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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

佐伯

遅えな...

佐紀から二時間たった今現在、あまりにも遅いので佐伯は苛立っていた

そんな時...

佐伯

ん?電話?

非通知からの電話だった

佐伯

もしもし?

佐紀は誘拐した

佐伯

え?

その人物はドラマとかでよくある機械の低い声でそう言った

佐伯

はぁ?何をいってんだ?

なら声を聞かしてやる

そう呟くと...

佐紀

助けて!!

佐伯

なッ!?

佐伯

お、おい!佐紀!?大丈夫か!?

佐伯

何があった!?

言ったろ?誘拐したって

佐伯

お前!何が目的だ!佐紀には一切手を出すな!!

....

助けたいのなら、近くの工事現場に来い

今なら誰もいないが...どうする?

佐伯

近くの工事現場...?

佐伯

まさか、佐田ビルの隣の工事現場か!?

ああ、そうだ

待ってるぞ

そこで通話は途切れた

佐伯

あっ、おい!!

佐伯

クソが!!

佐伯

...

佐伯

行くしかねえ...

外に出た佐伯は、に2・3分で工事現場を発見した

隣には佐田ビルもある

佐伯

見つけた!...けどこれ勝手に入っちゃっていいのか...?

佐伯

いや、今ごちゃごちゃ考えんのは無駄な事だ!行くしかねえ!

工事現場に入って行き、佐紀を探す

佐伯

佐紀!

やっぱり来てくれたね...

佐伯

!?、誰だ!!

怒りの眼差しで声のした方を向くと、怒りが驚愕へと変わっていく

その人物は...

沙美

やぁ、佐伯くん

佐伯

沙美...!

佐伯は薄々勘づいてはいた、あの日々で何か行動を起こすのは沙美だと

そもそも、何があったかは知らないが少なくとも佐紀がやるかも知れないとも思った

だが結局沙美が犯人だった

佐伯

....やっぱりお前か

しかし、そんなの受け入れられない。認めたくないと思っていたが

こうなった以上、もう隠す事も逃げ出す事も出来ない。出来るわけがない

沙美は左手に「縄で縛り上げられた佐紀」を見つける

佐伯

佐紀!!

沙美

近づかないで!

右手にある「拳銃」を佐伯の前に向ける

佐伯

なッ...拳銃!?

沙美

ククク...今日はいい日だね、すべて思い通りになるんだから...ねぇ?

佐伯

...理由は知らねえけどよ、何でこんな事をやったんだ?

沙美

......

沙美が黙り混む

その表情は何か、怒りのようなそれとも焦っているかのような

そんな顔をしながら考え込んでいる

佐伯

答えよ!!

沙美

.....

沙美

羨ましかったんだ...

沙美

幼い頃からいつも仲良くしている君達が...

沙美

妬ましくて...悔しくて...

沙美

そしてある事が分かったんだ...

沙美

佐伯くん...僕がこんな事をしたのはね...

沙美

君のせいなんだ!!

佐伯

...は?

沙美

今、君が...

沙美

好きな人がどれぐらいいると思う!?

沙美

隣の磨奈、だっけ?その駄狐も君に告白してたよね!

沙美

コイツだってそうなんだよ!

沙美

君の「兄妹」なのにも関わらず、佐伯くんを好きなってしまった

佐伯

えっ...!?

沙美

咲花ちゃんも!!僕も!!そうだったんだよ!!

沙美

まったく...君は何なんだよ...

沙美

僕はね、奪われたくなくて

沙美

だからやったんだ

佐伯

....

佐伯

俺が...

佐伯

俺が...!?

沙美

そして...ここに君を誘き寄せたのは...

拳銃を佐紀の方へと向ける

佐伯

まさか!?

沙美

今、この場で君に大事な大事な、妹の最期を見てもらう為さ!

佐伯

やめろぉぉぉぉぉ!!

辺りに銃声が鳴り響き、同時に自分の目の前で、美しく、醜い、赤い液体が飛び散る

その「血」は佐伯の体、全体を赤く染め上げる

佐伯

あ...ああ...

沙美

ふぅ...すっきりしたな

沙美

邪魔者は居なくなったし...

沙美

さて...君にも...同じ苦しみを...

その瞬間、誰かが沙美の体を押し、沙美は横へと大きく飛ぶ

それはまるで空を飛んでいる感覚で、ハトになりきったような感じでもあった

だがそれは飛んでるのではなく

遊園地のフリーホールみたいに勢いよく落下中だったのだ

落ちて行く中、沙美が最期に見たのは

悲しそうに沙美を見つめる咲花の姿だった

沙美

貴様ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

と、叫ぼうとしたものの、その一言を出す余裕さえもはなかった

佐伯

...咲花?

咲花

...

佐伯

その...

佐伯

助けてくれてありがとうな

咲花

...いいわよ、別に...

咲花は小さくそう嘆いた

部屋中にインターホンが鳴る

磨奈

...?

玄関を開くと、そこには見知らぬ男性がいた

磨奈

ど、どちら様で、でしょうか?

男性は刑事のバッチを見せる

刑事

友恵 磨奈さんですね

刑事

貴方を死体遺棄罪の容疑で逮捕します

磨奈

えっ...?

磨奈

ど、どういう...

磨奈

まさか....

磨奈

...6年前の?

刑事

ええ、そうです

刑事

2006年10月22日は遺体は葬式にはありました。

刑事

しかし、翌日。棺桶の中に遺体がありませんでした

刑事

何も手掛かりが無くて

刑事

本当、びっくりしましたよ

刑事

そもそも犯人は"既に死んでいる人をどういう理由で運び、何をしたかったのか"と捜査が難抗していましたし

刑事

当時、貴方が10歳という事もあり、信じられませんでしたが

刑事

「防犯カメラ」という証拠品を掴めましたからね

刑事

貴方が夜中に自身の母親の遺体を自宅へと持ち運びした事を既に知っています

刑事

...貴方が連続殺人犯の「松久鹿田」さんと一緒に遺体を運び出す瞬間の「映像」をね

刑事

〈真実〉という物はいつだって〈衝撃〉があるからこそ成り立つのです

刑事

後々雅彦さんは逮捕されましたが...貴方も連行します

刑事

いいですね?

磨奈

(ああ...せめて...)

磨奈

(顔ぐらい見たかった...)

磨奈

(佐伯さん...)

手錠を掛けられ、最後に想ったのは

自ら愛してしまった、一人の男だけだった

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