これは20××年に社会人として最初に働いた職場が合わず、うつ病を発症した人間が再出発の為に仕事を探していた頃の実話である。
___________________________________
7月に入ったばかりの頃、黒髪美少女に変換されたスカイは1人落ち込んでいた。
スカイ
家族が仕事や学校で出てる中、『アルバイト不合格』の通知が届いていたのである。 今まで落ちる経験をしてこなかった分、短期間で2つ駄目になったショックは大きかった。 しかも2つ目の本屋はずっと憧れていた仕事だ。尚更ショックだった。
スカイ
しかし落ち込んでばかりもいられない。好い加減貯金が底をついてしまう。 推しに貢げなくなったら生きる意味さえ無くなってしまうというのに。
スカイ
そう思いながらスカイはスマホで『セブン●レブン アルバイト』を検索した。前々職とは大学時代にやっていたセブン●レブンのアルバイトだったのだ。
検索後すぐにセブン●レブンのアルバイト募集に関するサイトが開く。 複数あるセブン●レブンの内、アルバイトを募集している店のみが位置情報と一緒に出るようなサイトになっていた。
スカイ
スカイが狙っていたセブン●レブンの位置には何も出ていなかった。つまりその店はアルバイトの募集は無いという事だろう。
スカイ
募集しているセブン●レブンの場所を思い浮かべる。
スカイ
そう考え、すぐに応募した。出来る限り早く推しに貢ぐ為の金は稼ぎたい。
スカイ
幸いにして応募するのにスカイが苦手とする電話連絡の必要性は無かった。
スカイ
そう思いながら必要事項を入力し、アルバイト応募サイトを閉じた。
___________________________________
それから数時間後のこと。
???
![通話終了](/_next/static/chunks/src/app/(default-layout)/s/[storyId]/_components/chat-script-render/op/end-call/assets/call-end.7ffbe621715a9ef9.png)
通話
00:00
そんなに鳴らない筈のスマホが鳴り出し、スカイは驚いて硬直した。
スカイ
驚きながらも重要な連絡だったら困ると思い、恐る恐る電話に出る。
スカイ
???
スカイ
電話はネットでアルバイト応募をした先のセブン●レブンだった。 まさか応募先から電話が来るとは夢にも思っていなかったスカイは驚きながら応じる。
S副店長
スカイ
優しそうな女性の声にホッとしながら応対する。
電話は今までコンビニのアルバイト経験があるのか、経験したのはどこのコンビニアルバイトか……といった簡単な質問から始まった。 大学4年間下宿場所の近くのセブン●レブンでのアルバイト経験があったスカイがその話をするとすぐに面接の日程の相談となり、電話は終わる。
スカイ
トントン拍子に話が進んで喜ぶ所かも知れないが、手前で2つも落ちたスカイである。 喜びよりも不安が勝っていた。
___________________________________
それでも時間が止まる訳でも無く、面接の日を迎える。
スカイ
思っているより緊張は無く、時間を気にしながら自転車で店舗に向かう。
店員さんに面接の話をすると話は通っていたようで、すぐに裏へと通された。 元々勤めていたセブン●レブンとの違いに新鮮さを覚えながら、案内する声に事務所へ向かう。
迎えてくれたのは2人の女性。最初に待っていてくれた方はここのセブン●レブンのオーナーのSさんと名乗り、それから少し遅れてやってきたのが電話をくれた副店長のSさんだ。
面接は終始和やかに行われ、オーナーさんも副店長さんも入ってくる蚊の事さえ気にしてくれる程だった。
どうして前職を辞めたのか、という質問については病気の事を包み隠さず話すが、それについて引かれるような事も無く、ホッとしながらその後も幾つかの質問に答える。 その後、ついに決定的な質問がされた。
Sオーナー
オーナーさんの問い掛けに考え込みながら応じる。
スカイ
答えると今度は副店長さんが言う。
S副店長
スカイ
尋ねると今度は2人ともが頷いてくれる。
2人
そうしてメモを取り、面接は終了した。 経験者というのが効いた為だろう。今まで落ち続けたのが嘘のようだ。 何と面接当日にスカイの職場内定は決まったのだった!
___________________________________
このセブン●レブンは店員に同じように精神的な病気をやった人が居るとの事で病気に理解のある場所だった。また上の方々が大らかであると不思議とそういう人が集まるのか……長く務めている人が良い人ばかりだ。 一時再び病気が悪化して1月程休ませてもらったことがあったが忙しくも充実した日々を送り、この2023年7月……ついにスカイはアルバイトとして4年目を迎えようとしている。
THE END