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放課後。文化祭準備で教室がざわめく中、琉來は机の上の筆箱を静かに片付けていた。自分がポスター係に割り当てられたことは、すでに把握していた。 横には凛が立っていた。彼は何も言わず、自然な動きで琉來の隣を歩く。 準備室は教室よりも静かで、細長い窓から差し込む夕陽が机の上に淡い影を落としていた。
凛.
琉來.
凛.
琉來.
凛は笑いながら机の上に紙を広げる。琉來も横に並んで、そっとペンを取り出した。
凛.
琉來.
凛.
琉來.
凛.
琉來.
凛.
琉來.
凛.
琉來は手元の紙を見つめたまま、少しだけ口元を動かす。
琉來.
凛.
少しの沈黙が落ちる。
凛.
凛の問いに、手が止まる。
琉來.
凛.
琉來.
凛.
琉來.
凛.
琉來.
凛.
琉來は顔を上げた。 凛の目は真っ直ぐで、冗談みたいで、でも本気みたいだった。
琉來.
凛.
ふたりは再び紙に向かい合う。 けれど、教室では見せなかった琉來の表情が、少しだけ柔らかくなっていた。
今回のお話も読んでいただきありがとうございました! 次回あらすじ ⬇ 『隣にいることが、当たり前になっていく』 文化祭準備でペアを組んだ琉來と凛。 静かな準備室、紙を前に交わすささやかな会話。 人との距離を避けてきた琉來の心に、凛のまっすぐな優しさが少しずつ入り込んでいく。
次回のお話も楽しみにお待ちください!