渋谷大
渋谷大
渋谷大
言葉に返答はない
取り残されたように鏡の中に立ち尽くした結花の鏡像は
信じられないものを見るような目で
意識を手放した結花を見下ろしていた
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
鏡
渋谷大
鏡
鏡
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
鏡
渋谷大
渋谷大
渋谷大
鏡
鏡
渋谷大
鏡
鏡
渋谷大
渋谷大
鏡
渋谷大
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
鏡
渋谷はその瞬間、呼吸を忘れた
渋谷大
渋谷大
鏡
鏡
鏡像の言葉は、息をのむようにせき止められる
記憶を辿りながら話していたため気付いていなかったが
渋谷の表情は形容しがたく
感極まった悲哀の表情にも
安堵がまじる歓喜の表情にも見え、ただ
その目だけは、標的を見つけた獣の獰猛さを見せていた
渋谷大
わなないた唇から、震えた声が落ちる
しかしその唇は次の瞬間に噛みしめられ
次に鏡像に向き直った目は、慈愛と表現すべき色をしていた
渋谷大
渋谷大
渋谷大
つい先ほど、自分の獲物を取り上げた異色の男が
心底からの感謝を伝える渋谷の言葉に、鏡像は戸惑いを隠せない
自分にとっての味方か、敵か
それすら曖昧になり、混乱を起こしているようだった
そんな鏡像に、渋谷はやはり優しい笑みで声をかける
渋谷大
渋谷大
渋谷大
鏡
言うが早いか、渋谷の拳が鏡を叩き割る
血と共に床に落ちる鏡の破片
その向こう側に、焦げたようにほころび始めた
一枚の札が貼り付けられていた
鏡
鏡
鏡
鏡
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
合図と同時に、ジッポの火が札を焼く
その瞬間から、鏡の破片からは黒い物がコールタールのように滲み出し
札が焼き尽くされると同時に、津波のように膨れ上がった
黒いもの
黒いもの
ぞるりと人に成ったそれは、黒い塊のまま高らかに笑う
それを見て、渋谷は血まみれの手を差し出した
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
言葉の終わりを待たず、黒い塊が半液体となって渋谷の上に降りかかる
それを一瞬ぎょっとした顔で見たものの
渋谷は粘つくそれを一纏めに掴み
鏡の飾られていた側の壁に投げ飛ばした
黒いもの
渋谷大
渋谷大
渋谷大
咆吼するその開口部に、血まみれの手を突っ込む
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
黒いもの
まるで腕全体がスライムにまみれるような気持ち悪さを覚えながら
鏡の破片でさらに傷を増やし、出血量を上げていく
やがて黒い塊は膨張を始めると共に結界によって締め上げられ
まるで風船が破裂するように、あっけなくはじけ飛んだ
渋谷大
体に付着した粘体が、サラサラと砂になって剥がれていく感覚
それに安堵するより先に傷口を強く締めつけ
渋谷は疲れ切った表情で廊下に座り込んだ
渋谷大
渋谷大
肩から流れ落ちた白い髪に、思わず頬が緩む
自分に酷似した能力と、白い髪
それだけで姉の関与を確信し、ほんの少し脱力した
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
痛む拳を握りながらも、その表情は柔らかい
しかし少し離れた場所から香る汚臭に顔を上げ
さてと小さく口を開いた
渋谷大
渋谷大