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スマホにこの上なく感謝した日

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スマホにこの上なく感謝した日

1 - スマホにこの上なく感謝した日

♥

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2019年09月12日

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トントントントンッ

トントントントントントントントンッ

小声)ふざけんなまじで…!

(死ぬ…)

半泣き小声)お願い…出てきて…!

見つけたまでは良かった

トイレのあるコンビニを

やばい、急に腹痛い…

K県の割と栄えている所に来ていた 私を突如腹痛が襲う

(コンビニ…コンビニどこ!)

早歩きとなった私は太い通りに出るとバードウォッチングよろしく 辺りを見渡して焦っていた

(これ、あかんやつや。
もうそこまで来てるもん)

肛門だけに

!!

(ナナンイレブン!!!)

私は思わず駆け出した

フルマラソンのラスト20mばりに

現在時刻はお昼過ぎ

かなり盛況している店内の人混みを 縫うように最小限の無駄のない 動きでようやくたどり着いた

が、しかし

その扉は固く閉ざされていた

希望を垣間見、油断が生じた

油断

それは圧倒的な隙へと変化する

(もう勝ったと思った故に、
お腹のブツも産声を
あげかけてる…!)

(もうちょい待って…!
すぐに開放してあげるから、
もうちょい!!)

私は弛緩しかけた肛門を叱咤し、 今一度門を固く閉ざす

だが、しかし

思い通りにいくほど人生易くはない

………

(…ん無理ぃ!限界見えてる!
すぐそこにあるぅ!!!)

(こいつ、ほんま!!どんだけ
大層なう●こしてんねん!!
はよせぇ!!)

無論声になど出していない

あくまで内心思っているだけで、 人並みの常識は装備しているし なにより度胸が備わっていない

チキンな私はノックすら出来ずただ ひたすら貧乏ゆすりのようにつま先を 上下する生物に成り果てていた

(あかん、これはあかん)

最悪の事態を想定し、私の下着に開放するところまでシュミレートしたが、 自宅まで公共交通機関を利用しての 帰路を考えるとそれだけはできない

!!

私は振り返る

正面に男女兼用トイレ

右手には手洗い場

背後には

小声)女子便所…

(いや、無理っしょ)

手洗い場の鏡の前にはなにやら 髪型を整えている女子高生が3人 (縦並び)

すいません!
ちょっとトイレ借ります!

言えるわけがない

お巡りさん来ちゃうもの

(くっそ!なまじ可能性が
見えただけにまたブツが
躍動しようとしてる)

(お願い女子高生ズ!
髪型はもう充分キマッてる!
だからお兄さんに道を開けて…!)

テレパシーの様に念じてみるも動じず

どころか視線にも気付かず 夢中で鏡とにらめっこしてる

ていうか

(はよ出て来いやこいつ
ほんま、どつき回すぞ!?!?)

出来ないことを思いつつ、 その怒りを肛門の筋力に変換し ただ耐え忍ぶ

そのとき

ジャーーー(流れる音 カチャカチャ(恐らくベルト ガチャ、ギィ(ドア開いた!!

同時に出てきた青年を、 精一杯の不機嫌顔で一瞥しつつ 私はトイレに駆け込んだ

彼は少し気まずそうにしていたので 申し訳なく思った

後に

私は

その自責の念を激しく後悔する

いや今回はマジ終わったと思った

無事お腹のブツを円満に送り出す ことに成功した私は独り言をこぼす

助かったぁ!

人生の汚点を作ることなく やり過ごすことができた私は かつてない達成感と 充実感を噛み締めた

が、ここで気がつく

これを読んでいるあなた

次に私はなにをするであろうか よく考えてみてほしい

そうだね

拭くよね

…紙、ないやん

詰んだ

まさに将棋でいう[詰み]であった

え…っとぉーーー

いやいやいや、

落ち着け、大丈夫

まだこっからやから…

詰みである

結局ここから数分パニックに陥ったが あまりに見苦しい様子故、 想像にお任せする

これを書いている今考えると ウォシュレットは付いていたため 水で流しある程度水気を切ってから 下着を履けばと気付けたが

現在パニックにより 通常時より一段とポンコツである

しかしかつてない窮地に立たされた 私は斜め上の解を得たのだ

ポケットティッシュなんかあらへんし

スマホと財布しかない

お札何枚かあるけど流石にそれを可能とする財力あらへんし

茶色いパンツにして
電車では立って帰るか…

諦めかけたそのとき

パニックにより狭まっていた その視界の中に右手側の壁が映った

求人案内出してる…

自暴自棄一歩手前の私は 別店舗のナナンイレブンの 求人ポスターを見て現実逃避

興味あればお電話くださいって…

電話…

私は光の速さでGoogleマップを開き そしてこの店舗の名称を把握

次いでSafariにて現在店舗の 青くなった電話番号をタッチ

プルルルルル、 ガチャ

店員さん

はい、ナナンイレブン●●店です

あの、すいません

店員さん

はい!

トイレまでトイレットペーパー
持ってきてください…

店員さん

はい?

あの、今お店のトイレ
借りてるんですけど
紙が無くて…

店員さん

わ、わかりました。
ドアの前に置きますね?

は、はい!
お願いします!!

しばらくして

店員さん

扉開けてすぐの所に置いておきます!

そう言って彼女は去っていった

こうして窮地を救ってもらった私は 羞恥から何を買うでもなく足早に ナナンイレブンを去った

これにてこの珍事件は解決した訳だが 私はこの日ほどスマホを持っていて 良かったと思った日はない

そして女性店員さん

チラッとレジを見たが女性の影はなく 顔を合わせることなく出てきてしまったが彼女にも心の底から感謝した

面倒な対応だっただろう

しかし私にとっては神対応に 他ならなかった

そしてもう一つ思うこと

それは

あのクズ(青年)事故に遭え

心の底からの呪詛であった

前作に続きまた下品な作品、更には 乱暴な言葉遣いとなり大変申し訳ない

今思えば気まずそうな青年のあの顔は 私に見られたからではなくて

青年(クズ)

(この人、紙ないけどどうするんやろ)

と、内心思っていたのかもしれない

ダボ!!

あとサムネイルの画像ですが

特に意味はありません

甘いもの食べたくなってください

この作品はいかがでしたか?

41

コメント

3

ユーザー

笑ってもらえると 書いた甲斐があります! やまぬなさんありがとう😊

ユーザー

改行して見やすくしたつもりが、閲覧するとめちゃくちゃ見にくい ごめんやで

ユーザー

最後まで真面目に読んでしまった(笑)最高です

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