キリサキ
キリサキ
不気味の谷現象とは
ロボット等の姿や動きが人に近づくと始めは好感が湧き、そして更に人間に似ていくとその中途半端な人らしい気味の悪さから急激に嫌悪感を抱くが
そこから更に人と区別が付かなくなるほどになると一転して、再び急激に好感が湧くというものである
キリサキ
キリサキ
陽平
ようへいと呼ばれた彼はコードも部品も剥き出しの鉄の塊そのもので
開発者であるキリサキに指示された、カップにコーヒーを注ぐという動作さえぎこちなく、コーヒーを床に全てぶちまける始末だ
キリサキ
キリサキ
陽平
それから何度も改良を重ね、ようへいは顔や手足を持つまでに至った
ようへいとは幼くして亡くなったキリサキの実の息子である
この人格は彼の生前の動画などから合成、プログラミングされた虚像に過ぎないが
それでもゼロとイチでは大違いだろうか、キリサキは【ヨウヘイ】の開発に人生を捧げた
陽平
キリサキ
陽平
キリサキ
あれからだいぶようへいも器用になってくれたし、コードまみれからも解放されて今やキリサキ宅のお手伝いロボットのようで──
それでも血肉も何もない機械剥き出しの姿であるし、キリサキもこのままようへいの開発を進めるべきか迷っていた
しかし時代というのは無慈悲なもので
キリサキ本人の意向は無視され上層部は彼のアンドロイド化を加速させて行った。
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