もうかなりの人が 賑やかな音の方に向かっている
優成
やはり、迎えに行くべきだったか
焦りから嫌な汗が背中を伝う
優成
優成
優成
雫玖を前にした時も
自分の気持ちすら言葉に出来ない
優成
雫玖
優成
雫玖
優成
雫玖
2週間ぶりに会った彼女は
目を合わせられない程に 綺麗だった
優成
雫玖
触れたら 消えてしまうのではないかとさえ
思ってしまうのは
なぜなのだろう
約束をしたあの時のように
賑やかな音と 鮮やかな色が俺達を包む
優成
優成
雫玖
雫玖
優成
雫玖
身体に悪いかも、とか
そういう事は考えないようにした
雫玖が楽しそうなら それでいいのだと
雫玖
優成
今はただ
雫玖の楽しそうな顔を 見ていたくて
洋太
優成
優成
洋太
雫玖
優成
洋太
雫玖
優成
洋太
洋太
優成
雫玖
雫玖
優成
優成
雫玖
雫玖
優成
優成
雫玖
優成
ゆっくり 彼女の歩幅に合わせて
あの時、一緒に花火を見た場所へ
・ ・ ・
花火が打ち上がるのを待って 彼女の隣に並ぶ
少し潤んだ瞳 紅色になった頬
彼女のその横顔から 目が離せなくて
雫玖
優成
優成
声が上ずってしまったのは
俺のせいじゃない
優成
雫玖
優成
雫玖
優成
雫玖
雫玖
優成
スマホの画面を見ると
不在着信が何件もあった
優成
不思議に思いながらも 通話をタップした
優成
優成母
優成
優成母
優成母
優成
優成母
母親の声が 震えているように聞こえるのは
周りの声のせいか、それとも
優成
優成母
母親がそう言いかけた時
浴衣の袖を 微かに引っ張られた
優成
優成母
優成母
優成母
袖を引っ張られて 振り向けば
残り数センチの距離に
雫玖の瞳があった
優成
雫玖
ふと、大きな音がして
空へ登った蕾が 鮮やかな華を咲かせた
その鮮やかな光は
俺も彼女も包み込んで
キラキラと煌めく
雫玖
その一言で
俺達の周りから 音が遠のいたように感じた
優成
気が付けば、彼女は泣いていた
それがどんな意味なのかは 俺には分からない
ただ
頬に伝うその雫の中を
様々な色が満たす度に
俺はどうしようもない程 彼女を抱きしめたくなった
優成
雫玖
優成
雫玖
雫玖
優成
ずっと通話中だった事に気が付き
慌てて耳に当てる
しかしそれと同時に
告白を返せなかった事への 自己嫌悪が
サッと胸に影をさした
優成母
優成
優成母
さっきよりも震えた声
優成
優成母
優成母
優成
隣にいる彼女をチラリと見て 俺は明らかな疑問を声に滲ませた
優成母
優成
コメント
2件
とても…辛い… 折角告白できたというのに、これからだという時なのに、しずくちゃんがもう取り返しのつかないことになってしまっていることがどうしようもなく辛いです…