6人とシオンの花には償いを

ぶるーくsaid

シャークんsaid

俺も、いつかはあいつに謝らないとだな

言ったらここに、居られなくなるのか......

俺は、ぶるーくよりも重い罪だから

ぶるーくは許されて、俺は許されない

そんなことは分かってる

それぐらい処罰がないと、俺は耐えられない

それぐらい、わかってるのに

何故か、まだここに居たいと思ってしまう

それぐらいは、許して欲しい

きんときsaid

カツンカツンと、窓を指で叩く

俺はなかむを背負っていて、更には袋まで持っているので車が開けられないのだ

「車開けて」と、口パクで言うと「おっけー」と返された

なかむを後ろの席に座らせると、彼の綺麗な空色の瞳がみえた

俺はなかむの隣に座った

きりやんとスマイルは、後ろの席で寝ているようだ

きりやんsaid

車の音と、周りの声で目が覚める

周りを見渡してみると、隣にスマイルが寝ていた

肩から激痛が走った

肩を見ると包帯で巻かれている

そうだ、俺、庇って打たれたんだ

きんときの言う通りに、元いた体制に戻る

あぁ、

俺は守れた....、いや救えたのか

今は絶望も、悲しみも、憂鬱感もない

"あのとき"、こう、救ってやれば......

未来は変わったのか......？

あいつもあんな思いしなかったのか？

なんて思っても、過去は変えられないのだから意味は無い

そんな思考をしながら車に揺られていた

頬に流れる雫は無視して

その光景を紫の瞳がただ見守っていた

スマイルsaid

まだ眠気があり、頭が働いていない

みんながただいまと、誰もいない部屋に言った

嬉しい

こうしてみんな、無事に"ただいま"と言える

そんな事実が嬉しくて

思わず心の中で嬉しさが増す

それと共に、きりやんを傷つけてしまった罪悪感と、後悔が身体中を巡る

ふわふわとぶるーくが言った

少し心配気味できんときは呆れた顔をしていた

強気に言うきりやんに、思わず笑いがこぼれた

なかむの言う通り

生きててよかった

お前らと出会えたから

今はどうか悪いことに目を背けよう

神様、許してくれますか

俺が"幸せ"になることを

彼は変えたい"過去"があるようだ

3枚目のシオンの花びらが散った

"なにか"を抱えている

1輪の緑色のシオンが咲いた