月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・まろにきが付き合ってます ・🎲様能力者パロ ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
りうら→火を操る能力 -hotoke-→植物を操る能力 初兎→毒を操る能力 ないこ→重力を操る能力 If→一度見たものを完全に覚えられる能力 悠佑→言霊(言葉で人を操ったり言ったことが現実になったりする)
月見。
この世界は、少し特殊だ。
世界の人口の、約4分の1。3割にも満たない一部の人達が、特別な力を持って生まれる。
炎だったり、風だったり、光だったり。
これは、そんな特別な力を持って生まれた俺達6人の、イレギュラーな物語。
ないこ
目覚まし代わりとでも言うのか、折角の休日に心地良い睡眠に沈んでいた俺の意識を無理矢理引っ張り上げたのは、ないこの叫び声だった。
またか、と顔を顰めながら寝返りを打つ。あー、これもう寝れないやつや。しっかり目が覚めてしまった。
起きるしかないか。と溜息を吐き、ったくあのあほとけ。なんて心の中で悪態をつきながら、俺はベッドから出た。
部屋を出ると、丁度階段をあにきが上がってくるところだった。それだけで、顰めっ面になっていた自分の表情がパァッと明るくなったのが分かる。
If
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
ビジネス不仲いじりはダルいが、楽しそうに笑うあにきの笑顔が見れたから良しとしよう。あにきかわいい。今日もいい朝やなぁ。
一階に降りると、正座するほとけと、その前に立つないこ。ほとけのそばにしゃかんで何やら宥めるようにないこと喋るしょにだがいた。少し離れたところではりうらが呑気にトーストを齧っている。
ないこ
-hotoke-
初兎
ないこ
初兎
りうら
初兎
ないこ
-hotoke-
悠佑
深く溜息を吐くないこを半泣きで見上げるほとけ。俺の横に立っていたあにきがすっと歩を進め、ないこの肩にぽんと手を置いた。
悠佑
-hotoke-
ないこ
悠佑
If
-hotoke-
If
悠佑
-hotoke-
If
りうら
初兎
ないこ
それぞれがゾロゾロと席に着き、いただきますと手を合わせる。んー、今日もあにきのご飯は美味しい。
さっきから話題に挙がっている通り、俺達6人は全員能力持ちである。
りうら
りうら。自称天才ぴよぴよ最年少。火を操る能力を持つ。
-hotoke-
ほとけ。まだ能力を完全に操り切れていないあほ。木や花なんかの植物を操る能力を持つ。
初兎
しょにだ。漢字弱者のあほ2。ショタっぽいかわいい見た目の割に毒を操る能力を持つまさに腹黒しょにだ。
ないこ
ないこ。ほとけの隣の1番奥の部屋を選んだばっかりに毎日朝から苦労人のかわいそうな奴。どんまいないこ。重力を操る能力を持つ。
悠佑
そしてあにき!完璧な料理男子で毎日俺達にご飯を作ってくれる。笑顔がかわいい最高のあにき。俺の恋人!言霊を操る能力を持つ。人の心に響く歌声を持つあにきにぴったり過ぎやろ。
悠佑
ないこ
If
りうら
初兎
If
-hotoke-
初兎
ないこ
悠佑
If
りうら
初兎
If
悠佑
ないこ
りうら
能力を持つ人間は、世界の人口の約4分の1。
3割にも満たない能力者達は、決して重宝されているなんてことはない。
能力を持たない人間の方が多く、それが多数派。能力を持たないことが普通であり、俺達は特異なのだ。
なんなら、能力を持つ人間がいることを信じていない人だっている。
能力を持つ人間は、基本的には生まれながらにしてその能力を持っているけど、ある日突然能力を手に入れるタイプもいる。それがほとけだ。
ほとけが能力を手に入れたのは俺達が集まる少し前のことだったらしく、それもあってか未だに能力を上手く使いこなせていない。だから寝てる間に能力が発動して、よくほとけの部屋の前が植物で溢れたりしてる。最近はないこ達に練習を付き合ってもらっているっぽいが。
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
破壊力えぐ。は?何それ好き。ちょっと赤くなって目逸らすとか何。俺の恋人かわいすぎん?最早保護対象。
悠佑
悠佑
If
悠佑
頬を赤く染めるあにき。うわ可愛すぎるむり。やっぱ保護しなきゃ。使命感。
If
If
悠佑
視界の端に映ったきらりと光るそれを見た瞬間、俺はあにきの手を取り駆け出した。
If
悠佑
入ったのは雑貨屋さん。そのアクセサリーコーナーにあったとあるネックレスを手に取って、あにきに見せた。
宝石が嵌め込まれたシンプルなネックレスだったが、その宝石の色が黒と青の2種類しかなかった。こういうのって基本もっと種類あるのに。
If
悠佑
If
店員
ささっと会計を済まし、すぐに着けるからとタグも取ってもらい、あにきの元へ戻る。
悠佑
If
お金を払おうとするあにきの言葉を遮り、俺はあにきの後ろへ回って、ネックレスを着けた。
If
お揃い、ね。と自分にももう一つのネックレスを着ける。
あにきの首元で光る青。俺の首元で光る黒。自分の色じゃなくて、敢えてお互いの色を着けて。
悠佑
If
嬉しそうに微笑むその顔を見られるなら、これ以上の幸せはない。
悠佑
If
悠佑
幸せに満たされた帰り道は、突然鳴り響いた着信音によって終わりを告げた。
悠佑
なんやろ、と電話に出て、あにきが耳元にスマホを持って行った時だった。
悠佑
初兎
スピーカーにしてるわけでもないのにその場に響き渡ったしょにだの声。只事ではないその雰囲気に、あにきの表情が険しくなる。
悠佑
初兎
悠佑
初兎
悠佑
初兎
悠佑
そう叫んでブチっと電話を切ると、あにきは俺に持っていた袋を押し付けて来た。
悠佑
If
悠佑
If
俺の言葉を待つことなく、あにきは走り去ってしまった。その場に残された俺の腕の中のビニール袋が、風に吹かれカサカサと音を立てた。
If
りうらやないこ達は、相手に直接ダメージを与えられる能力だ。咄嗟に戦闘をしなくてはならない状況になっても応戦できる。
けど、あにきの言霊はどうだ。確かに言葉で相手や現実を操れるのは強い。けどその分反動があることも、あにきが能力使用に慎重なのも知ってる。
・・・そして、仲間の為なら自分の身を簡単に投げ打ってしまうことも。
If
俺は家へと全速力で駆け出した。速く、もっと速く、もっと速く走れよ俺の脚!!
あにきを追いかけられないことが情け無くて、とても悔しい。追いかけたところで足手纏いになるのが目に見えているから、その背中を追えない。
俺は、誰よりも戦闘向きな能力じゃない。
一度見たものならなんでも完全に覚えられる。それが俺の能力。
便利なことに違いは無いが、こういう時、何よりも役に立たない。
ずっと前から。あにき達と出会った時から、ずっと悩んでいた。なんでこんな能力なんだ。なんで俺には、ないこ達みたいに戦力になる、あにきを守れる能力が無いのか。
俺が、この手であの人を守れたら。そう、何度願ったことか。
If
ないこ
玄関のドアを全力で開けると、丁度廊下にいたないこと目が合った。
ないこ
If
ないこ
その言葉を聞いて、ないこの目の色が変わった。
If
ないこ
ないこ
If
泣きそうだった。何も出来ない自分の不甲斐なさに。危険の中に飛び込んでいくあにきに。今の状況に。
能力者狩り。その名の通り、俺達みたいな能力持ちを狙って襲いに来る奴らのことだ。
捕まえてオークションで売り飛ばすとか、人体実験に使われるとか、単純にその命を奪いに来るとか。その目的にバラつきはあるが、いずれも俺達の自由を奪いに来ることは同じ。完璧な敵である。
何処からどうやって俺達の情報を手に入れているのかは知らないが、こうやって時々狙われることがある。俺達の日常は、危険と隣り合わせだ。
りうら
ないこ
不安げな表情を浮かべるりうらに、自分だって不安な表情を隠し切れていないのに、強がってそう言うないこ。
リビングに集まって座る俺達の間に流れる時間は、まるで永遠の様に感じられた。
バンッ!!
If
りうら
ドアが開く音に、俺達は一目散に廊下に飛び出した。そして、目を丸くする。
-hotoke-
初兎
息を荒くし、涙で頬を濡らした二人が、玄関に座り込んでいた。
ないこ
初兎
りうら
初兎
初兎
悠佑
悠佑
-hotoke-
悠佑
初兎
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ないこが言葉を言い切る前に、俺の体は動いていた。そのまま玄関を飛び出す。
初兎
りうら
ないこ
If
ないこ
If
ないこ
目を見張る4人の返事を待たず、俺は走り出した。能力なんて、どうでもいい。危ない状況にある恋人を見捨てる様に家にいるなんて、死ぬより辛い。
ただ、走った。今度は、その背中を掴める様に。
人気の無い路地裏から聞こえて来たその声が、嫌に耳に残った。
足の向きを変え、声のする方へ足を進める。
If
地面に倒れ込んでいる悠佑と、そんな彼を囲んでいる知らない奴ら。その光景を見ただけで、正直反吐が出そうだった。
If
ネックレス・・・?
ないこ
一人が悠佑の髪を掴んで無理矢理頭を持ち上げた。ぴくりと眉が動き、悠佑の顔が苦痛に歪んだ。
やめろ、触るな。その髪に、その人に触るな。
悠佑
薄らと目を開けた悠佑が訴える。能力を使える力も無いんだろう。言霊の力は来ない。
その頬が赤く腫れ上がっているのを。その手に青く光るネックレスが握られているのを。
視界の情報全てに怒りが溢れて、俺は何も考えられなくなった。
悠佑に近づいた一人が、鉄パイプを振りかぶる。
ないこ
ないこが能力を使う前に、その鉄パイプは悠佑の頭へ、
パキパキパキパキパキッバキッ!!!
ないこ
悠佑
辺り一帯の気温が、一気に下がって。
If
氷に包まれ固まったそいつらを、冷たく睨み付けた。
-hotoke-
ないこ
悠佑
初兎
りうら
悠佑
If
-hotoke-
If
悠佑
泣いているほとけっちにべったりとくっつかれ、りうらに促されリビングに入っていくあにき。その隣を当たり前の様に確保しているまろ。
4人がリビングに消えて行くのを見届け、疲労感にはぁと溜息を一つ。そんな俺に、ないちゃん。と初兎ちゃんが小声で話しかけてきた。
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
これでまろは自分の思うままにあにきを守ったり支えたり出来るわけだし。後はあにきの自己犠牲精神さえ無くなれば。
初兎
ないこ
げんなりと顔を顰める。出来ればあんまり思い出したくないんだけど。
初兎
何処か楽しそうに聞いてくるあたり、初兎ちゃんもあにきが傷付けられたことに相当お怒りなんだな。後単純に腹黒。
ないこ
初兎
ないこ
あの時の絶対零度のまろの目には、ごくりと息を呑んだものだ。断る気があった訳じゃないが、断るなんて選択肢を用意されていない雰囲気だった。
初兎
ないこ
初兎
とぼけた初兎ちゃんが、お先にとリビングへ向かう。全く、と息を吐いて、俺も靴を脱ぎその後を追った。
りうら
-hotoke-
If
りうら
相変わらず騒がしい家の中。危険と隣り合わせな日常。
6人で過ごすそんなイレギュラーな日々が俺には存外心地良くて、大好きだ。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
コメント
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ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ 最高すぎてびっくりしました!!シリーズ化して欲しいです!!私の要望が入るなら 皆で遊園地に行って子供組とないふとあにき(1人)でバラバラになって能力者狩りにあってしまってあにきが捕まって能力者狩り達に連れて行かれる前にアニキ以外の皆が助けに来る。 みたいな感じを入れてみて欲しいですm(_ _)m 無理だったらすみませんm(_ _)m
わぁぁぁぁぁ好きです、、✨ 能力パロ...青くん覚醒かっこよすぎるんですけど!!!能力の解釈同じすぎてびびりました好きです最高です神ですありがとうございました(尊死)
初コメ失礼します。前々から拝見させていただいていたのですが、今回の能力パロ、最高でした!「守りたい」題名にぴったりで、悔しそうな表現も、覚醒?したところも、かっこよくて…!!