コメント
2件
選曲がいいよね
曲パロ 『少女レイ』
……ふふっ…
しいな黄昏
遠くか近くか分からない、どこか分からない所から
酷く震えた優しい声が聞こえた
それは抵抗なく耳に入ってくる、
ずっと探していた愛しい声
本能が狂い始めた
私はハツカネズミのように小さくなり、追い詰められた
ありす
今絶望の淵に立って笑い
踏切へと飛び出した
しいな黄昏
君を思い出す
死ぬ前の最期の時間、俺にいつも通りの笑顔を見せて姿を消した君を
君は友達、そう
君は俺の友達
だから俺の手を掴めばよかったのに
君は独りだよ、味方なんて居ない
居場所も何も無かったでしょ?
俺と君、2人きりでこのまま
愛し合えるよ
俺は君を今も愛してる
君には俺しかいなかった
俺を愛してるでしょ?
しいな黄昏
目の前にはあーりがいる
しいな黄昏
しいな黄昏
しいな黄昏
何度も何度もあーりの名前を呼ぶ
いつもなら笑って なぁにっ? って聞いてくれるのに、
なんで
しいな黄昏
あーりは下を向いて笑った
ありす
しいな黄昏
あーりが線路に飛び出す
しいな黄昏
手に触れた
なのにあーりは止まらなくて、触れた感覚はあったのに手はすり抜けて
そこら中に血が飛ぶ
一面が綺麗な朱色で染まり、君は痛々しい姿で眠る
どこかで、見た事がある?
繰り返し、フラッシュバックする君の死
蝉の声が嫌に頭の中で響く
何をしてもどんなに願っても、二度とは帰らぬ君
永遠にちぎれていく
ずっと付けていてくれた、お揃いのキーホルダー
夏が消し去っていった、日焼けをしていない白い肌の可憐な少女
消えてしまった君に、いっその事悲しくなる程取り憑かれてしまいたい
自分の本性がだんだんと暴れ始めた、いつのかも分からない9月のスタートを告げる夏休み明けのチャイム
ねぇあれ…w
うわーかわいそ、なんかあったの?
夏休み前あんなのあったっけw
知らなーいww
あの子死んだのかなw
ちょっとまってそれはやばいwww
ww
ありす
標的の机には、萎れて種類も分からなくなった花が入れられた花瓶が置いてあった
その花瓶を仕掛けたのは
しいな黄昏
俺だった
こんな事をしたのは初めて
人をいじめたいなんて今まで思った事はない、これもいじめたくてやってる訳じゃない
俺の脳で思いついたのはこんな方法だけだった
でもこれは君が、あーりが悪い
あーりが俺だけを見てくれなかったから
色んな子に抱きついたり好き好き言ったりして、俺を1番にしてくれなかった
俺だけを見ててよ
しいな黄昏
ありす
俺は君の苦しみを知ってる
助けが欲しいでしょ?
しいな黄昏
絶望と恐怖に溺れていく可愛い君の手に、そっときすをした
…なにあれーwww
きもちわるww
ばかみたい…ww
ありす
学校中に放たれた、薄笑いの獣達
君のその心が晴れるまで
しいな黄昏
ありす
縋るように爪を突き立てる不揃いで不格好なスカート
蝉の声も風鈴の音も聞こえない夏の静寂を切り裂く悲鳴が谺した
とても心地よいとは言えない教室の空気に反して、窓から見える空はとても綺麗な青だった
…君は友達。
そう、だよ
君は友達
たった1人の友達
だから、早く俺の手を掴みなよ
助けてって
一緒にいてって
はやく
なのに
しいな黄昏
なんで、
誰にも頼らないで、消えちゃうの
俺は、
きみが、いなくちゃ
いばしょなんてどこにもないんだよ
きみのそばだけがおれのいばしょだった、のに
もし、俺と君が、
この夏の海のように透き通った世界で
愛し合えたら_。
しいな黄昏
繰り返す
フラッシュバック。
頭に響くような蝉の声、
二度とは帰らぬ君。
永遠に、ちぎれていく、
お揃いのキーホルダー。
夏が消し去った
白い肌の少女に、
悲しいほど、
取り憑かれてしまいたい。
ありす
透明な君は俺を指さし、何かを言った
蝉の声で掻き消された言葉
それはきっと
しいな黄昏
俺を引き止める言葉だった。