいつにとって、サヤカは新鮮に見えるんだ
黒澤 晶
これからもその振る舞いでいるようにしてくれ
毒ヶ峰 サヤカ
うん!わかった!
毒ヶ峰 サヤカ
おはようございます!
岩崎 拓海
おはよう
毒ヶ峰 サヤカ
会長!早く仕事ください!
岩崎 拓海
…は?
毒ヶ峰 サヤカ
副会長になったからには、しっかりと仕事をしたいんです!
毒ヶ峰 サヤカ
なんでもいいですので、仕事をください!!
岩崎 拓海
…あ、ああ
岩崎 拓海
じゃあ、この書類を整理してくれ
毒ヶ峰 サヤカ
はい!
毒ヶ峰 サヤカ
終わりました
岩崎 拓海
早い…!
三枝 一護
私が確認しましょう…
三枝 一護
うん、素晴らしい、拓海様、問題ありません
岩崎 拓海
あんなにたくさんあったのに…
毒ヶ峰 サヤカ
え?そうですか?
毒ヶ峰 サヤカ
なんか、いつの間にか終わってました笑
岩崎 拓海
(恐ろしい…)
岩崎 拓海
そうか、お疲れ様、あとは好きなように過ごせ
岩崎 拓海
一護、哲学書、持ってきてやれ
三枝 一護
承知しました
毒ヶ峰 サヤカ
え、もっと読めるんですか???
岩崎 拓海
ああ。頑張ったからな
毒ヶ峰 サヤカ
わーい!!
三枝 一護
サヤカ様、お待たせいたしました
毒ヶ峰 サヤカ
こんなに!
毒ヶ峰 サヤカ
面白そう!
毒ヶ峰 サヤカ
ありがとうございます!
三枝 一護
ふふっ、どういたしまして
岩崎 拓海
(あいつが笑うところ、初めて見た…)
岩崎 拓海
(あの女、やっぱり不思議だ)
岩崎 拓海
一護
三枝 一護
はい
岩崎 拓海
久しぶりに、一緒に飯食おうぜ
三枝 一護
どうしたのですか、いきなり
岩崎 拓海
いや、なんか、一人で飯を食うって、ものすごく寂しいって分かってさ
岩崎 拓海
きっと毒ヶ峰は、家族と一緒に食ってるんだろうけどよ
三枝 一護
サヤカ様をお呼びすることは可能ですよ
岩崎 拓海
来なかったらどうする?
三枝 一護
私も一緒に夕食をいただくことにします
岩崎 拓海
そうか
岩崎 拓海
呼べるか?
三枝 一護
はい。お任せください
毒ヶ峰 サヤカ
(あ、今日二人とも遅いんだ)
毒ヶ峰 サヤカ
(外食かあ…今そんな気分じゃないなあ)
毒ヶ峰 サヤカ
(着信音)
毒ヶ峰 サヤカ
(あ、三枝さんからだ)
毒ヶ峰 サヤカ
もしもし
三枝 一護
こんな時間にすみません、三枝です
三枝 一護
あの、夕食がまだでしたら、一緒に拓海様と召し上がりませんか?
毒ヶ峰 サヤカ
会長と?
毒ヶ峰 サヤカ
私なんかでいいんですか?
三枝 一護
ええ。拓海様のご希望です
毒ヶ峰 サヤカ
わかりました!
毒ヶ峰 サヤカ
すぐ行きます!
三枝 一護
いえ、私からお迎えにあがります
毒ヶ峰 サヤカ
そうですか
毒ヶ峰 サヤカ
じゃあ、お願いします!
毒ヶ峰 サヤカ
会長!こんばんは!
岩崎 拓海
おう、来てくれて助かった
毒ヶ峰 サヤカ
いえいえ!
三枝 一護
どうぞ
毒ヶ峰 サヤカ
ありがとうございます!
毒ヶ峰 サヤカ
いただきます!
毒ヶ峰 サヤカ
美味しい!
三枝 一護
良かったです
岩崎 拓海
お前、よく食うなー
毒ヶ峰 サヤカ
私、家では…うーん…
毒ヶ峰 サヤカ
家族の誰よりも食べますよー
岩崎 拓海
親父さんよりもか?
毒ヶ峰 サヤカ
もちろん!
三枝 一護
よく食べることは、良いことです
三枝 一護
まだまだありますので、よろしければどうぞ
毒ヶ峰 サヤカ
じゃあ、いただきます!
岩崎 拓海
お前よくあれだけの量を食ったな…
毒ヶ峰 サヤカ
すみません、美味しくてなかなか止まらなくて…
三枝 一護
いいんですよ、私も、あんなに美味しそうに食べていただけると、嬉しくなりますから
岩崎 拓海
…また、こいよ
毒ヶ峰 サヤカ
いいんですか?
岩崎 拓海
ああ、いつでも来い
毒ヶ峰 サヤカ
やったー!
毒ヶ峰 サヤカ
おはよう!
谷口 美波
おはよう!
辻堂 恵美梨
おはよ!
黒澤 晶
おはよー!
辻堂 恵美梨
で、会長との進展は?
毒ヶ峰 サヤカ
進展?
毒ヶ峰 サヤカ
うーん
毒ヶ峰 サヤカ
昨日会長の家でご飯をご馳走になったってことかな
黒澤 晶
晩飯か?
毒ヶ峰 サヤカ
そうそう
辻堂 恵美梨
そんなぁ!
辻堂 恵美梨
私なんか…!
谷口 美波
恵美梨は「俺の半径3メートルに近づくな」って言われてたよね
毒ヶ峰 サヤカ
ありゃりゃ…
黒澤 晶
仕方ないだろ、キモいんだから
辻堂 恵美梨
そんなこと自分でも分かってるわよー!!
黒澤 晶
じゃあ直せよ
辻堂 恵美梨
顔は治せないでしょ!!
谷口 美波
恵美梨の場合は可愛すぎるのかもね
黒澤 晶
あいつは普通の顔の女を好むからな
毒ヶ峰 サヤカ
普通の顔ってなんだろう
黒澤 晶
ブスすぎず美人すぎずって感じじゃね?
谷口 美波
最初の言葉、かなり失礼に当たるよ、黒澤
黒澤 晶
はいはいすみませんでした
岩崎 拓海
毒ヶ峰
毒ヶ峰 サヤカ
はい
岩崎 拓海
早速仕事だ
岩崎 拓海
行くぞ
毒ヶ峰 サヤカ
あ、はい!
谷口 美波
ちょっと!
辻堂 恵美梨
サヤカをこき使わないで下さい!
岩崎 拓海
そんなことをした覚えはねえけど?
岩崎 拓海
てか、俺に話しかけんな
辻堂 恵美梨
なっ…!
岩崎 拓海
お前らみたいなどこにでもいるような女には興味はない
岩崎 拓海
俺はこいつしか興味がねえんだよ
岩崎 拓海
な?サヤカ
毒ヶ峰 サヤカ
え、えっと…
毒ヶ峰 サヤカ
(なんでいきなり名前?)
女子1
サヤカちゃん、どうしたんだろう?
女子2
岩崎会長に絡まれてるし…
男子1
離した方がいいんじゃないか?
男子2
でも、あの威圧感ヤバすぎだろ…
男子2
助けられねえよ…
三枝 一護
拓海様、そこまでにしてはいかがでしょうか?
毒ヶ峰 サヤカ
三枝さん!
岩崎 拓海
一護…
岩崎 拓海
そうだな
岩崎 拓海
とりあえず、行くぞ、サヤカ
毒ヶ峰 サヤカ
は、はい!
毒ヶ峰 サヤカ
みんな!大丈夫だから!また後でね!
谷口 美波
うん!
辻堂 恵美梨
頑張って!
黒澤 晶
頑張るのも程々にしろよー!
岩崎 拓海
一護、さっきは悪かった
三枝 一護
大丈夫ですよ
三枝 一護
拓海様の気持ちも分かります
毒ヶ峰 サヤカ
(なんの話をしているんだろう?)
毒ヶ峰 サヤカ
(まあとりあえず、仕事、終わらせなきゃ!)
毒ヶ峰 サヤカ
ただいまー!
谷口 美波
おかえりー!
辻堂 恵美梨
おかえり!
黒澤 晶
お疲れ!
毒ヶ峰 サヤカ
うう、仕事が長引いて授業出られなかった💦
辻堂 恵美梨
ノートのコピーあげるよ!
毒ヶ峰 サヤカ
ありがとう!
黒澤 晶
辻堂のノートなら問題なしだな
谷口 美波
あたしのノートは?
黒澤 晶
お前は最悪だ笑
谷口 美波
失礼な!
毒ヶ峰 サヤカ
笑
黒澤 晶
仕方ねえだろ、辻堂は学年トップなんだからよ
辻堂 恵美梨
そこは関係ないでしょ笑
谷口 美波
そうよ!
毒ヶ峰 サヤカ
まあまあ、そこまででいいじゃない
黒澤 晶
ちぇっ…
岩崎 拓海
おい、サヤカに何をした?
毒ヶ峰 サヤカ
会長!
黒澤 晶
いや、別に何も…
毒ヶ峰 サヤカ
(また名前で呼ばれてる…)
岩崎 拓海
サヤカ、行くぞ
毒ヶ峰 サヤカ
えっ…どこに…
三枝 一護
拓海様、おやめください
岩崎 拓海
くそっ…
黒澤 晶
拓海、一体どうしたんだよ!
谷口 美波
そうですよ!サヤカに何をしているんですか!
辻堂 恵美梨
いい加減にしてください!
毒ヶ峰 サヤカ
ちょっと…みんな…!
女子1
私たちからも言わせていただきますが
女子1
サヤカちゃんがあなたに毎日のように呼び出されて授業にも出させずに生徒会の仕事をさせるというのは
女子1
とてもひどすぎると思います
女子2
そうですよ
女子2
サヤカが優しいからって
女子2
なんでもやらせるのは良くないと思います
男子1
俺も
男子2
俺もそう思います
毒ヶ峰 サヤカ
(どうしよう、騒ぎが大きくなってる…)
岩崎 拓海
くっ…
三枝 一護
拓海様、まずはここを離れましょう
岩崎 拓海
うるせえ!
三枝 一護
なっ…
岩崎 拓海
行くぞ!
そういうと会長は私の腕を強く掴み、教室から引きずり出そうとする。
毒ヶ峰 サヤカ
いや…痛い!
毒ヶ峰 サヤカ
(怖い…いつもの会長じゃない…!)
黒澤 晶
拓海!やめろって言ってんだろ!
岩崎 拓海
お前に俺の気持ちなんかわかるわけないだろ!
毒ヶ峰 サヤカ
(俺の、気持ちって…?)
毒ヶ峰 サヤカ
(なにそれ…)
私の右腕は、そのまま近くにあった机に思いっきりぶつかった。
毒ヶ峰 サヤカ
痛っ…
谷口 美波
サヤカ!
辻堂 恵美梨
大丈夫?
毒ヶ峰 サヤカ
う、うん
三枝 一護
拓海様、早くここから…
岩崎 拓海
早く来い!サヤカ!
三枝 一護
拓海様!!
三枝 一護
拓海様、あなたは昔から変わっていません
三枝 一護
自分の思い通りにしたがり、ならなければ力で従わせる
三枝 一護
それだけでは駄目だと私は何年も言って来たではないですか
岩崎 拓海
…わかってるさ
岩崎 拓海
一護、一回生徒会室に戻るぞ
三枝 一護
はい
黒澤 晶
サヤカ、大丈夫か?
毒ヶ峰 サヤカ
う、うん
谷口 美波
けど、右腕が腫れてるよ
辻堂 恵美梨
ちょっと見せて…
辻堂 恵美梨
そこまで酷くはないけど…一応冷やしたほうがいいね
三枝 一護
では、私が連れて行きましょう
毒ヶ峰 サヤカ
三枝さん!
三枝 一護
先程は失礼いたしました
三枝 一護
ここからは、私におまかせください
辻堂 恵美梨
そうだね
辻堂 恵美梨
お願いします
三枝 一護
はい
三枝 一護
サヤカ様、腕のお怪我の方はいかがでしょうか?
毒ヶ峰 サヤカ
だいぶ痛みも引いてきました
三枝 一護
それは良かった
毒ヶ峰 サヤカ
三枝さんって、すごいですね!
三枝 一護
えっ?
毒ヶ峰 サヤカ
怪我の治療も早いし、料理は美味しいし、優しいし…
三枝 一護
…他には?
毒ヶ峰 サヤカ
えーっと…
毒ヶ峰 サヤカ
これはいいところではないと思うんですけど…
毒ヶ峰 サヤカ
三枝さんの彼女さんはとても幸せだと思います!
三枝 一護
…ふふ、私に恋人はいませんよ?
三枝 一護
今のところは…
毒ヶ峰 サヤカ
そうなんですか?
毒ヶ峰 サヤカ
三枝さん絶対人気があると思いますよ?
毒ヶ峰 サヤカ
きっとみんな、三枝さんのこと、好きになってくれると思います!
三枝 一護
…それは
三枝 一護
あなたもですか?
毒ヶ峰 サヤカ
え?
毒ヶ峰 サヤカ
どういうことですか?
三枝 一護
残念ですが、私はあなたにしか興味がないのです
毒ヶ峰 サヤカ
?
毒ヶ峰 サヤカ
あ、あの、これは一体…
三枝 一護
愛しています、あなただけを…
三枝 一護
拓海様にも渡したくないくらいに
毒ヶ峰 サヤカ
や、やめてください
毒ヶ峰 サヤカ
三枝さんには、私よりもいい人がいるでしょう?
三枝 一護
いいえ
三枝 一護
私はあなたが好きです
三枝 一護
こんな気持ちになったのは、あなたが初めてです
三枝 一護
あなたはただ、目をつぶってYESと言えばいい
三枝 一護
私の「一護」という名前の意味をご存知ですか?
三枝 一護
たった1つの大事なものを護る
三枝 一護
そう込められています
三枝 一護
そのたった1つの大事なものを
三枝 一護
あなたにしたいのです
たしかにこの人は、私のことを大切にしてくれそうだ。
「はい」と一言言えば、その先には素敵な未来が待っているのだろう。
毒ヶ峰 サヤカ
ありがとうございます
毒ヶ峰 サヤカ
でも、私には共に歩みたい人がいるんです
毒ヶ峰 サヤカ
それは、あなたには務まりません
毒ヶ峰 サヤカ
ごめんなさい
三枝 一護
…そうですか
三枝 一護
それは、拓海様ですか?
毒ヶ峰 サヤカ
…はい
毒ヶ峰 サヤカ
私は会長が好きです
毒ヶ峰 サヤカ
会長が私のことをどう思われているかは、わかりませんが…
三枝 一護
…大丈夫ですよ
三枝 一護
胸を張って、想いを告げてきてください
三枝 一護
必ず、うまくいきますから
毒ヶ峰 サヤカ
!
毒ヶ峰 サヤカ
ありがとうございます!
三枝 一護
行ってらっしゃいませ
三枝 一護
サヤカ様
岩崎 拓海
はぁ…
どうせ今頃、一護の女になってるのかもしれないけど。
ずっと一緒にいてきたから、少しの変化でもすぐ分かる。
毒ヶ峰 サヤカ
はぁっ…はぁっ…
毒ヶ峰 サヤカ
会長…!
岩崎 拓海
サヤカ!?
毒ヶ峰 サヤカ
聞いてください!
毒ヶ峰 サヤカ
あなたが、好きです
岩崎 拓海
!
岩崎 拓海
お前、一護に何かされたか?
毒ヶ峰 サヤカ
告白されました
毒ヶ峰 サヤカ
でも、断りました
毒ヶ峰 サヤカ
私の隣を歩けるのは、あなたしかいないと思ったんです
毒ヶ峰 サヤカ
会長が私をどう思っているのかは知りませんが、あなたが好きだということだけは、覚えていてください
毒ヶ峰 サヤカ
突然すみませんでした!
毒ヶ峰 サヤカ
失礼します!
岩崎 拓海
…待てよ
毒ヶ峰 サヤカ
え?
振り向いた瞬間、私は会長の腕にすっぽりと収まっていた。
毒ヶ峰 サヤカ
あの、ここ、会長室…
岩崎 拓海
いいだろ、どうせ俺達しかいないんだしよ
岩崎 拓海
それにしても
岩崎 拓海
俺の気持ちを聞かずに出て行こうとするとは
岩崎 拓海
全く、不思議な奴だ
岩崎 拓海
いいか、よく聞け
岩崎 拓海
俺も、お前が好きだ
毒ヶ峰 サヤカ
!
岩崎 拓海
悪いが、俺の女になったからには、絶対に離さねえぞ
毒ヶ峰 サヤカ
…覚悟してますよ笑
岩崎 拓海
…そうか
三枝 一護
やはり、あの二人はお似合いですね
黒澤 晶
何呟いてんだよ、三枝さん
三枝 一護
いえ、何でもありません
黒澤 晶
そんなにサヤカが好きだったのか?
三枝 一護
ええ
三枝 一護
誰よりも
黒澤 晶
分かるぜ
黒澤 晶
俺もだ
三枝 一護
おや、そうでしたか
黒澤 晶
それにしても、今のサヤカは、とても幸せそうだな
三枝 一護
そうですね
黒澤 晶
あいつが幸せならいいって思いたいけど
三枝 一護
そう簡単には変えられませんね
黒澤 晶
その通り
三枝 一護
お2人には、幸せになっていただかないと
黒澤 晶
俺も身を引いた意味もねえしな
三枝 一護
そうですね…
黒澤 晶
どうか…
三枝 一護
お幸せに