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変則トロッコ問題 ルール
現時点では、不特定多数の生徒が毒におかされている。
解毒薬のうち1瓶のみ、解毒薬の代わりに毒が入っている瓶がある。
議論を行い、解毒薬を飲むか否かを決めねばならない。
飲む場合は全員が解毒薬を飲まねばならない。
飲まない場合は、全員が解毒薬を飲まない。
担任が用意した器具を使うことは許されている。
志賀先生
志賀先生
セイヤ
ハカセ
ハカセ
ハカセはそう言うと立ち上がる。
ハカセ
ハカセ
話し合いを始めるにしても、そのきっかけというものが必要となる。
それを求めて、ハカセは周囲に訴えたのだろう。
ヒメ
ここで発言したのがヒメだったのは意外だった。
ヒメ
ヒメ
カシン
カシン
アカリ
マドカ
ハカセ
ハカセの問いかけに、ちらほらと手が挙がった。
マドカ
シズカ
マドカ
シズカ
ヨウタ
マドカ
ヨウタ
マドカ
セイヤ
ハカセ
弱々しく手を挙げていたイチカに向かってハカセが問う。
今や彼女達もバラバラ。いいや、抜けたのが0と5だから、まだかろうじてナンバーズと呼んでもいいのかもしれない。
イチカ
イチカ
イチカ
イチカ
イチカ
イチカ
イチカ
マドカ
マドカ
ハカセ
選択肢は2つしかないのだから、残りの全員が手を挙げる――とはいかないらしい。
こちらも手を挙げたのは、わずか数名だった。
ナンバーズでも意見が分かれているようだし、ツヨシもまた手を挙げていた。
ミナミ
イチカ
ミナミ
イチカ
ミナミ
ハカセ
ハカセ
ツヨシ
カナ
マドカ
セイヤ
マドカ
マドカ
マドカ
ハカセ
誰かが答えたわけではないが、静かな教室が物語っていた。
こんなこと、簡単に決められるわけがない。
すなわち、大半の人間が迷っている。
事実、セイヤ自身もまだ手を挙げていなかった。
ハカセ
セイヤ
他人任せのように聞こえてしまうかもしれないが、最終的にはどちらか決めなければならない。
しかし、今の段階では決めあぐねている人が多数。
だから、双方の言い分をプレゼンしてもらう。
イチカ
声のした方へと視線をやると、ミナミが勢い良く立ち上がったところだった。
ナンバーズの中では目立たないミナミだが、教壇に向かう彼女の目には、意思らしきものが込められていた。
イチカ
イチカの言葉なんて聞こえていないとばかりに、教壇の上に並べてあった瓶を手に取るミナミ。
みんなが見ている前で、それを飲み干してしまった。
ミナミ
志賀先生
志賀先生
教室に緊張が走る。
イチカ
ハカセ
ミナミ
ミナミ
ミナミの言葉が、張り詰めていた緊張の糸をぶった斬る。
最後まで必ず毒が残るとも限らないし、順番に意味はなかった。
しかし、ミナミの一言は、みんなを煽動するには充分すぎた。
ヨウタ
アカリ
ヨウタやアカリまで煽動されてしまい、教壇前がパニックになる。
ハカセ
ハカセ
セイヤ
ハカセ
ハカセ
セイヤ
ふと、セイヤの目にあるものが飛び込んでくる。
そして脳内で、担任の言葉が繰り返される。
セイヤ
混乱に次ぐ混乱。
このままでは収集がつかなくなる。
そう考えたセイヤは、自身の机の上に乗り、これまでの中で――おそらく、生きてきた中でも5本の指に入るくらいの声量で声を張り上げた。
セイヤ