V6 不思議な船旅4 Voyager～最後の航海～

岡田はその頃、まだアミさんの眠る場所にいて・・・・

手を合わせ、目をつむり、何かを心の中で呟いているのだろうか・・・。

もう、届かないはずの声を・・・・。

そう、心で呟く岡田。

すると、不思議なことに、指輪が光った。

岡田は、指輪キスをしていた。

二人に交わされた約束は切ない。

けれど、大きかった。

いつか、結婚して生まれた子供が女の子なら、《アミ》と、名付けたいな・・・

岡田は、少なくともそう思っていた。

こうして岡田は、みんなのもとへ戻っていった。

一方のルキアさんと、剛も仲良く二人戻っていた。

なぜか、ニヤニヤが止まらない井ノ原くん。

そっか、キキさんみたいな人もいる・・・。いや、あれは、女装か（坂本君の心の中）

二人して赤くなっている。

そんな笑いあっているメンバーをよそに僕は、歩き続けていた。

イナンと過ごしたこの場所を、もう一度歩きたくなったんだ。

これも旅の一部なのかな？

ほぼ、独り言をいいながら歩いてた。

初めてここに来たときは、僕たちが狙われているのと同時にイナンも狙われていた。

あのときは、ビックリするくらいドキドキすることが多くて・・・・。

いちばんびっくりしたのは、やっぱりイナンのことを好きになってしまったこと・・・。

不覚だったなぁ～

そんな風に呟いていたら、

プルルルル

突然、携帯電話が鳴り響いた！

思わず落としそうになり・・・

画面を見ると？

知らない番号・・・

というより、番号もなく掛かってる・・・

って言うか、電波通じるのかよ！

ま、また、混乱しそう・・・

鳴りやみそうにないので・・

出てみることにした。

すでに僕は、城に戻っては来ていた。けど、最後に思い付いてここにいるときに電話がかかってきた。

なんでもないことなんだけど、最後にイナンと一緒にやりたいことを思い付いたんだ・・・。

それは、プールで一緒に泳ぐことだった。

これが、最後の決断。

イナンと別れの決意をする、最後の・・・・・

その頃・・・

ルキアさんは、知らなかったみたいだ。

いつの間にかマイクを持っている。

⚠酔っぱらっているわけではありません。

みんなが、ワイワイ歌って踊っている最中、僕は、イナンとプールで泳いでいた。

時間を忘れた旅に二人で出掛けたような気持ちだった。

楽しい時間は、本当にあっという間だった。

もう、夕日が沈もうとしていたから・・・・・。

僕とイナンは同時にその夕日をみていた。

僕は、夕日をみるイナンをじっと見て・・・・

イナンは、僕に突然キスをした。

それが今までとは違うキス。

これが、本当のさよならのキスだ。

そしてお互い自分の道を歩き始めるんだ。

始まりのキスでもあるかな。

こうして僕たちが戻ると、

みんなはすでに帰る準備万端だった。

生きててよかった。

その本人の姿は今はないけれど・・・

このあとの物語で、彼とはなぜだかすごく関わっていく・・・というか、登場するというか・・・・邪魔されると言うか・・・。

僕たちは、船に乗り込んだ。

僕たちは、歌い、踊り続けた。

彼女たちが見えなくなるまで・・・・。

ずっと・・・・。

こうして俺たちは、コンサートに挑んだ。

井ノ原君のあの報告に、思わず涙しそうになるメンバーもいた。

いや、本人が泣いてたけど(笑)

ファンが思ったより祝福してくれたから・・・。

人間っていいな。

仲間っていいな・・・。

そう思える瞬間でもあった。

珍しく、僕にそう耳打ちする剛。

イナン、聞こえてる？

まだまだ未熟な僕らだけど見守っていてね・・・。

僕らは、忘れないでいるから・・・

イナンたちと過ごした日々を、絶対忘れないから・・・・！

おわり