テラーノベル
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主
主
主
主
主
主
青
僕はとある夢を何度か見る
真っ黒な海辺で、僕の隣に立つ
もう一人の僕
同じ顔
同じ声
でも、瞳は
深い悲しみに沈んでいた
「僕、君のこと羨ましいな」
「お兄ちゃんたちに愛されて
笑って
僕の代わりに…」
目が覚めると涙が出ている
理由はわからない
そして、今日聞いてしまった
紫兄の部屋の前で
橙
足がすくんだ
いない?
僕は、ここにいるのに
___
そっ、か
僕は、お兄ちゃんたちの記憶の中にいる
弟だったんだ
本当はとっくに
この世にはいなかったんだ
日々の中で
僕は少しづつ透明になった
リビングに行っても
ほぼ反応してくれなくなった
名前を呼ばれることも減った
集合写真も
僕だけ見えなくなっていた
ある日、赤兄が僕の前を通り過ぎた
何も言わず
笑もしない
僕が「どうしたの?」
と声をかけても
まるで聞こえないみたいだった
青
消えるってことなんだね
でも、
桃兄は
みんなとは違った
必死で僕を見つけようとした
桃くん、
もう、いいんだ
これ以上、僕を苦しめないで
「青」なんて、呼ばないで
5人で幸せに暮らして、
僕のことなんて、忘れてよ、
みんなが
幸せに暮らしてくれるのが
僕にとっての
“幸せ”だから
でも、
大好きなんだよ、
忘れたくないんだよ
忘れられたく、ないの
こんなの、
わがまま、だよね
好きだよ、
みんな
体が消えない
まだ僕のこと覚えてる人がいるんだ
桃兄、だよね
夜の街が足元で宝石みたいに輝いてる
青
僕はフェンスの前にたった
下を向いても、恐怖はなかった
むしろ
青
最近は、もう僕のこと見なくなった
記憶も無くなってるみたい
あれ?
指先が消えてってる
桃くん、また、ちょっと
忘れてってるんだ
青
青
青
青
青
ばんっ
青
青
桃
桃
桃
主
主
主
主
主
コメント
4件
意外な展開!!続きが楽しみすぎる!!
続き楽しみにしてますっ!