あの日から柊は本当にバレー部に入った。
ぎこちないレシーブ。
全然続かないトス。
それでも、笑いながら繋ごうとしてくれる仲間がいて
叱ってくれる顧問が居て、何よりも_
黒尾 鉄朗
柊、ナイスレシーブ!
黒尾 鉄朗
今のは俺も惚れ直したわ!笑
柊 冬夜
…別に、惚れられてませんけど。
黒尾 鉄朗
えー?まだツンツンしてんの?
黒尾 鉄朗
俺的にはかなり落ちてると思ったのに。
柊 冬夜
ばーか、もうとっくにおちてるっつーの…
黒尾 鉄朗
え?
柊 冬夜
なんでもない。
そういう柊の顔は少しだけ赤くなっていた。
黒尾鉄朗という存在が、
柊の心に少しづつ、確かに
居場所
を築いていた。
_もう誰も傷つけなくていい。
_もう自分を守る為に牙を剥かなくていい。
その日から柊は
戦う少女
ではなく、
繋ぐ少女
として
仲間達とネットの向こうを見つめていく_
爪痕に咲く 〜 f i n 〜