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物心ついた時から家族愛は無かった。
世間体だけ気にする母
優秀な兄
美人な姉
愛らしい妹と弟
心強い男手が居ない中で、私達は必死に生活をしていた
いつもすれ違う日々
一刻も早くこの生活から抜け出したかった
栞奈‐ｶﾝﾅ
ただいま…
栞奈‐ｶﾝﾅ
(相変わらず狭いな…)
美雨‐ﾐｳ
でさー笑
栞奈‐ｶﾝﾅ
(お姉ちゃん、電話中か…)
美雨‐ﾐｳ
…
栞奈‐ｶﾝﾅ
(外出てよ…)
栞奈‐ｶﾝﾅ
…はぁ
小雪‐ｺﾕｷ
栞奈姉ちゃん？
栞奈‐ｶﾝﾅ
小雪…今帰り？
小雪‐ｺﾕｷ
あーうん
栞奈‐ｶﾝﾅ
(どうせ、彼氏と居たんだろうな)
栞奈‐ｶﾝﾅ
今は帰んない方がいいよ、お姉ちゃん電話してた
小雪‐ｺﾕｷ
ふーん、じゃあ私もここ居てよ
栞奈‐ｶﾝﾅ
一冴は？
小雪‐ｺﾕｷ
いっくん？知らなーい
栞奈‐ｶﾝﾅ
ふーん
栞奈‐ｶﾝﾅ
(まぁ、ウチは基本放任主義だしね)
一冴‐ｲｯｻ
…姉ちゃん？小雪？
栞奈‐ｶﾝﾅ
一冴、！
小雪‐ｺﾕｷ
やっほー
一冴‐ｲｯｻ
ここで何してんの？
栞奈‐ｶﾝﾅ
お姉ちゃんの電話待ちだよ
一冴‐ｲｯｻ
お姉ちゃん、もう電話終わってたよ
小雪‐ｺﾕｷ
えー？なーんだ！
小雪‐ｺﾕｷ
かーえろ！
栞奈‐ｶﾝﾅ
(お姉ちゃん、私が帰ったの気付いてた筈だから教えてくれても良いのに)
栞奈‐ｶﾝﾅ
(まぁ、どうでもいいけど)
一冴‐ｲｯｻ
じゃ、俺コンビニ行くから
栞奈‐ｶﾝﾅ
うん、気を付けてね
小雪‐ｺﾕｷ
たっだいまー
美雨‐ﾐｳ
おかえりー
流星‐ﾘｭｳｾｲ
…
栞奈‐ｶﾝﾅ
…ご飯、作るね
美雨‐ﾐｳ
今日、カレーが良いー
小雪‐ｺﾕｷ
私もー
栞奈‐ｶﾝﾅ
(今日は、焼き魚の予定なのに…)
栞奈‐ｶﾝﾅ
分かった、カレーにするね
小雪‐ｺﾕｷ
やった！
栞奈‐ｶﾝﾅ
(食材、あるかな…)
栞奈‐ｶﾝﾅ
あ、人参とお肉ない…
一冴‐ｲｯｻ
姉ちゃん、人参と肉
栞奈‐ｶﾝﾅ
え、あ…ありがとう？
栞奈‐ｶﾝﾅ
なんで分かったの？
一冴‐ｲｯｻ
小雪の顔がそう言ってた
栞奈‐ｶﾝﾅ
(さ、さすが双子…)
小雪‐ｺﾕｷ
はぁ、早くこんな家出たいな
小雪‐ｺﾕｷ
ママも帰って来ないし
美雨‐ﾐｳ
しょうがないじゃん、子供が5人も居て全員学校に通わせてくれてるんだもん
流星‐ﾘｭｳｾｲ
だから、俺らのことは俺らでやらなきゃな
栞奈‐ｶﾝﾅ
(でも、家の中を掃除するのも私だし、ご飯を作るのも私…)
栞奈‐ｶﾝﾅ
(私は、これ以上何を求め続けられなきゃいけないんだろう)
栞奈‐ｶﾝﾅ
(まだ中学生のうちはバイトも出来ないから負担は軽いけど…)
栞奈‐ｶﾝﾅ
(でも)
美雨‐ﾐｳ
栞奈？
栞奈‐ｶﾝﾅ
な、なぁに？お姉ちゃん
美雨‐ﾐｳ
いつも頼りにしてるからね！
一冴‐ｲｯｻ
いつもありがとう、姉ちゃん
栞奈‐ｶﾝﾅ
…う、ううん、こちらこそありがとう
栞奈‐ｶﾝﾅ
(私には、家族しか居ないんだ)
♡⇒50
お久しぶりです、夢莉です。
学年が上がってから忙しく、あまり投稿が出来ていませんでした。
合間を縫って思い付いたら書く、みたいな感じで続けております。
投稿頻度はどんどんガタ落ちになっていくと思いますが、これからも応援よろしくお願い致します🙇♀️
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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