花火大会

若干ツンデレ気味の俺は

好きな人の前だとこうなってしまう

そんなことを言いながらも

心は踊ってる

えとさんは

俺の心が読み取れるのだろうか

なぁんだ

俺と遊ぶの

楽しみだったから十秒遅れて怒ったと思ったのに

と、心の中で落ちこむ

もしかして

楽しみだったのは

俺だけなのかな

え？

また二人ででかけてきたの？

えっ！？

付き合ってんじゃない！？

そんなに

拒否らないでほしかった

絶対おれのこと

好きじゃないじゃん…

えとさんが…転校…？

いやだな…ほんとに

…えとさん

そんな寂しそうな顔

しないで

今日は

えとさんが転校する日

俺はえとさんに呼ばれて

最後にえとさんに会いに行く予定

だったんだけど…

ジリジリジリカンカンカン

起きてぇぇて！！

起き(((

バンッ…

せっかく

好きな人に会える

最後のチャンスだったのに…！

飛行機は

十秒前に出発したみたいだった

スマホがなった

通知がきたみたいだ

えとさんからだ

俺が返事を送る前に

えとさんからブロックされた

せっかく、告白しようと思ってたのに、！

もしかしたらえとさんは

あの花火大会のときから

十秒だけでも遅れたら駄目だよ

と、いうことが

わかっていて

俺に忠告をしていたのかもしれない

そうわかった瞬間

俺は後悔しかできなかった

ここで俺の恋は

終了した

今は社会人

だが、

まだえとさんのことを忘れていない

いや、

忘れられない

だからなのか

まだ一回も付き合ったことがない

俺、

えとさんしか好きになれないと思う

それを言ったらえとさんは

付き合ってくれる、？

ふと、懐かしい景色が目に入る

今日、祭りやってたんだっけ

えとさんとの思い出を思い出していると

すぐ近くにいた人が

ハンカチを落とした

気づいていないみたいだし

拾ってあげるか

なんだかおかしいえとさん

誰、この男

この男の薬指には

指輪がはまっていた

えとさんの薬指にも…

同じ指輪で…

俺はえとさんの腕を掴んで話す

それでも俺は、無視して話す

パシッ

腕を離される

えとさんの腕を引っ張っている この男が

そう言って二人は

人混みの中に消えた

俺は

今もこれからも

ずっとこのことを後悔し続けるだろう

これからも絶対

忘れないよ

付き合ったりもしないよ