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10月28日
この日は私と貴史の結婚記念日だ。
毎年、私たちはこの日に豪華なご馳走を食べる。
今年も2人で食べる
……
はずだった。
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
私はいたずらっぽい笑みを浮かべながら
写真の中の貴史に話しかけた。
もちろん、返事はない。
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
ガシャン!
勢い余って、机の上のお皿を全て床に落とした。
でも、それくらい許せなかったのだ。
10月1日
この日、貴史は仕事に行ったっきり帰ってこなかった。
そして発覚した自殺。
もう、何もかも遅かった。
どうして気づいてあげられなかったのか。
彼の苦しみに、しっかり寄り添いたかった。
抱きしめて
美羽
そう、言ってあげたかった。
もう、遅い。
何もかも手遅れだ。
こんな形で、私の結婚生活はたったの3年で終わってしまった。
後悔の念だけが募っていく。
もっと、もっと
一緒にいたかった。
彼と一緒に、生きたかった。
もう、10月28日に一緒にご馳走を食べることも無い。
いや、もうこれから先は、彼に会うことすら無いだろう。
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
美羽
そう、何にもない。
『何も無い日』
あるのは、それだけ。