もしも僕に魔法の力が宿ったら、 どうなるのだろう。
そしたらきっと、
まずは君を、迎えるための準備を して、それから…
君と一緒に
きっと、
君と一緒に居るだろう。
君は、 優しくて、
可愛くて、
天使みたいで、 それでいて 小悪魔みたいで。
そして誰よりも、
誰よりも…
ウソつきだ。
君
…の…で…っ…!
僕
え?
聞こえるはずのない 君の声に胸が小さくときめく。
君
あなたの…で…っ…!
君
あなたのせいでっ…!
僕
あ…。
デジャヴだ。
反射的に思った。
あのときの、 涙で顔を濡らした 君の姿と重なる。
君との思い出が 一瞬、 走馬灯のように駆け抜けていく。
君は僕の前から消えたはずなのに、
なのに、どうして 君の声が聞こえるんだろう。
僕
…なんだ。
小さくつぶやく。
決まってるだろ。
君が消えたのは、
君が死んだからだ。
僕
もう、一年経つのに。
なのにどうして、 事実を受け入れられないのだろう。
君がいなくなって、
僕の世界には 色がなくなった。
何度も死のうとした。
でも、
まるで君が止めているかのように 君のもとへいくことが できなかった。
僕
最近、あの夢ばっかだな。
つぶやいた。
あの頃の君がしたように、 坂道を駆け下りる。
そんなことをして、 君が帰ってくるはずがない。
自分でハハッと笑う。
僕
バカだなぁ…。
その声は晴天の空に吸い込まれて いって、誰の耳にも届くことは 無かった。
もしも、 なんてバカなことを考えてしまう。
でも、
でも、もしも。
僕に魔法が使えたなら。
きっと、
もう一度君と笑い合うことを 僕は望む。






