コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
人を喰べたくなったら──
わたしを喰べてね
"約束"だよ
......わかった
どうしようもねーときは.........
喰いにいってやる──
それまで
逝
“I ♡ Pomegranate”(わたしは柘榴が大好き)と書かれたアイマスクを取った
逝
体を起こし、思いっきり伸びをする
逝
逝
セイ
逝
ぐぅぅ
逝
逝
逝
数十分後、逝は酒まんじゅうを頬張っていた
逝
もぐもぐ
今日はせっかくの非番だ
酒まんじゅうを食べ終えたら、出かけてみようか
もう、嫌だ……
???
食べたくなんてないのに……
嫌悪感が身体中に駆けめぐり、吐き気をもよおす
がまんできず、その場で吐いた
ツーンとしたニオイが鼻腔をつく
???
???
誰か、私を──
外に出たのはいいが……
逝
とくに家族連れが多く賑わっている
逝
ため息をした
逝
どん
そのとき、肩がぶつかった
逝
視線を向けると
少女が肩によりかかっていた
明らかに血色が悪い
逝
逝
彼女の顔を見たとたん、逝は絶句した
逝
逝
逝
逝
腕を掴まれた
逝
物心がついたときから、“それ”に嫌悪感を抱いていた
家族も友人も“それ”をごく普通に口にしている
どうして、“それ”を美味しそうに食べてるんだろう?
食べたくないと思っていても
身体が勝手に動き、“それ”を乱暴に掴むとかぶりつく
口に含んだとたん、気持ち悪くて吐き出した
饐えたニオイに顔をしかめる
ああ早く、こんなところ出たい…………
公園へ移動し、少女をベンチに座らせた
ちょうど木陰になっている
逝は自動販売機で麦茶を買うと、少女に渡した
逝
逝
少女の隣に腰を下ろす
逝
人気のない公園に来てしまったが
数分後
……すぅ、すぅ……
少女は逝の肩にもたれ掛かり
いつの間にか寝息を立てていた
逝
……すぅ……
逝
逝
「さあ、食べなさい」
嫌だ、食べたくない!!
「好き嫌いはダメよ」
無理矢理“それ”をわたしの口の中へ押し込もうとする
必死に抵抗した
嫌だ……!!
██なんて──
逝
逝
青白い顔をしている
逝
逝
そんなとき
ぐぅぅぅぅ
少女のお腹が鳴った
逝
思わず赤面になる
逝
逝
逝
カナタ
逝
カナタ
逝
カナタ
カナタ
カナタ
彼女は笑みを浮かべた
数時間後
ふたりは食事を終え、ファミレスをあとにした
逝
カナタ
さっきよりも顔色はよくなっている
遊歩道は人混みでごった返していた
カナタの手をそっと掴む
カナタ
逝
ドキッ
カナタ
カナタ
振り返るとそこにいたのは
?
カナタ
チナ
逝
カナタ
大学に進学するため、都会で一人暮らしをしていると聞いていたが
まさかこんなところで再会するなんて……
チナ
どうしよう
村を飛び出したこと、チナちゃんが知ったら
カナタ
思わず逝の手を握りしめた
チナ
チナ
カナタ
チナ
チナは逝に対してにっこりと微笑む
逝
カナタ
チナ
逝
チナ
逝
カナタの手を引く
カナタ
ちらっと従姉妹に視線を向ける
口を閉じたまま、逝を凝視していた
ふたりは人通りもまばらな裏町通りに出た
逝
遊歩道にある小さな東屋の中へ入る
しばらく沈黙が続いた
カナタ
意を決してカナタは口を開く
カナタ
逝
カナタ
逝
カナタ
逝
逝
カナタ
逝
カナタ
人喰いだから
逝
逝
カナタ
人喰いは血の臭いに敏感だ
出会ったとき、セイから血の臭いはしなかった
逝
逝
カナタ
首を横に振る
カナタ
逝
カナタ
カナタ
カナタ
逝
カナタ
カナタ
?
?
右目が赤く、中性的な顔立ちの女が立っていた
カナタ
逝
親しげに相手に声をかける
咫穏はカナタを一目で見て
咫穏
逝
カナタ
これまでの経緯(いきさつ)を聞いて、咫穏はそっと息を吐く
咫穏
咫穏
カナタ
咫穏
逝
咫穏
咫穏
懐からスマホを取り出す
咫穏
カナタ
接客なら去年、短期バイトでやったことがある
それを伝えると
咫穏
咫穏はどこかに連絡した
数分後
咫穏
逝
咫穏
逝
咫穏
咫穏
カナタ
咫穏
逝
逝
咫穏
咫穏
咫穏
咫穏
逝
カナタ
あれよあれよという間に、甘味処《びゃくだ》で働くことが決まった
カナタが一生懸命、給仕するのはまた別の話──