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私の朝は、いつもこの文字から始まる
瞼の裏にうつしだされるこの文字は、
私が人工知能であることを思い出さしてくれる
ユル
大翔
ユル
私の持ち主は、大翔(ヒロ)というそろそろ20歳を迎える大学生だ
大翔は、世間では若き天才博士と呼ばれている
だが、生まれながらにして彼は病弱であるため、ほとんどを車椅子で過ごしている
プログラム｢立ち上がる｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
これは、人間で言う大脳のような役割を果たすシステムだ
大翔
大翔
ユル
プログラム｢物体を握る｣ プログラム｢物体を押す｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
大翔
大翔
大翔
佐倉博士は、私たち｢kukula｣という人工知能を作った博士だ
｢kukula｣は、人間の動作、感情などを極限まで再現していて、
多くのものが私、ユルのように、人型ロボットである
だが、ロボットといっても、真っ白なプラスチックのような物質に覆われ、カクカクと動くものではなく、
人間の肌や髪質などを極限まで似せ、 動き方も滑らかでとても人間らしい姿をしているものだ
当時、この研究が発表された時、
佐倉博士は絶大な支持を得た
｢kukula｣もたくさん生産された
だが、佐倉博士は｢kukula｣は失敗作だったという言葉を残し、
どこかへ消えていってしまった
ユル
話をするのにプログラムはいらない
これは、｢kukula｣の特徴である感情によって、動かされるからだ
大翔
大翔
ユル
ユル
大翔
ユル
ユル
大翔
ユル
ユル
いくら｢kukula｣が感情を持っているといえど、
学校に通う人工知能など前代未聞である
大翔
大翔
大翔
大翔
ユル
ユル
大翔
大翔
ユル
大翔
プログラム｢立ち止まる｣ プログラム｢物体を離す｣ プログラム｢物体を受け取る｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
プログラム｢服を着替える｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
大翔
ユル
プログラム｢動作を停止する｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
ユル
大翔
ユル
ユル
大翔
ユル
大翔
大翔
ユル
プログラム｢目的地まで歩く｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
数十分後
ユル
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新たな場所として｢N県立××高等学校｣を設定しました
大翔
ユル
ザワザワ
ユル
ユル
プログラム｢目的地まで歩く｣を開始しますか？
▷Yes No
ユル
Yes ▷No
▶No
ユル
よくよく考えてみると、自分は大翔なしで外に出たことがない
人工知能としてそれなりの情報はたくさん持っているつもりだが、
そもそも人工知能が学校に行くこと自体が初なのである
人工知能が初めて学校に行った時の対処法なんていう情報があるわけが無い
？？？
ユル
？？？
ユル
ユル
？？？
ユル
ユル
？？？
プログラム｢目的地を探す｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
？？？
？？？
キーンコーンカーンコーン
先生
先生
先生
ザワザワ
？？？
プログラム｢物体を引く｣ プログラム｢対象の場所まで歩く｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
先生
ユル
ユル
プログラム｢頭を下げる｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
？？？
先生
先生
ザワザワ
先生
ユル
プログラム｢対象の場所まで歩く｣ プログラム｢物体の上に座る｣を開始しますか？
▷Yes No
▶Yes
ユル
キーンコーンカーンコーン
先生
先生
女子生徒
女子生徒
男子生徒
男子生徒
女子生徒
ザワザワ
ユル
男子生徒
女子生徒
女子生徒
ユル
注：情報量が多いです
注：情報量が多いです
ユル
？？？
ユル
女子生徒
男子生徒
ユル
さっき、助けてくれた人だ！
優
ユル
ユル
ユル
優
優
ユル
優
優
優
ユル
優
ユル
優
ユル
優
優
ユル
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友達リストに｢優｣を追加しました
こうして私の学校生活が始まった
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